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「マジでしょうがなかったんだよ…ヤりたい盛りの歳で男だから傍に彼女居なかったら浮気するに決まってんだから…それで晶を泣かしたくなかったし…」


高槻は頭を抱えながら溜め息を長く吐く。


「結果同じじゃん」

「……でも浮気ってのは俺が嫌だったのっ!…俺だって別れて平気だった訳じゃないってっ…」


「なにそれ…嘘臭い」


「嘘じゃない。男は女より寂しがりなんだってっ…」

「……だから彼女すぐ作ったって言いたいわけ?」

「………」

「言い訳のレベル低すぎ」

気まずそうに目を向ける高槻に今度はあたしが溜め息を吐いた。

「とにかくどいて」

「ここまで来てそれは男として無理」

「さっきから男、男って──」


「無理だよ…俺今、すごいヤりたい」


「……」

「あきら…」

「ダメだよ…」

「俺とより戻せって!」

「……っ…」

高槻の舌が鎖骨を這いながら大きな手はシャツの中に潜り込む。



荒い息を吐きながら高槻はあたしの名前を何度も呼んで託し上げた胸元に目を止めた──

「──……」

気づいたか…

ヤル気無くしただろバカめがっ…


「すごいなこれ…」

高槻は夏希ちゃんが付けたキスマークの嵐に釘付けになっていた……。


「もしかして彼氏、俺のこと知ってる?」

「………なんでわかる?」

「これ、どうみても俺に当て付けのマーキングだろ?…」


高槻はあたしのキスマークを指でなぞる…

「宣戦布告か…」

「……え?…」

「上等じゃんそいつ…」 
「はっ?…ちょっ!?…ヤル気無くさないのっ!?」


「かえって燃えるっ!」

何かを呟いた高槻の顔付きが急に変わる。

高槻は突然、興奮したようにあたしの肌をまさぐり始めた──


そうだ──


根っからのスポーツマン根性だコイツはっ


獲られたボールは取り返す。

逆転勝利の喜びを何よりも知っている──
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