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しおりを挟む夏希ちゃんは答えたあたしに頬を緩めて見せる。
「協力はいやじゃないけど舞花はいや」
「うん…でも仕方ない」
そう言いながらも夏希ちゃんは嬉しそうに舌を絡めたキスをしてくる。
「晶さんに回る仕事、舞花が全部こなせるように育てないと、また晶さんが犠牲になるから──」
「………」
「晶さんに仕事させないためなら俺、何でもやるよ?」
「……そのなんでもって?」
「………」
少しの間があく──
「舞花がヤル気になるようなこと……」
「……っ…」
短い沈黙の後に夏希ちゃんはそう言ってあたしの口を塞いだ。
「あっ」
シャワーを体に浴びながら溺れるようなキスをする。あたしに何も言わせないように躰の性感全てを刺激する夏希ちゃんの手が隈無く這い回る。
熱いシャワーのせいでなんだかのぼせてしまいそうだ。
喘ぐあたしの躰よりも高い夏希ちゃんの体温。
息を切らしながら掠れた声で夏希ちゃんは囁いた。
「晶さん…続きはベットでシたい──」
頷くのも待たずに強引な力で手を引かれ、タオルで巻かれて抱き上げられた。
・
何かの覚悟を決めたように、今日の夏希ちゃんは雄の匂いがぷんぷんしてくる。
ベットになだれて潜り込むと半端に濡れた躰のまま夏希ちゃんは強く抱き締めてきた。
「ああっ…いきなり吸ったらダメッ」
乳房にむしゃぶり付くように荒々しく愛撫されて思わずそう言ってしまった。
「なに?愛撫に順番なんてあるの?」
「…っ…あ、な…ないけどっ…心構えがっ」
「なんでも台本があるわけじゃないよ?芸能界なんて特にそうだよ?マリオのアドリブでわかったでしょ?」
「わ、かったけどっ…っ…」
今日の責め方は異常なくらいに感じる。
旅館で乳首が気持ちいいと言ったからだろうか。執拗に吸い上げては舌で撫でられて思わず腰がうねった。
夏希ちゃんは息を乱しながらあたしの肌を撫でる。
「……晶さん…マリオに口説かれた?」
夏希ちゃんは喘ぐあたしの顔を覗き込む。
「別に口説かれては…」
それに近い台詞はちょいちょい言われたけど……
「あのCMの時に何の話をしたの?すごい雰囲気よかったけど──」
「……」
「俺、前にあのCM受けたことあるからわかる──。ただ楽しく美味しく食べろって言われたでしょ?それ以外は自由って」
「……うん」
「やっぱり…」
夏希ちゃんはそう呟いていた。
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