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第四章 伝説編
4話 想い人
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『ごめんなさい‥
私が間違ってたわ…』
『姫‥
君から俺を訪ねて来てくれるなんてね…。
わかってくれたんならいいよ…
そのかわり‥もちろん覚悟は出来てるね…』
‥ふっ、やはり我慢できずに自分からやって来たか‥
企み王子は自分の胸の中にすっぽりと顔を埋める姫を見つめ、余裕の笑みを浮かべていた‥
そして、恥ずかしそうにうつ向く姫の顔を上向かせながら瞳を伏せ…───
『――っうゎぁ〰っ
ザドルッ!?なんでお前がっ』
『いやぁん…隊長さ・ま』
ゴワゴワとしたヒゲの感触に驚き目を開くとウルウル目でルイスを見つめるザドルの姿がアップで前を塞ぐ💧‥
姫と同じドレスをパツンパツンに着こなしザドルはルイスににじり寄ってくるッ!!
『ちょっと待てっ!!
寄るなっ…それ以上寄るんじゃないっ!!
うわぁ〰やめろぉ〰💦』
ザドル姫は唇をムゥ~っと突き出しヒゲ面の顔でルイスの顔に頬擦りを繰り返し迫りまくった!
「うわっ――――ッッ‥」
―がばっ!!!
……っ…!
‥ぅ‥‥‥💧ゎ‥
‥‥‥‥ぅゎ‥💧‥っ‥
「だぁ―――っ
焦ったぁ…っ…なんちゅー夢だよっ!!」
・
あまりの恐怖にとっさに目を覚ましたルイスの顔を愛猫のフサフサとした尻尾が撫で上げていた
「にゃぁ~ん」
──…っ…
‥これのせいかよ💧
「りり‥おいで。」
ルイスは愛猫の《りり》の尻尾を撫でながら抱き上げるとベッドから降りて窓を覗いた‥
夕べ寝たのが明け方だったからな‥
しかし、目覚めの悪い朝だ💧
‥しかもなんでザドルなんだよ…
不満を抱えながらじんわりとかいた冷や汗を拭い時間を確認する‥
時刻は午前11時‥
‥ちょっと寝過ごしたな‥
まぁいい‥隊の方は自主訓練でやらせてあるし、俺はまた調べものしなきゃな…
ルイスは隊服に着替えると早めの昼食を部屋に運ぶよう城の者に頼んだ。
「にゃぁん‥」
「ん、どうした?りり‥」
足元に擦り寄るりりを、ルイスは抱き上げる。真っ白な長い毛を撫でると、りりはゴロゴロと喉を鳴らして目を細めた‥
「可愛いなお前は‥
あのじゃじゃ馬姫もお前みたいに可愛げがあればいいんだがな💧」
ルイスはさっきの夢を思い出していた‥
「‥ぅぷッ……」
そして吐き気をもよおす。
どうしてもザドル姫の印象の方が強かったらしい💧
・
「アル!お疲れ様!!
はぃ、じゃあコレ後で読んでね。」
「‥これは?」
舞台稽古が終わってからジェシカはアルに封筒を手渡す
「今週末、パーティがあるから招待状よ!」
「パーティ💧?また!?」
「あら何か文句でも?」
「‥いゃ、べつに💧‥‥」
アルはしぶしぶと封筒を受けとる。
‥あんなことがあってから行きたくないんだけどな💧
アルの脳裏にあの時の記憶が甦る‥
アルは深いため息を吐いた
「アル‥💧
どうした?そんなため息ばかりついて‥」
「ぅん‥」
アルは乗馬の練習をしながら肩を落とし、ため息を繰り返していた
‥綺麗にお洒落して堂々と女の子の格好出来るのは嬉しいんだけど‥‥‥
また、“一流の紳士狩り”をさせられるのかと思うと💧
「‥‥‥大丈夫か?
また、具合でも悪いとか?」
心配そうに聞くロイドにアルは訳を話した
「たいした理由じゃないんだけどさ💧‥
今週末のパーティでジェシカ達に付き合わなきゃいけなくて‥‥‥」
「‥‥パーティ?
あぁ、なるほどな‥
行かず後家姉妹に振り回されるってわけだ…」
‥どうせ、“あたくし達のエスコートをさせてあげてよっ!”とか言って我が侭言い放題なんだろ💧
・
何となく読みは近いがロイドはちょっと誤解していた
ロイドはジュリア達がアルにタキシードを着せて姉妹二人のエスコートをさせるつもりなのだろうと思っていたのだ
「俺も一緒に行ってやろうか?」
「え、?」
「向こうが二人がかりならこっちも二人で応戦してやればいい!!‥まぁ、どのみち手強い敵には変わりないけどな💧
一人で相手するよりは楽だろ?二人の方が」
「ぁ、うん‥ありがと…」
よくわからないが、何となく心強い言葉に聞こえる‥
アルは微笑むロイドに素直に礼を言った
「その日は迎えに行くよ」
「迎え?
あ、‥迎えはいいよ。
たぶんジュリアの部屋で準備するから早めに城に自分で行くし」
「そうか? わかった!」
二人は乗馬の練習を終えると家路を行く。
そしてパーティの約束を交わした。
「アル!
素敵ですわ!」
「あ、りがとぅ‥//
でもちょっと露出がっ…」
「あらっ!今どきこの程度を露出なんていわないわ!!これだから田舎娘は……
所であなた!この間履いた靴は何処にやったの!?」
「ご、ごめんなさぃ💦」
ジェシカに叱られアルは小さくなっていた……。
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