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第三話 駄犬×高慢
試験
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新任の西洋人の英語教師が、学生たちの実力を知るためと称して行なった試験は、王国の言語を理解できない極東の野蛮人を嘲笑うために作られたようだった。
英語の長文を読ませ、英語の質問に英語で回答を書く。
こんな試験で、必死に英語の長文を読むのは愚かだ。まずは質問を理解し、その答えを探しながら、長文を読む。答えに関係ないと思われる部分は読み飛ばす。試験で長文を全て理解する必要はないのだ。
試験は点数の高い順に答案が返される。――一番に呼ばれたのは、臨だった。
一番前の真ん中の席に座る翡翠の隣の席を臨は立ち、教師から答案を受け取る。臨が席に着く。――次に呼ばれたのは翡翠、ではなかった。
教室にざわめきが広がる。どんな試験でも、一番と二番に呼ばれるのは、翡翠と臨だった。
次々に名前が呼ばれ、席を立ち、答案を受け取り、席に着く。いつまでも翡翠の名前が呼ばれない。ざわめきは、やがて静寂になる。
翡翠よりも臨の方が慌てて、きょろきょろしている。
最後に翡翠の名前が呼ばれた。
翡翠が受け取る答案を、臨は立ち上がり覗き込む。
0点。
全て回答しているのに、〇も×も付けられていない。翡翠が席に着き、机に置いた答案を臨は取り上げ、席に着いて、必死に見る。答えの内容、合っている。単語、文法、合っている。
「先生!」
臨は席を立って声を上げ、英語で言い直した。
「先生、翡翠の答えは正しいと思います。なぜ0点なのですか?」
「Ωがこの問題を解けるわけがない。隣の君の答えを盗み見たのだ」
美しいクィーンズ・イングリッシュで教師が言った。
教室中に一斉に非難の声が上がる、西洋人の教師が理解できるように英語で。
「翡翠は臨の答えを盗み見ない!」
「答えを書くだけ書いて、『ちょっとまちがっていた』と言い張る!『ちょっと』と言い張る!」
「『問題の意味を勘違いしていた』と言う!」
「『どっちか、迷ったんだよな』と言う!」
…級友たちに弁護されているとは、翡翠には全く思えなかった。
臨が、すっと手を挙げた。級友たちの非難の声が止む。
「翡翠が俺の答案を盗み見たという証拠があるのですか?」
臨の質問に教師は答えた。
「正しい答えが書かれていた」
「俺の答えと一字一句、同じだったかよ?!」
臨はキレて日本語で言った。
翡翠は冷静だった。
西洋でΩが差別されていることは、本で読んだことがある。
『Ωは性的なことしか考えられず、知能が低い。』
それを読んで、思った。
発情期がΩの勉学の妨げになることは、認める。学校を休まなければならない。受けられなかった授業をそのままにしておけば、落ちこぼれてしまうのは当たり前だ。西洋の学校では補習もせずに、Ωは知能が低いと決めつけているのだろうか。
翡翠は立ち上がり、教師に向かって言った。
「では、僕一人で、試験を受けさせていただけませんか」
青い瞳が、翡翠を見返した。
その日の放課後、教室で一人、翡翠は試験を受けることになった。
臨が護衛として同席すると言ったが、教師は「何らかの方法で翡翠に答えを教えるにちがいない」と同席を許さなかった。
放課後。
教師は教室にやって来ると、翡翠の側に立ち、両腕を広げた。
「さあ、何をしてくれるのかな?」
翡翠は教師を見上げる。
「英語で話してみろ」という意味か?と思ったら、いきなり頤を抓まれて上向かされた。翡翠は英語で言ってやった。
「西洋人の許しもなく他人に触れる習慣は、日本人は気に入りません」
青い瞳は翡翠の顔を舐め回すように見つめた。切れ長の、深い闇のような黒い瞳。東洋人には稀な、なめらかに高い鼻。唇は薄いが、紅を引いたように紅い。高く結った長い黒髪は、絹糸のように艶やかだ。
「こうやって他の教師も誑かして、点数を稼いで来たのだろう?」
「はあ?!」
翡翠は思わず日本語で言ってしまって、英語で言い返す言葉を組み立てているうちに、
「他の学生も×××か?」
初めて聞く全くわからない英語を言われた。
ごつっと何かが何かにぶつかる音がして、翡翠と教師は教室の後ろの方を見た。翡翠の頤を抓んだ教師の指は外れた。
臨が立っていた。
扉を開ける音も翡翠は聞かなかった。臨は翡翠が心配で、教室を出て行ったと見せかけて、番犬らしく四つん這いで行って、一番後ろの机の下に身をひそめていたのだ。「ごつっ」という音は、机の下から出ようとして臨が頭をぶつけた音だった。
「si fueris Romae,Romano vivito more」
「ひっ!」
いきなり臨が言った羅甸語に、教師が悲鳴を上げた。
αの教師が怯えていた。
臨が歩いて来る。今まで翡翠が見たこともない威圧的な眼で、怯える青い瞳を見返す。
翡翠は、臨といっしょにいる時、護衛の視線を感じずにいられた理由が、わかった。
こんなにも強いαの眼に見つめられていれば、他のαの視線なんて感じるわけもない。いつも臨は微笑んでいるような、やさしい瞳をしているから、気付かなかった。
「Kneel.」
臨が高らかに声を上げた。教師は、がくがくと膝を震わせ、床に崩れ落ちた。崩れ落ちた教師を、臨は侮蔑の眼で見下ろす。
「Put your head and hands down on the ground.」
臨の言葉に操られるように教師の頭が、手が、床に着く。
「It is Japanese Style,when you apologize.」
教師を床に這いつくばらせ、土下座させたままで、臨は机と机の間を横歩きして、翡翠の逆の隣に来て、手を差し出した。
「帰ろう、翡翠。こんなヤツ、教師じゃない」
臨の手にはつかまらず、翡翠は立ち上がり、歩き出そうとして、ふわりと足元が定まらず、臨に抱き止められる。臨に支えられて、教室を出て、廊下を歩いて行く。
「臨」
「何?」
「聞いていたなら、言っていた『他の学生も×××』って、聞き取れたか?」
こんな時でさえ知識欲が勝る翡翠を、臨は、ぎゅっと抱き締めた。
「翡翠を辱める言葉なんて知らなくていい」
「気になるじゃないか」
「――……翡翠、ごめん」
「ぬひゃっ」
謝って臨は、翡翠のうなじに顔を埋めた。思わずヘンな声を翡翠は上げてしまった。臨は、うなじから顔を上げて、言った。
「君、まさか侮辱されて興奮しているのか?」
「ぅぅんっ」
「ううん」と答えたかっただけなのにヘンな声を上げてしまう、「興奮しているのか?」と聞く臨の息に、うなじを撫でられて。
臨は抱き締めた翡翠の体が熱いことに気付き、色香を嗅いだのだ。
あんな男に侮辱されて興奮したなんて、臨に誤解されたくなかった。翡翠は紅い顔を、ますます紅く染めて言った。
「臨が勇ましくて、興奮した」
臨は翡翠よりも顔を紅く紅く染めた。
英語の長文を読ませ、英語の質問に英語で回答を書く。
こんな試験で、必死に英語の長文を読むのは愚かだ。まずは質問を理解し、その答えを探しながら、長文を読む。答えに関係ないと思われる部分は読み飛ばす。試験で長文を全て理解する必要はないのだ。
試験は点数の高い順に答案が返される。――一番に呼ばれたのは、臨だった。
一番前の真ん中の席に座る翡翠の隣の席を臨は立ち、教師から答案を受け取る。臨が席に着く。――次に呼ばれたのは翡翠、ではなかった。
教室にざわめきが広がる。どんな試験でも、一番と二番に呼ばれるのは、翡翠と臨だった。
次々に名前が呼ばれ、席を立ち、答案を受け取り、席に着く。いつまでも翡翠の名前が呼ばれない。ざわめきは、やがて静寂になる。
翡翠よりも臨の方が慌てて、きょろきょろしている。
最後に翡翠の名前が呼ばれた。
翡翠が受け取る答案を、臨は立ち上がり覗き込む。
0点。
全て回答しているのに、〇も×も付けられていない。翡翠が席に着き、机に置いた答案を臨は取り上げ、席に着いて、必死に見る。答えの内容、合っている。単語、文法、合っている。
「先生!」
臨は席を立って声を上げ、英語で言い直した。
「先生、翡翠の答えは正しいと思います。なぜ0点なのですか?」
「Ωがこの問題を解けるわけがない。隣の君の答えを盗み見たのだ」
美しいクィーンズ・イングリッシュで教師が言った。
教室中に一斉に非難の声が上がる、西洋人の教師が理解できるように英語で。
「翡翠は臨の答えを盗み見ない!」
「答えを書くだけ書いて、『ちょっとまちがっていた』と言い張る!『ちょっと』と言い張る!」
「『問題の意味を勘違いしていた』と言う!」
「『どっちか、迷ったんだよな』と言う!」
…級友たちに弁護されているとは、翡翠には全く思えなかった。
臨が、すっと手を挙げた。級友たちの非難の声が止む。
「翡翠が俺の答案を盗み見たという証拠があるのですか?」
臨の質問に教師は答えた。
「正しい答えが書かれていた」
「俺の答えと一字一句、同じだったかよ?!」
臨はキレて日本語で言った。
翡翠は冷静だった。
西洋でΩが差別されていることは、本で読んだことがある。
『Ωは性的なことしか考えられず、知能が低い。』
それを読んで、思った。
発情期がΩの勉学の妨げになることは、認める。学校を休まなければならない。受けられなかった授業をそのままにしておけば、落ちこぼれてしまうのは当たり前だ。西洋の学校では補習もせずに、Ωは知能が低いと決めつけているのだろうか。
翡翠は立ち上がり、教師に向かって言った。
「では、僕一人で、試験を受けさせていただけませんか」
青い瞳が、翡翠を見返した。
その日の放課後、教室で一人、翡翠は試験を受けることになった。
臨が護衛として同席すると言ったが、教師は「何らかの方法で翡翠に答えを教えるにちがいない」と同席を許さなかった。
放課後。
教師は教室にやって来ると、翡翠の側に立ち、両腕を広げた。
「さあ、何をしてくれるのかな?」
翡翠は教師を見上げる。
「英語で話してみろ」という意味か?と思ったら、いきなり頤を抓まれて上向かされた。翡翠は英語で言ってやった。
「西洋人の許しもなく他人に触れる習慣は、日本人は気に入りません」
青い瞳は翡翠の顔を舐め回すように見つめた。切れ長の、深い闇のような黒い瞳。東洋人には稀な、なめらかに高い鼻。唇は薄いが、紅を引いたように紅い。高く結った長い黒髪は、絹糸のように艶やかだ。
「こうやって他の教師も誑かして、点数を稼いで来たのだろう?」
「はあ?!」
翡翠は思わず日本語で言ってしまって、英語で言い返す言葉を組み立てているうちに、
「他の学生も×××か?」
初めて聞く全くわからない英語を言われた。
ごつっと何かが何かにぶつかる音がして、翡翠と教師は教室の後ろの方を見た。翡翠の頤を抓んだ教師の指は外れた。
臨が立っていた。
扉を開ける音も翡翠は聞かなかった。臨は翡翠が心配で、教室を出て行ったと見せかけて、番犬らしく四つん這いで行って、一番後ろの机の下に身をひそめていたのだ。「ごつっ」という音は、机の下から出ようとして臨が頭をぶつけた音だった。
「si fueris Romae,Romano vivito more」
「ひっ!」
いきなり臨が言った羅甸語に、教師が悲鳴を上げた。
αの教師が怯えていた。
臨が歩いて来る。今まで翡翠が見たこともない威圧的な眼で、怯える青い瞳を見返す。
翡翠は、臨といっしょにいる時、護衛の視線を感じずにいられた理由が、わかった。
こんなにも強いαの眼に見つめられていれば、他のαの視線なんて感じるわけもない。いつも臨は微笑んでいるような、やさしい瞳をしているから、気付かなかった。
「Kneel.」
臨が高らかに声を上げた。教師は、がくがくと膝を震わせ、床に崩れ落ちた。崩れ落ちた教師を、臨は侮蔑の眼で見下ろす。
「Put your head and hands down on the ground.」
臨の言葉に操られるように教師の頭が、手が、床に着く。
「It is Japanese Style,when you apologize.」
教師を床に這いつくばらせ、土下座させたままで、臨は机と机の間を横歩きして、翡翠の逆の隣に来て、手を差し出した。
「帰ろう、翡翠。こんなヤツ、教師じゃない」
臨の手にはつかまらず、翡翠は立ち上がり、歩き出そうとして、ふわりと足元が定まらず、臨に抱き止められる。臨に支えられて、教室を出て、廊下を歩いて行く。
「臨」
「何?」
「聞いていたなら、言っていた『他の学生も×××』って、聞き取れたか?」
こんな時でさえ知識欲が勝る翡翠を、臨は、ぎゅっと抱き締めた。
「翡翠を辱める言葉なんて知らなくていい」
「気になるじゃないか」
「――……翡翠、ごめん」
「ぬひゃっ」
謝って臨は、翡翠のうなじに顔を埋めた。思わずヘンな声を翡翠は上げてしまった。臨は、うなじから顔を上げて、言った。
「君、まさか侮辱されて興奮しているのか?」
「ぅぅんっ」
「ううん」と答えたかっただけなのにヘンな声を上げてしまう、「興奮しているのか?」と聞く臨の息に、うなじを撫でられて。
臨は抱き締めた翡翠の体が熱いことに気付き、色香を嗅いだのだ。
あんな男に侮辱されて興奮したなんて、臨に誤解されたくなかった。翡翠は紅い顔を、ますます紅く染めて言った。
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