227 / 403
13
しおりを挟む「ねえ晶さんっ…」
胸元に顔を埋め、熱い吐息含みの声を漏らす。
離さない
別れない
愛してる──
今まで何度言ってきたかわからない。
快楽に眉を潜め頬を紅潮させながら、それでも晶さんは俺の心を揺さぶろうとする。
「だってしょうがないよ…夏希ちゃんが浮気するっていうから」
「しないって言ってるじゃんっ」
「だって明日、食事に誘うでしょ?──…めちゃ初々しくて可愛い綺麗な脚の新人を」
「──…っ」
「手を出すの我慢してたんでしょ?」
「……別にっ…手を出したい訳じゃっ…てか、晶さんがヤメテって一言、言えばいいだけじゃんっ…なんで言わないわけっ!?」
それで済むのにっ…
「……だってそんなに可愛い相手なら負けちゃうな~って思ったから…」
「………」
「可愛い上に脚まで夏希ちゃん好みだったら勝てないな~って思ったし」
「……っ…そんな勝てないって訳じゃっ…」
「でも可愛いんでしょ?」
そう尋ねながらもやっぱり晶さんは余裕の表情を見せていた──
「──…っ…どうしてそんなことばっかっ──…」
必死過ぎて顔が歪んでくる。
この人は毎回何かある度にとことん俺を情けなくさせてくれる…
「でも気になってるでしょ?」
「そんなことないって…はっきり言って晶さんのことしか考えてないっ…」
・
四六時中──
それこそ役を演じる時だって晶さんを想う感情を思い出しながらやってる。
逢いたいって思ったから喫茶店にだって逢いに行ったのに…こんなことになるなら行かなきゃよかったっ──
「晶さんのほうが可愛いよ…俺、晶さんにいっぱい好きって言ってるじゃんっ…晶さんがフラ付くから俺だってって思っただけなのにっ…」
そうぶつけながら強く抱きしめた。
こんなやり取り、はっきり言って俺の分が悪すぎる──
俺が責めた筈だったのに、いつの間にか形勢が逆転していた。
「じゃあ、もうその新人の子は誘わないんだ?」
「うん…」
晶さんはやけに俺が言った新人のことを気に掛けてくる──
「晶さんヤケにツッコンでくるね?…新人の女の子がそんなに気になるの?」
「なるよ」
「なんで?」
「夏希ちゃんを浮気したい気持ちにさせる相手なら見ておきたい──」
「………」
正直言うと俺も見てみたい…
はっきり言ってその新人を見たのはマリオとの絡みで流れてたCMの脚だけだ。
威張って可愛いなんて言ってはみたものの、顔はどうだかわからない…
ただ──…やっぱり晶さんはニヤニヤと怪しい笑みを浮かべている。
0
お気に入りに追加
582
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる