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しおりを挟む社長は言いながら上着を手にして腰を上げる。
「どこ行くの?」
「ちょい打ち合わせ!」
「そ?……」
「ああ、…じゃあ行ってくるわ」
やけにニヤリとした顔を俺に向けると社長は事務所を出て行った。
静かになった事務所でテーブルの上にあった新聞の広告に目が向いた。
資格コースなんて名目で沢山の職種が並んでいる──
俺は何気にそれを眺めていた。
・
晶さんとの仲は良好──
それこそ幸せ過ぎてコワイッてやつだ。。。
社長の自宅を出て半月…結局は一日と開けず自分のマンションから晶さんの元へ通う日々が続いている。
──だって…
目を離すと何をしでかすかわかんないし……。
まだ、確認したくてもできないことも沢山ある。
正直、見張ってないと不安。
はっきり言ってその点では俺は晶さんを信用していない。
何を隠そう、晶さんは浮気の前科者──
俺にしてみれば、第一級並の犯罪者だ。
二人の仲が上手く行き過ぎてるからこそ曖昧になっているわけで、見えないところで大きなアザになってなきゃいいんだけど…
俺は晶さんから貰った誓約書のメールを眺めた。
一応、保存はしてあるけど破棄内容の訂正はまだされていない──
たかがメールなのにこんな小さなことさえも気にかかり俺は不安になっていた…
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