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11章 復活祭
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しおりを挟む「嘘!?バイク?!
大ちゃんそんなの乗れるの!?すごいね」
「…大丈夫だったらバイクで行こうか?
ちょっと遠いけどバイクだったら十分かからないから‥スィーツで有名な店があるんだ‥‥ そこでいい?」
苗は必要以上に頷き目を輝かせていた
‥‥‥よし‥
‥‥よしっ!!‥‥
よっしゃーーッ!!!
夏目は心でガッツポーズを決めた‥‥‥
‥よし…最大の難関をクリアした‥‥‥あとは‥‥
あとはムードを作って告るだけ!!
‥‥大丈夫かな、俺…
「うわ‥‥けっこう大きいね…
と、そうだ!家に電話しなきゃ!!」
苗はバイクを眺めると夏目から携帯を借りてオカンに電話した‥‥
「おばさん何か言ってた?」
電話を切った苗に夏目は聞いてみる。
「うん、安全運転でお願いってさ!」
「わかった‥じゃ、行こう!何かあったら向こうにも携番教えてるから大丈夫だろうし‥‥‥」
夏目は苗にメットを被せバイクのエンジンをかけた。
「乗って!!」
夏目の合図で苗はバイクに股がると興奮気味に騒いでいる
…………………………………………
「ぅわぁ~ドキドキするぅ!
スッゴいドキドキするょぅ〰
」
「わかったからちゃんと掴まって!」
一向に自分に掴まってこない苗を不思議に思い、夏目は後ろを振り向く‥
「素人がそんな乗り方するんじゃない!たく‥‥」
苗は自分の座ってるシートの前後を掴み乗てっいた
夏目は苗を叱り両手をとると自分の腰に巻き付ける
「走り出しは勢いつくからしっかり掴んでろよ!」
それだけ言うとバイクをふかす。走り出した風力の勢いに、軽くつかまっていた苗は一瞬飛ばされ掛け驚きのあまり夏目の背中しがみつく!
強く抱きつく苗に夏目は声をかける代わりに手をぎゅっと握っていた…
そして少し走るとバイクにも慣れてきたのか苗が何だか後ろでケタケタ笑っている‥
「どうした?何がおかしい?」
夏目の問いかけに苗は
ねぇねぇ!見てぇ〰!と答えた‥
苗の言葉に一瞬チラッと視線を向けると夏目の顔を覗き込みニっ!と笑った苗の唇が向風の強風にあおられ歯茎にくっついて元に戻らない!!!
―――‥‥‥苗‥
苗はさっきから一人でこの状態を笑っていたようだった
…………………………………………
「よっしゃー‥んじゃ、
そろそろ行くか?」
集会の時間が近づき集会場に早々と行ってる本メンバーからチームが大体揃ったと連絡が入っていた‥
貴志の掛け声でその場にいたメンバー達が腰を上げ、ぞろぞろと自分達の愛車に乗っていく。
「晴樹!行くぜ!!‥」
「‥‥‥」
貴志の呼び掛けに返事もせず晴樹は黙って立ち上がった‥‥‥
‥大丈夫かょ‥コイツ?
さっきと状況の変わらない晴樹の背中を押し他のメンバーが運転する改造車に二人で乗り込む。
走り出した車の中で貴志は一人で語っていた‥‥
「まぁ、俺らはどうせ高みの見物だからな!
ちょっと離れたところで良二達がどこまでやるか見させてもらえばいい!!
なっ、晴樹!!」
「‥‥」
貴志の問いかけに何一つ言葉を発しない晴樹の様子に車を運転しているメンバーも気まずそうにミラー越しに貴志と目を合わせた
解ることはただひとつ‥‥
とてつもなくキレていること‥‥‥
こりゃ、自然に収まるまでほっといた方が正解だな。
貴志は晴樹に話かけるのを諦めた。
…………………………………………
「ほんとにいい?」
「うん、いいよ」
苗は夏目にスィーツの有名なお店に連れて来られていた‥
かき氷かパフェが食べたいと言いつつ店頭に並んでいるケーキを見ているとついつい心が揺れてしまう。
苗は結局ケーキ二つと飲み物を頼んだ‥
運ばれてきたケーキを眺めしきりにカワイイ!と言っている苗を見て夏目は‥‥‥
///‥
‥‥お前の方がカワイイ‥っ
そう思った‥
土曜でお店はかなり込んで賑わっている‥
はたから見れば苗と二人でいると恋人同士に見られるかもな‥
夏目はなんとなくこの雰囲気に酔っていた…
女の子同士の客の多い店で夏目はなんとなく目立ってしまう‥
― ねぇ、あの二人‥恋人同士だよね‥彼氏の方恰好よくない?
― うん、いい体してるよね///‥あれって逆三角ってんだっけ?‥彼女は丸じゃん…
― プッ‥ヒドー!
周りの席からコソコソと聞こえてくるそんな話し声に夏目は眉根を寄せた‥
‥俺に聞こえてくるってことは苗にも聞こえてるのかな‥
もう少し小せぇ声で話せよな!だからあんな女嫌いなんだよ!!
作り笑いしか出来ない女が苗に敵うかっつーの!
…………………………………………
「大ちゃん?」
「え、なに」
険しい表情の夏目に苗は話しかけた
「大ちゃんは飲み物だけでよかったの?」
「あ、うん‥俺、甘いもの苦手だから。実はこの店、お取り寄せが出来てさ。
‥‥ウチの親が毎週末頼むからどうもね‥‥だから遠慮しないで食えよ‥‥」
「嫌いなの?!こんな美味しいのに‥」
「子供の頃は食べれたんだけど…」
「今は子供じゃないの?」
「‥‥‥子供だけど‥
・・・子供じゃないかも…」
「?‥」
夏目は意味ありげに苗を見つめた‥‥‥
ケーキを食べ終え店をでるとバイクに股がりながら、夏目は言う。
「苗‥‥」
「ん、」
「腹ごなしに‥ここから少し先の海岸散歩する?」
夏目のこの誘いを苗はあっさり承諾した
海岸まで走ると脇にバイクを止めて防波堤を二人で歩く‥‥
人気の無さが手伝って暗い海からは柔らかな潮の香りが漂い耳障りのいい潮騒が心を満たす‥‥‥
///
‥ちょっと待て‥‥
ムードあり過ぎじゃねぇか?これ!?///
やっべ〰‥
俺、自分を抑える自信がない!!!‥
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