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#夏休み
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魔術大学には、東寮と西寮がある。理論の東寮、実技の西寮と呼ばれ、代々、伝統的に仲が悪く、熾烈な新入寮生の獲得争い、試験や行事のたびに、どちらの寮生が優秀な成績を収めたかを、競い合う。
東寮・寮長のライと西寮・寮長のオーガスは、歴代寮長の中でも、極めつけに仲が悪かった。
夏休み、帰郷せず寮に残る寮生は少なく、東寮、西寮それぞれにある食堂の料理人たちの夏休みを確保するために、どちらかの食堂だけを使うことになっていた。
夏休みの前半を東寮で、後半を西寮で、期間を分ければいいものを、毎年、夏休みが始まる前に、どちらの寮の食堂を使うか、寮長同士の対決で決定していた。
「魔術勝負じゃ、君の魔力で、ぼくの魔力に勝てるわけがないんだから、他の何でもいいよ。どうぞ、かかっておいで」
挑発した西寮・寮長のオーガスは、東寮・寮長のライが提案した透視魔術も幻惑魔術も使わないガチのトランプで、最初から最後まで一度もババを手放すことなく、完全敗北した。
しかし、東寮の食堂で、いっしょに食事をしていても、東寮の寮生と西寮の寮生はテーブルを分かれて、言葉も交わさず、目も合わさない。
食事を終えると、東寮・寮長のライは、西寮・寮長のオーガスへと歩いて行く。
歩いて行くライの背中を後押しするように、東寮の寮生たちの視線は、西寮の寮生たちが陣取るテーブルの方へと向き、睨みつける。
対する西寮の寮生たちは、オーガスを援護するように、睨み返す。
ライはオーガスに話しかけた。
「話がある」
にやりと薄い唇でオーガスが笑うと、深い碧の細めの瞳が、さらに細くなり、まるで目を閉じたようになる。オーガスは立ち上がるなり、ライのシャツの胸倉を掴んで、二人は消えた。
オーガスがライを空間移動魔術で連れ込んだのは、西寮の自分の部屋だった。胸倉を掴まれたままの姿勢で、二段ベッドの下の段にライは押し倒されている。
「話って、何?」
今にも触れ合いそうな唇で、オーガスが聞く。
鮮やかな赤毛は、ふわふわのくせっ毛、細面で、薄い唇、深い碧の細めの瞳は、さっきのように笑うと、目がなくなる。
ライは言った。
「お前、口の端にソースが付いてるぞ」
オーガスの口の端に、緑のバジルソースが付いている。今日のメインディッシュのチキンソテーのソースだった。
「話って、それ?」
「ちがうけどっ」
「Lick」
オーガスはライに命令した。
「お前、このためにっ、わざと!」
悪態を吐いても、ライのSubの体は、Domであるオーガスの命令に従ってしまう。
舌を出して、オーガスの口の端のバジルソースを舐め取る。オーガスの唇は、ライの舌を捕えて、ぢゅぢゅっと、吸い上げた。
「ぅっ、ん」
ただそれだけで、ライの体は、のしかかるオーガスの体の下で、跳ね上がる。ぽよんぽよん、揺らされて、オーガスは、唇で、舌で、ライの舌を味わう。食後に飲んだ紅茶の甘い味。
「っや、ぁ、ふっ、」
ライはオーガスの肩を掴み、押しのけようとするが、押しのけられない。
オーガスはライの舌を離すと、ベッドに両手を着き、ライを見下ろした。
舌を撫ぶられて、ライの緑色の瞳は、とろんと潤んで、金髪と呼ぶには輝きが足りない薄茶の髪は、汗に濡れている。ぽったりと厚い唇は、自分とオーガスの唾液に塗れて、半開きで、浅く息を繰り返している。
オーガスは命令した。
「Strip」
「話がある。って、言っれるらろ!」
舌が溶ろけちゃってるライが、激烈かわいい~~~~~~~~~~~っっっ
心の中で絶叫してもオーガスは、決して表情には出さず、溶ろけて回らない舌で言い返してもライが、Domの命令に逆らえず、指はシャツのボタンを外し始めるのを、見下ろしている。
ライがボタンを外し終わるまで、ゆっくり待って、オーガスは命令した。
「Present」
ライの手がシャツを開く。
羞恥で紅く色づいた、ふっくらやわらかなおっぱいと、ぽっこりお腹が、晒される。
オーガスは、ライのふわふわボディに埋もれるように抱き締めた。
あ~、もうたまらん。この抱き心地ぃぃぃ
「初めて」は、ライを揶揄っただけのプレイだった。セックスだった。なのに、オーガスは文字通り、ライの体に溺れた。
オーガスは口いっぱいに、ライのおっぱいを頬張り、乳首を舌で転がす。もう片方のおっぱいは、手のひらに包み込み、むにむに、揉んで、やわらかさを楽しみながら、乳首を指先で転がす。
「ぃあっ、ん、ぁ、あっ、あぅ、っ、」
――いつまでも、おっぱいを愛おしんでいたいけれど、名残惜しく、オーガスは口を、手を離して、ライのぽっこりお腹に、唇を、舌を這わせてゆく、下へ、下へと……
食べたばかりで、いつもより突き出ている、ぽっこりお腹の下で、かわいらしく盛り上がっているズボンの前まで、オーガスは辿り着くと、もう一度、命令した。
「Strip」
ライの指が紐を解き、ズボンを下ろす。盛り上がった下着は濡れて、染みを広げていた。もどかしく、もう一度、オーガスは命令しなければならなかった。
「Strip」
ライが下着を下ろし、ぴょこんと飛び出す物の根元には、オーガスがあげた深紅の首輪が嵌められていた。
オーガスはライの物にしゃぶりつく。
「やめっ、」
声を上げて、腰が跳ね上がるが、ライの物は、オーガスの喉奥を突くには、全く足りない。オーガスはライの物を、もぐもぐ、ちゅぱちゅぱ、味わいながら、ライの太腿に留まったままのズボンを、下着を引き下ろし、大きく脚を開かせた。そして、ぢゅう~~~と、長く強く、ライの物を吸い上げた。
「ぁうううっ」
オーガスの口内に物を締め付けられる快感は、ライの脊髄から脳天まで駆け上がり、開かされた脚を、ぎゅっと閉じてしまう。オーガスは、ぽにゃぽにゃのライの太腿に顔を、ぎゅっと挟み込まれて、至福に埋もれる。
「っあ、っあ、っあ、っあ、」
ライは、きらきら、眼前に火花が散り、びくびく、全身を震わせるが、精を放つことはできない。物の根元に嵌められている深紅の首輪を、ライが拘束魔術で締め付けているせいだ。
ライは自分の太腿の間に埋もれているオーガスの、ふわふわの鮮やかな赤毛を掴んだ。
「もぉ、逝かせてぇ……」
おねだりに応えてオーガスは、ぽにゃぽにゃの太腿に埋もれながら、頭を揺り動かし、唇で、舌で、ライの物を扱く。ライは声を上げる。
「やだっ、やだっ、やだっ、」
オーガスは、顔は強く太腿に締められて、口の中は逝けずに膨れ上がるライの物の先端から滴る雫でいっぱいで、息ができずに、逝きそうになった。
「っは、ふぅ…痛っ」
オーガスは、たまらず顔を上げ、息をついて体を起こし、2段ベッドの上の段に頭をぶつけた。
「痛いなあ、もう」
文句を言いながらオーガスは、ぐったりしているライと壁の隙間に寝転がり、もぞもぞ、シャツとズボンと、ぐしょぐしょの下着を脱ぐ。オーガスの物は、太く硬く勃ち上がり、先端から滴る雫で、ぬらぬらと赤黒く艶やかに濡れていた。
2段ベッドの上の段に頭をぶつけないように、細心の注意を払ってオーガスは、ライに膝立ちでまたがり、ベッドに両手を着いて、ぽっこりお腹に、ずっしりと重い自分の物を擦り付けた。
「ぅうう」
「ぁっ、は……」
ライはうめき、オーガスは息をつく。
「挿入れるよ、ライ」
オーガスは、ライのぽっこりお腹を持ち上げるように体を重ね合わせ、膝立ちの足を折り、腰を沈めて、自分のそこにライの物を呑み込んだ。
「ううんっ」
声を上げたのはライだった。びくびくと体を震わせて、でも逝けない。根元に嵌められた深紅の首輪が、射精をキツく妨げていた。
「自分ばっかり気持ち良くなっちゃダメだよ。ぼくも気持ち良くさせて」
オーガスはライのぽっこりお腹に、自分の物を擦り付けながら、腰を振り始める。
オーガスの中で、ライの物は撫で下ろされ、撫で上げられ、撫で下ろされ、撫で上げられ、撫で下ろされる。
「ぃっ、う、ぁっ、あ、あ、っあ、っく、ん、」
「ぃいっ、いいっ、気持ちぃっ、んぁっ、あ、」
二人の喘ぐ声が混ざり合い、二人が混ざり合う音が、ぶぢゅぶぢゅ、ギシギシ、ベッドの軋む音と混ざり合う。
オーガスの奥を突くには、ライの物は足りなすぎるけれど、ちょうど感じるところを先端が突くのだ。と同時に、ライのぽっこりお腹が、オーガスの物の裏筋を、やわやわと撫でる。
野郎のケツ穴で、ライの童貞ちんぽを喰って、嘲笑ってやりたかっただけなのに。
「Cum」
オーガスは腰を振り下ろし、自分の感じるところにライの先端を突き立てる瞬間、命令した。ずっと拘束魔術で締め付けていた、ライの物の根元に嵌めた深紅の首輪も緩める。
「あああっ、ぁっ、ぁあっ、っ、」
びくびくっ、びくっ、びく、ライの物は震えて、オーガスの中に、たっぷりと熱い精を放った。オーガスの物も精を放ち、ライのぽっこりお腹を白く穢して垂れ落ちる。その垂れ落ちる生温い感触にすら、逝ったばかりのライの体は敏感に感じて震える。
「首輪っ、もうっ、外して…」
懇願するライの口を、オーガスは唇で塞いだ。深く唇を重ね合わせ、喘ぎすぎて乾いたお互いの舌を、ざりざりと絡め合わせる。けれど、息が続かなくて、オーガスは唇を離し、苦しく息を吸って、吐く。
「っあ、はっ、ふ、――嵌めてなきゃ、ライ、すぐ逝っちゃうだろ。だから、ダメ」
「明日っから、実家に、帰る、んだよっ。こんなの嵌めてるの、バレたら、ううっ」
ぢゅぽっと、音を立てて、オーガスは自分の中から、ライの物を引き抜いた。
「話って、それ?」
「そうだよっ。人の、話を、聞かずに、お前はっ、ちょっと!」
オーガスはライの体を滑り下り、再び口の中に、ライの物を深くくわえ込んだ。ライは、汗に濡れて色が濃くなったようなオーガスの赤毛を掴む。
「何で、こんなことっ、思いつくの…」
オーガスは口で、根元に嵌められている深紅の首輪を、ゆっくりと引き抜いてゆく。
「だぁっ、めっ、イクっ、い゛く゛っ゛、イッちゃうよぉぉぉ」
泣きじゃくりながらライは、引き抜かれる首輪に与えられる限りなく痛みに近い快感に、オーガスの口内に幾度も射精した。
食堂では、東寮の寮生と西寮の寮生が仲良く、うんざりしていた。
「もうデキてんの、バレバレなんだから、仲が悪いふり、やめて欲しいよね」
「絶ッ対、誰もいない西寮で、アンアン、ヤッてるから、俺たち、帰るに帰れねえ…」
「ババ抜きも、絶ッ対、負けに行ってましたよね」
「寮長が、ライのカード、視てた透視魔術、バレバレ」
「解析魔術で視られないように、結界魔術を周囲に張り巡らせてる時点で、バレバレでしたよね…」
「でも、今日は、ライから誘ったのは、意外だったな…」
「寮長、明日から里帰りされるんですよ」
「ヤリ貯めかぁ」
はああああと、東寮の寮生と西寮の寮生は仲良く、ため息をついた。
東寮・寮長のライと西寮・寮長のオーガスは、歴代寮長の中でも、極めつけに仲が悪かった。
夏休み、帰郷せず寮に残る寮生は少なく、東寮、西寮それぞれにある食堂の料理人たちの夏休みを確保するために、どちらかの食堂だけを使うことになっていた。
夏休みの前半を東寮で、後半を西寮で、期間を分ければいいものを、毎年、夏休みが始まる前に、どちらの寮の食堂を使うか、寮長同士の対決で決定していた。
「魔術勝負じゃ、君の魔力で、ぼくの魔力に勝てるわけがないんだから、他の何でもいいよ。どうぞ、かかっておいで」
挑発した西寮・寮長のオーガスは、東寮・寮長のライが提案した透視魔術も幻惑魔術も使わないガチのトランプで、最初から最後まで一度もババを手放すことなく、完全敗北した。
しかし、東寮の食堂で、いっしょに食事をしていても、東寮の寮生と西寮の寮生はテーブルを分かれて、言葉も交わさず、目も合わさない。
食事を終えると、東寮・寮長のライは、西寮・寮長のオーガスへと歩いて行く。
歩いて行くライの背中を後押しするように、東寮の寮生たちの視線は、西寮の寮生たちが陣取るテーブルの方へと向き、睨みつける。
対する西寮の寮生たちは、オーガスを援護するように、睨み返す。
ライはオーガスに話しかけた。
「話がある」
にやりと薄い唇でオーガスが笑うと、深い碧の細めの瞳が、さらに細くなり、まるで目を閉じたようになる。オーガスは立ち上がるなり、ライのシャツの胸倉を掴んで、二人は消えた。
オーガスがライを空間移動魔術で連れ込んだのは、西寮の自分の部屋だった。胸倉を掴まれたままの姿勢で、二段ベッドの下の段にライは押し倒されている。
「話って、何?」
今にも触れ合いそうな唇で、オーガスが聞く。
鮮やかな赤毛は、ふわふわのくせっ毛、細面で、薄い唇、深い碧の細めの瞳は、さっきのように笑うと、目がなくなる。
ライは言った。
「お前、口の端にソースが付いてるぞ」
オーガスの口の端に、緑のバジルソースが付いている。今日のメインディッシュのチキンソテーのソースだった。
「話って、それ?」
「ちがうけどっ」
「Lick」
オーガスはライに命令した。
「お前、このためにっ、わざと!」
悪態を吐いても、ライのSubの体は、Domであるオーガスの命令に従ってしまう。
舌を出して、オーガスの口の端のバジルソースを舐め取る。オーガスの唇は、ライの舌を捕えて、ぢゅぢゅっと、吸い上げた。
「ぅっ、ん」
ただそれだけで、ライの体は、のしかかるオーガスの体の下で、跳ね上がる。ぽよんぽよん、揺らされて、オーガスは、唇で、舌で、ライの舌を味わう。食後に飲んだ紅茶の甘い味。
「っや、ぁ、ふっ、」
ライはオーガスの肩を掴み、押しのけようとするが、押しのけられない。
オーガスはライの舌を離すと、ベッドに両手を着き、ライを見下ろした。
舌を撫ぶられて、ライの緑色の瞳は、とろんと潤んで、金髪と呼ぶには輝きが足りない薄茶の髪は、汗に濡れている。ぽったりと厚い唇は、自分とオーガスの唾液に塗れて、半開きで、浅く息を繰り返している。
オーガスは命令した。
「Strip」
「話がある。って、言っれるらろ!」
舌が溶ろけちゃってるライが、激烈かわいい~~~~~~~~~~~っっっ
心の中で絶叫してもオーガスは、決して表情には出さず、溶ろけて回らない舌で言い返してもライが、Domの命令に逆らえず、指はシャツのボタンを外し始めるのを、見下ろしている。
ライがボタンを外し終わるまで、ゆっくり待って、オーガスは命令した。
「Present」
ライの手がシャツを開く。
羞恥で紅く色づいた、ふっくらやわらかなおっぱいと、ぽっこりお腹が、晒される。
オーガスは、ライのふわふわボディに埋もれるように抱き締めた。
あ~、もうたまらん。この抱き心地ぃぃぃ
「初めて」は、ライを揶揄っただけのプレイだった。セックスだった。なのに、オーガスは文字通り、ライの体に溺れた。
オーガスは口いっぱいに、ライのおっぱいを頬張り、乳首を舌で転がす。もう片方のおっぱいは、手のひらに包み込み、むにむに、揉んで、やわらかさを楽しみながら、乳首を指先で転がす。
「ぃあっ、ん、ぁ、あっ、あぅ、っ、」
――いつまでも、おっぱいを愛おしんでいたいけれど、名残惜しく、オーガスは口を、手を離して、ライのぽっこりお腹に、唇を、舌を這わせてゆく、下へ、下へと……
食べたばかりで、いつもより突き出ている、ぽっこりお腹の下で、かわいらしく盛り上がっているズボンの前まで、オーガスは辿り着くと、もう一度、命令した。
「Strip」
ライの指が紐を解き、ズボンを下ろす。盛り上がった下着は濡れて、染みを広げていた。もどかしく、もう一度、オーガスは命令しなければならなかった。
「Strip」
ライが下着を下ろし、ぴょこんと飛び出す物の根元には、オーガスがあげた深紅の首輪が嵌められていた。
オーガスはライの物にしゃぶりつく。
「やめっ、」
声を上げて、腰が跳ね上がるが、ライの物は、オーガスの喉奥を突くには、全く足りない。オーガスはライの物を、もぐもぐ、ちゅぱちゅぱ、味わいながら、ライの太腿に留まったままのズボンを、下着を引き下ろし、大きく脚を開かせた。そして、ぢゅう~~~と、長く強く、ライの物を吸い上げた。
「ぁうううっ」
オーガスの口内に物を締め付けられる快感は、ライの脊髄から脳天まで駆け上がり、開かされた脚を、ぎゅっと閉じてしまう。オーガスは、ぽにゃぽにゃのライの太腿に顔を、ぎゅっと挟み込まれて、至福に埋もれる。
「っあ、っあ、っあ、っあ、」
ライは、きらきら、眼前に火花が散り、びくびく、全身を震わせるが、精を放つことはできない。物の根元に嵌められている深紅の首輪を、ライが拘束魔術で締め付けているせいだ。
ライは自分の太腿の間に埋もれているオーガスの、ふわふわの鮮やかな赤毛を掴んだ。
「もぉ、逝かせてぇ……」
おねだりに応えてオーガスは、ぽにゃぽにゃの太腿に埋もれながら、頭を揺り動かし、唇で、舌で、ライの物を扱く。ライは声を上げる。
「やだっ、やだっ、やだっ、」
オーガスは、顔は強く太腿に締められて、口の中は逝けずに膨れ上がるライの物の先端から滴る雫でいっぱいで、息ができずに、逝きそうになった。
「っは、ふぅ…痛っ」
オーガスは、たまらず顔を上げ、息をついて体を起こし、2段ベッドの上の段に頭をぶつけた。
「痛いなあ、もう」
文句を言いながらオーガスは、ぐったりしているライと壁の隙間に寝転がり、もぞもぞ、シャツとズボンと、ぐしょぐしょの下着を脱ぐ。オーガスの物は、太く硬く勃ち上がり、先端から滴る雫で、ぬらぬらと赤黒く艶やかに濡れていた。
2段ベッドの上の段に頭をぶつけないように、細心の注意を払ってオーガスは、ライに膝立ちでまたがり、ベッドに両手を着いて、ぽっこりお腹に、ずっしりと重い自分の物を擦り付けた。
「ぅうう」
「ぁっ、は……」
ライはうめき、オーガスは息をつく。
「挿入れるよ、ライ」
オーガスは、ライのぽっこりお腹を持ち上げるように体を重ね合わせ、膝立ちの足を折り、腰を沈めて、自分のそこにライの物を呑み込んだ。
「ううんっ」
声を上げたのはライだった。びくびくと体を震わせて、でも逝けない。根元に嵌められた深紅の首輪が、射精をキツく妨げていた。
「自分ばっかり気持ち良くなっちゃダメだよ。ぼくも気持ち良くさせて」
オーガスはライのぽっこりお腹に、自分の物を擦り付けながら、腰を振り始める。
オーガスの中で、ライの物は撫で下ろされ、撫で上げられ、撫で下ろされ、撫で上げられ、撫で下ろされる。
「ぃっ、う、ぁっ、あ、あ、っあ、っく、ん、」
「ぃいっ、いいっ、気持ちぃっ、んぁっ、あ、」
二人の喘ぐ声が混ざり合い、二人が混ざり合う音が、ぶぢゅぶぢゅ、ギシギシ、ベッドの軋む音と混ざり合う。
オーガスの奥を突くには、ライの物は足りなすぎるけれど、ちょうど感じるところを先端が突くのだ。と同時に、ライのぽっこりお腹が、オーガスの物の裏筋を、やわやわと撫でる。
野郎のケツ穴で、ライの童貞ちんぽを喰って、嘲笑ってやりたかっただけなのに。
「Cum」
オーガスは腰を振り下ろし、自分の感じるところにライの先端を突き立てる瞬間、命令した。ずっと拘束魔術で締め付けていた、ライの物の根元に嵌めた深紅の首輪も緩める。
「あああっ、ぁっ、ぁあっ、っ、」
びくびくっ、びくっ、びく、ライの物は震えて、オーガスの中に、たっぷりと熱い精を放った。オーガスの物も精を放ち、ライのぽっこりお腹を白く穢して垂れ落ちる。その垂れ落ちる生温い感触にすら、逝ったばかりのライの体は敏感に感じて震える。
「首輪っ、もうっ、外して…」
懇願するライの口を、オーガスは唇で塞いだ。深く唇を重ね合わせ、喘ぎすぎて乾いたお互いの舌を、ざりざりと絡め合わせる。けれど、息が続かなくて、オーガスは唇を離し、苦しく息を吸って、吐く。
「っあ、はっ、ふ、――嵌めてなきゃ、ライ、すぐ逝っちゃうだろ。だから、ダメ」
「明日っから、実家に、帰る、んだよっ。こんなの嵌めてるの、バレたら、ううっ」
ぢゅぽっと、音を立てて、オーガスは自分の中から、ライの物を引き抜いた。
「話って、それ?」
「そうだよっ。人の、話を、聞かずに、お前はっ、ちょっと!」
オーガスはライの体を滑り下り、再び口の中に、ライの物を深くくわえ込んだ。ライは、汗に濡れて色が濃くなったようなオーガスの赤毛を掴む。
「何で、こんなことっ、思いつくの…」
オーガスは口で、根元に嵌められている深紅の首輪を、ゆっくりと引き抜いてゆく。
「だぁっ、めっ、イクっ、い゛く゛っ゛、イッちゃうよぉぉぉ」
泣きじゃくりながらライは、引き抜かれる首輪に与えられる限りなく痛みに近い快感に、オーガスの口内に幾度も射精した。
食堂では、東寮の寮生と西寮の寮生が仲良く、うんざりしていた。
「もうデキてんの、バレバレなんだから、仲が悪いふり、やめて欲しいよね」
「絶ッ対、誰もいない西寮で、アンアン、ヤッてるから、俺たち、帰るに帰れねえ…」
「ババ抜きも、絶ッ対、負けに行ってましたよね」
「寮長が、ライのカード、視てた透視魔術、バレバレ」
「解析魔術で視られないように、結界魔術を周囲に張り巡らせてる時点で、バレバレでしたよね…」
「でも、今日は、ライから誘ったのは、意外だったな…」
「寮長、明日から里帰りされるんですよ」
「ヤリ貯めかぁ」
はああああと、東寮の寮生と西寮の寮生は仲良く、ため息をついた。
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