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第三章 恋愛編
14話 幻想夢【R18】
しおりを挟むアルが女の子だと知っていることに安心したのか、ザドルは自分が留守の日はアルの警護をして欲しいとロイドに頼んでいた。
アル達が食事をする前に早々と仕事に行ってしまったザドル‥‥‥
そして、言いたいことだけ言ってロイドを焚きつけさっさと帰ってしまったルイス‥‥‥
アルは密かに二人を恨んだ💧
そして、子供達はこれからちょくちょくロイドが泊まりに来るということに喜び、はしゃぎながらゲストルームの準備をしている‥‥
‥どうしよう‥‥‥
どうしよう‥‥
アルは風呂につかりながら、困惑していた‥
風呂から上がり、部屋で化粧水をつけて鏡とにらめっこをしていると、ゲストルームからは賑やかな笑い声が聞こえてくる‥
‥すごい楽しそう‥‥💧
村ではあまり聞くことのなかった笑い声‥
そして笑顔‥‥‥
この国に辿りつけなかったら経験できなかったこと‥
ボロボロになりながら森を彷徨い‥村から出てもどの道死ぬんじゃないか?‥
そう思ったことは一度や二度ではなかった‥‥‥
・
心では生き抜くことを半分諦めながらも辿り着いたこの国で‥‥‥
私達は生きている‥
生かされている‥‥‥
母さん──
あたしももうすぐ15歳になります‥
母さんが父さんと一緒になった歳に‥‥‥
あのまま 村に居たら経験出来ないこと‥‥‥
あたしも誰かを好きになり愛して‥‥‥
そして、結ばれるのかな‥
恋愛の恋(コイ)の意味も知らぬ まま、周りの大人の男達に翻弄され、ゆっくりと自分の気持ちと向き合うことが出来ない‥
好き‥
恋しい‥
愛しい‥‥
アレンのことは好き‥
この好きはどんな好きの意味なんだろ‥‥‥
う~~~~ん‥解らん💧
乙女は頭を抱えて悩んだ‥
―コンコン!
「アル‥‥ちょっといいか?」
扉の向こうで自分を悩ます一人の男の声がする‥
情熱的な愛を囁き真っ直ぐの瞳で自分を求めてくる‥
あたしが、女の子だと知る前から惹かれてしょうがなかった‥‥‥
そういってあたしを惑わせる‥‥
・
花火の時にソッと力強く手を握りしめ、そして何かに怒り狂ったように激しいキスをしてきた‥
アルはあの日のことを思い出した。
すごく、ドキドキして眠れなかった‥
でも、次の日に鍛錬所で会ったらロイドは結構、平気っぽかったな💧
―コンコン!
「アル?
‥もう、寝たのか?」
一向に返事のない部屋の扉をロイドはもう一度ノックした
「なに?‥」
―――!ッ‥‥//‥💧
扉が開いてアルが顔を出す
風呂上がりの濡れ髪にいつもと違う雰囲気を漂わすアルにロイドは胸が高鳴った──
「どうしたの?」
「あぁ、ちょっと‥
いいか?‥‥//‥」
扉を少し開けて顔だけ覗かせるアルにロイドは部屋に入ってもいいか?と身振りで確認した。
アルは少し考えてからロイドを招き入れると、部屋の椅子を勧め自分も向かい側に座った‥
「なに?」
聞き返すアルの方に目を向けると新しくできた腕の傷に目がいく‥そして違う部分にも視線が‥
‥///💧
ロイドは戸惑いながらソコから視線を反らす。反対の腕には森の主にやられた大きな傷が‥
刃物の傷はほんの少しでも跡に残りやすい‥
・
草木でのカスリ傷もつけたくないほどに綺麗な白い肌なのに‥‥
ロイドはアルを斬りつけた東尋坊の親方に怒りが沸いた―――
「ロイド?座って…
話があるんでしょ?💧」
アルは険しい表情のまま無言で立ちすくむロイドに催促した。
「あ、‥
あぁ‥さっきの話が気になって‥‥‥
彼女がどうとか‥//💧‥」
「‥‥💧」
そう…ロイドは密かにずっと気にしていた💧
そしてアルは今日の出来事、東尋坊の根城に行った訳を語った‥‥‥
「‥‥‥だから、隊長サンは面白がって言ってただけだよ💧
ロイドはあたしが女だって知ってるから騙されないって思ったんだけど‥‥‥
信じちゃったんだ💧?
あたし女なんだから彼女作る訳ないじゃん💧」
・
「そ、そりゃそうだよなっ
ハハ💧‥‥
じゃあ‥‥キスしたっていうのは?💧」
「‥‥///💧」
「やっぱり本当か?!」
顔を赤らめるアルを見てロイドは再び肩を落としショックを受けている💧
「キスは‥‥‥//‥
あれはモニカが急に‥‥
たぶん、あたしを男だと思ってるから、お礼のキスをいきなりしてきたんだよ💧」
アルの言葉にロイドは顔を上げた
「お礼のキス?
そうか‥‥‥
そうだよな‥‥アルは一応、男として生活してるんだからな‥‥‥」
あんなに綺麗で色っぽいアルは俺しか知らない‥‥
ただ、やっぱり男として通してる以上、外で二人で手をつないだりキスしたりなんて堂々と出来ないんだろうな‥
(あんたぁ、堂々とやってくれてるじゃないか💧?)
‥‥そりゃ全然してないとは言わないが💦
昼間とかに手を繋いだりは出来ないんだろうな‥//‥💧
普通のデートをしてみたい‥‥‥
ロイドは純粋にそんなことを願っていた‥
「ロイド?
もう、いい💧?
あたし寝るから‥‥」
一向に部屋を出る気配のないロイドにアルは自分から言っていた💧
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