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第三章 恋愛編

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「ほんとに!?──
じゃあぜひ、ご一緒します!」


マークはぺこりと頭を下げた



「よし!なら、マークは来週から国直属の医療チームだ!…すごい出世だな💧」

「ヘヘッ!…///」

ルイスの言葉にマークは照れながら満面の笑みを溢していた

「君の頑張り次第で多くの命が救われるんだ....
遊びじゃない、重大な任務だよ」


ルーカスに言われ、マークは、はぃ!と姿勢を正して返事する



命を救う.....そのためだけに、幼いながら必死で誰も解読出来ない文字を長に習い会得した.....

村では何一つ役に立たなかったこの知識をやっと役立たせることができるんだ!

マークの心は希望で満ち溢れていた・・・・













舞踏会用の衣装の採寸も終わり、

“今日はザドルとゆっくり親子の会話でもしなさい”
そうジェシカ達に言われ、仕事を早めに切り上げさせられたアルは、城を出る途中にあることを思い出した。



… はっ──…っ…そうだ!ロイドに謝りに行くの忘れてた💧


「ごめんユリア!
ちょっと用事思い出したからエバのところで待っててくれる?
すぐ済むからっ」


ユリアの理解を得るとアルはロイドの所に駆けて行った




‥あ、いた!


アルが馬舎の所に行くと、ロイドがちょうど牧場に放してた馬を小屋に誘導している最中だった


‥あと五頭だけだから終わるまで待ってた方がいいかな?…


アルは気を利かし、ロイドの馬追いの姿を眺めた..


城で飼っている愛犬二匹と絶妙なコンビネーションで器用に馬を追い立てると、あっという間に最後の一頭も小屋に誘導していく



//////
さすがだなぁ.....


ロイドの立ち回る姿にアルは惚れ惚れしていた



「──…っ…!?」

あれはアルじゃないか!?💧


自分を眺めるアルに気づいたロイドはひたすら焦った


そう…何を隠そう、ロイドは愛しいこの人を夢の中で激しく掻き抱き、現実に果ててしまったのはつい今朝の出来事だ.....💧


ロイドにしてみればできれば会えない方が気が楽だった


そしてロイドの苦悩も知らずに愛しい人は満面の笑みで手を振ってくる



ロイドは仕方なしに近寄ったが罪悪感からかアルの顔をまともに見ることができない💧

ロイドはアルから顔を反らしながら話かけた....


「──…どうした?珍しいな、お前がここに来るなんて…」


焦りを悟られないようにとついトーンの低い声でロイドは話かける




…あれ?...やっぱり怒ってるのかな…約束すっぽかしたこと....💧


アルは自分を見ないロイドの顔を覗こうとしたがロイドは必死でそれを避けていた


…顔まで真っ赤にして..やっぱり怒ってる──

どうしよう…だいぶ待たせたのかもしれない…っ……



アルは申し訳なさそうにロイドに詫びた

「ロイド、昨日はごめんね…っ…街でジェシカ達と別れてそのまま帰っちゃったもんだからっ…」


「あぁ知ってる。
アレンに送ってもらったんだろ.....いいよ別に、そんなに待ったわけじゃないから……///」


ほんとは結構待った...

そして痺れを切らし、ジュリアの部屋に向かえに行ってもう帰ったと聞かされた。その極めつけにアレンからアルを送ったと聞かされ逆上した......

だが、今となってはどうでもいい....💧


ただ、自分自身がいたたまれない。

早く目の前から立ち去ってほしいと願うばかりだった。
そう思うロイドにアルは知らずに言う


「でも....けっこう怒ってるでしょ…」


「怒ってないよ..///..」

「…っ…怒ってるじゃん!
顔、真っ赤にしてぜんぜんこっち見ようともしないしさっ!」


柵越しに身を乗り出してアルもつい喰らい付く




「…なっ…、うるさいっ…//
しつこいぞっ──…しょうがないだろっ今はアルの顔、見たくないんだよ…っ…」


「……なっ!?……っ…」






――‥し、まった…っ…

つい……っ



ロイドは咄嗟に口を塞いだ。


一瞬、ショックを受けたアルの顔がみるまに怒りに満ちていく──


‥レオに襲われて大変だったのにっ──
それでも謝らなきゃっていろいろ考えたのに…っ…


まずった!!と慌てるロイドにアルはトドメを刺した



「…っ…ロイドってわりとガキだよねっ…
アレンの方が年下なのにっぜんっぜん違う!
やっぱりアレンて大人だっ!一緒にいてすごく頼りになる!!!」



「…っ…な、にっ!?──

なんでアレンが今出てくるんだよっ──
関係ないだろっ!!」



‥ちくしょっ──…っ…胸くそ悪いっ!なんでいきなりそんなこと…っ…



胸がうずくっ…
好きな子の口から一番聞きたくない名前を聞かされ、しかも比べられて卑下された……


謝るつもりだったのに言葉が出ない──

息がつまり嫉妬が渦巻く…


… 俺がどれだけ苦しい思いしてるかも知らないくせにっっ!!!

ロイドはそれ以上を口に出せず、ギリッと奥歯を噛み締める。


「フンッ!顔みせなきゃいいんでしょっ!!」




アルは思いっきりロイドを睨むと勢いよく踵を返しその場から立ち去って行った。





「……っ…」

はぁーっクソッ!!!

なんなんだよっ!!!



ロイドは頭を掻きむしり柵にもたれかかった




好きだと思えば思う程…
感情のコントロールがきかない…っ…
ただでさえアレンの存在を疎ましく思うのにっ....!あんなことを言われて我慢出来るはずないだろ!?



ロイドは頭を抱え、胸の痛みを堪えて考える....




…アルはわざわざ謝りに来てくれたのに……
自分の勝手な感情で当たり散らしちまった.....

気持ちが落ち着いたら後で謝らないと...



ロイドは自己嫌悪に陥りながら牧場の柵を閉めた…













「ガハハ!皆でゆっくりメシ食うのも久しぶりな感じがするなぁ」


ザドルは豪快に笑いながら久しぶりの団らんを堪能していた


「うん、父ちゃん最近は長勤ばっかだったもんな!」


「おぅ、家族が増えたから稼ごう思って時間増やしたのがまずかったな💧 」



子供達はいつの間にかザドルを“父ちゃん”と呼ぶようになっていた



「そうだよザドル…
あたしも働いてるから、無理しなくていいよ!」




「あぁ、そうだな💧‥

ところで、話しは変わるがレオの奴はなんでまた急に約束破りやがったんだ💧?」


ザドルは夕食のスープをすすりながらアルに聞いてきた


「‥あたしが女だってのがバレたみたい..💧...
“俺様が約束したのはオスのバンビだ”って堂々と言われた……
だから約束は破棄だっ!て💧

体調よくなったらまたくるかも…っ…」


「‥わかった……明日、ヤツの様子でも見に行ってくらぁ・・・💧」


「‥‥お願いします💧」








──その頃、
自宅に帰りつき食事を済ませたロイドは部屋のベッドで横になり物思いにふけっていた



‥💧なんて言って謝ればいいんだ?


『今はアルの顔を見たくないんだよ!』


はっきり言ってバカだ💧
普通惚れた相手に言う言葉か!?💧



・・・・謝りに行こう💧

早いに越したことはない──…時間が経てば経つほど謝りづらくなるだろうし💧

いっそのこと俺の気持ちもっ…よしっ


ロイドは腹を決めてベッドから起き上がり部屋を後にする


「あら、今から出掛けるの?」



声をかける母親に“ちょっとね”とだけ答えロイドは馬を走らせた

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