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最終章 王立図書館最下層
#決心
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明日は第三火曜日で、王立図書館は休館日だった。
ディセは帰りに共同浴場へ寄って、大きな浴槽で伸ばした足を揉むことが、日課だった。
――子どもの頃、ベッドで養父の足を揉んであげたことを思い出す。今、思えば、幼いディセの手はちっちゃくて、力もなくて、何の役にも立たなかっただろうが、養父は、にっこり笑って、
「ありがとう、ディセ。お返し~」
と、全身をモミモミされて、きゃはきゃは、じゃれるのが楽しかった。
当時、養父が勤めていた王立図書館・第5区分館は、王都本館の1万分の1くらいの大きさで、足が痛くなるほどでもなかったと思うけれど。
王都の王立図書館本館は、地上3階の開架、地下9階の書庫を有し、実は、王国で一番大きな建造物である地上5層の王城よりも、巨大で、広大だった。
司書は魔術で、本を出納できると思われがちだが、移動魔術や、空間移動魔術は、明確に物と位置をイメージしなければならない。つまり、それがどんな本で、書架の何段目・何冊目にあるかを、明確に記憶していなければならないのだ。
図書館長や一部の司書は、それができるが、万が一の失敗による本の損傷・損失をおそれて、魔術を使うことは、ほぼない。
本を移動させられないならば、自分自身を移動させれば、と思うが、1階中央に整然と並ぶ閲覧台の吹き抜けを、半円形に取り囲んで、1階・2階・3階の書架が並ぶ構造のため、利用者の頭上を移動はできず、司書も職員も、地に足を着け、靴音をひそめて、歩く。ひたすら歩く。
アパートに帰ると、美味しい匂いを嗅いで、早速、ディセのお腹が鳴る。
部屋のランプをディセが、元素魔術の火で灯すと、オクトが、サラダとパンを置いたテーブルに突っ伏して、眠っていた。慌ててディセは駆け寄り、オクトを揺り起こす。
「オクト」
「あ。ディセ、おかえり」
寝ぼけているのか、ぎゅうっとディセを抱き締める。
「オクト。お店、行かなきゃ」
「今日は、お手伝いは、お休み。」
「そうか…」
休みなら起こさなきゃよかったなと、ディセは後悔する。オクトの琥珀色の髪を撫でる。
「ごはん食べて、早く寝なよ」
「ごはん食べるけど、早くは寝ない」
「寝ろよ」
椅子を立ち上がろうとするオクトをディセは座らせて、肉も野菜もたっぷりのスープを皿によそって、テーブルに置く。オクトが言う。
「ありがと」
「いつもごはん作ってくれて、ありがとう」
ディセは言って、二人で暮らし始めて、ごはんのお礼を言うのが初めてだったと気付く。いっしょにごはんを食べるのだって、初めてだ。
「いただきます」
「いただきます」
「図書館のお仕事、どう?」とか、「高等科の魔術の選択科目は、何にしたの?」とか話しながら食べ終わって、二人で後片付けをした後、果実水を瓶からコップに注いで飲む。
溶ろけるようにオクトが微笑んで、ディセは、くすぐったくなる。
「何、微笑ってんだよ?」
「この部屋で、いっしょにごはん食べるの、初めてじゃね?って思って」
「俺も同じこと、思ってた」と言うのが、なぜかディセは恥ずかしくて、
「お前が忙しすぎるんだよ」
と言った。
オクトが椅子を立ち、ベッドの毛布を足元に寄せて、上がった。
きゅっと、ディセは胸の奥が痛くなる。「早く寝なよ」と言ったのは、自分だったから、言えなかった。
もう少し、話していたいな。
オクトは枕をベッドヘッドに立て掛け、寄りかかって足を伸ばす。ディセの方を向いた。
「Come」
オクトは命令した。ディセは椅子を立ち、ベッドに上がり、オクトが伸ばした足の、腿の上にまたがり、キスをする。当たり前にオクトが口を開いた。
いつもより深くディセは舌を挿し入れた。
ディセの舌にされるがままだったオクトの舌は、絡ませて舐ることを覚えた。唇と唇の隙間での息継ぎも、瞳をずっと閉じているだけじゃなく、時々、瞳を開けて、近く見つめ合うことも、覚えた。
「ディセ…」
「オクト…」
名前を呼び合う熱い息がお互いの唇を撫でて、また唇を繋ぎ合う。
「ん…っふ…ぁ、ふ…っぅ…」
ディセの声がこぼれて、涎が温く伝う。
キスをされて身動ぎもできなかったオクトは、今は、キスをしながら、指で、ディセの耳を、耳の後ろを、首筋をなぞるように撫でることさえできる。オクトはディセの唇を離し、指で愛撫しているのとは逆の、耳に、耳の後ろに、首筋に、濡れた唇を、舌を這わせる。
「お前っ、明日、学校だろ?」
「そうだけど。――明日、ディセ、お休みだろ?」
「そうだけど。でも、だからって、」
「Strip」
「だめ…」
「とか言いながら、脱ぎ始めるの、ちょっと興奮する…」
「バカっ」
頭では、だめだとわかっているのに、ディセの指はシャツのボタンを外し始める。
SubはDomの命令に逆らうことができない。
理性は本能の欲求に逆らえやしない。
オクトはディセの頭にくちづける。
「心配しないで、ディセ。俺の方が、ゼンゼン体力あるから。絶ッ対、授業中に寝ないって誓う」
「透視魔術で見てるからな」
そう言うディセの銀髪を、オクトの唇は滑り落ちて、耳に触れ、ささやきを吹き込む。
「じゃあ、ディセが魔術も使えないほど、今夜は、ぐちゃぐちゃにしなきゃ」
ささやきだけで、Subの体は震える。
ぐちゃぐちゃに、Domに支配されたい…
何もかも脱いだディセの肌は薄紅に色づいている。
オクトが両手のひらを、ディセに差し出した。銀色の小さな立方体があった。
「何?」
覗き込んだディセは、銀色の小さな立方体にオクトの魔力が集中するのを、感じた。
やっぱり、こいつ、魔力が強くなってないか…?
解析魔術で視なければ、視えないほどの弱い魔力だったのに、今、魔力の集中を気配で感じられるほど、
ディセは気付く。――裸で、魔力を全身で感じられるせいかもしれない。
オクトの両手の中、生成魔術で、銀色の小さな立方体が形を変えてゆく。叩きつぶされ、平べったくされて、細長く伸ばされる。まるで子どもが小さな手のひらで必死に、粘土の形を変えてゆくようで、ディセは笑いをこらえる。
やっぱりゼンゼン、魔力は強くなってない……
細長く伸ばされて、少しずつ、少しずつ、曲げられてゆく。………………ようやく半円まで曲げて、オクトは、ふーーーーーーーーーっと、肩が落ちるほど、深く息をついた。
顔を上げてオクトは、ディセに言った。
「首輪、あげる」
「まだ首輪になってないけど」と言いたいのを、ディセは飲み込んだ。
「プレイの時だけでいいんだ。ディセの首に、嵌めてくれない?」
「いや、だから、まだ、これ、首輪になってないから」と、ディセは言いたかった。けれど、頭を下げて、自分の首を差し出した。
ディセのうなじに、ひんやりと冷たい白銀の首輪(作りかけ)が架けられる。
「顔、上げて、ディセ」
顔を上げたら、首輪(作りかけ)が落ちる…と思いながら、ディセは首の横で首輪を手で押さえて、顔を上げた。オクトの手が、もう一方の首輪の端に触れる。
「二人でね、首輪、繋ぎたい」
Claimは、DomがSubに、パートナーの証として首輪を嵌めて、拘束魔術で封じる。
DomとSubが二人で首輪を繋ぐなんて、有り得なかった。
二人で生成魔術で、白銀の首輪を繋ぐ。ちょっとずつ、ちょっとずつ、伸びて来るオクトの端を待ちきれないように、ディセの方の端が伸びて来て、あっという間もなく繋がった。
「…もう少し、待ってて欲しかったな…」
「そっちが伸びて来るのを待ってたら、夜が明けて、俺が風邪をひく」
「ごめんごめん」
「……首輪、ありがとう。うれしい」
「受け取ってくれて、ありがと。俺も、めっちゃうれしい」
他に何も身に着けず、自分があげた白銀の首輪だけを嵌めたディセを、オクトは見つめる。
思っていた通り、銀髪のディセに、白銀の首輪はとてもよく似合っていた。オクトに見つめられて、闇のように深い黒い瞳は潤む。
オクトは胸の奥から熱く込み上げる満足感に、支配したい本能の欲求を持つDomである自分を、実感する。
――ずっと、それがこわかった。
オクトはディセを抱き締め、肩にもたれて、白銀の首輪にくちづけた。
「俺、生成魔術で、物質を増やせるほど、魔力がないから、銀を首輪を作れるだけ買うのに、かかっちゃって。ほら、お給料の3か月分って言うだろ。高等科に進学決まってから、2月3月4月、働いたお金で買った」
ディセは、自分の肩にもたれるオクトの琥珀色の髪を撫でた。
「だから、毎日、働いてたのか…。――『3か月分』にこだわらなくても、よかったんじゃない?」
「『3か月』働いたら、勉強に専念して、俺、がんばって、飛び級しようと思ってるんだ」
「え……」
オクトはディセの肩から顔を上げた。
「少しでも早く高等科を卒業して、王子を辞めて、」
高く両手を上げる。
「『ディセは俺の物~!』って、言いたい」
「――………」
黙り込むディセを、オクトは高く上げた両手を下ろして、ぎゅっと抱き締めた。
「誰にも言えなくったって、すでにディセは俺の物だけど。」
「――みんなに、言おうか」
「え?」
「お前、俺が勇気を振り絞って、決心して言ったことを、いっつも聞き返すよな…」
ディセはオクトを押しのける。オクトはディセを抱き締め、細い肩を、肩甲骨の抉れを、背筋を、腰骨を撫でる。
オクトの熱い手のひらにディセは撫でられて、声もなく喘いで、ぞくぞくと体を震わせる。
「でもね、ディセ。お前を支配してるのが俺だってこと、知ってるのが、俺とお前だけって、今の状況も、気に入ってんだ」
オクトは自分の太腿の上に、またがった座っているディセの、そこに触れた。
「っあ」
ディセが声を上げ、腰を浮かす。もうクリームを付けている指が、そこに挿入って来る。空間移動魔術を使ったのではなく、オクトはベッドに、あらかじめクリームの小さな丸い缶を置いていた。
「やだ、オクト、やだ」
オクトの両肩を両手で掴んで、ディセが嫌がる。
「両隣の家の人は、焼肉無料券あげたから、いないよ」
「マジで?」
「うん。マジで。だから、声、聞かせて」
オクトは、くぷくぷ、浅いところで、指の挿し抜きを繰り返す。ディセはオクトの襟なしの長袖シャツの両肩を掴む。
「オクトも脱がなきゃ、やだ」
「ディセが脱がせて」
「んんぅ」
ディセに脱がせてもらうために、オクトは指を引き抜いた。
もどかしくディセは、オクトの体からシャツを引き抜いた。
裸を見るのが、月に一度だからかもしれない。見るたびに、肩幅が大きくなった?胸筋が厚くなった?と、ディセは思ってしまう。腹筋も、うっすら割れている…
ズボンのボタンを外す。オクトは腰を上げ、ディセが引き下ろす。オクトの物は、まだ静まったままだった。下ろしかけのズボンは膝に残っているけれど、オクトはディセに命令した。
「Sit」
ディセは、ぺたんと、オクトの腿の上に座り込む。
「まだ全部、脱がせてない…」
「出す物、出したから、もういい」
オクトだって、もどかしかった。早くディセの体の奥まで支配したかった。指を深く、そこに挿し入れる。
「ゃあっ」
声を上げてディセは、オクトの体にしがみつき、そこはオクトの指を、きゅうっと締め付けて、物をオクトの物に擦り付けて来る。
「欲張りだね、ディセ。――俺に全部、支配されたい?」
「全部、支配して、オクト」
おねだりするディセの唇にオクトは唇を重ね合わせ、舌を挿し入れる。
「ぁ、っふ、ぅ、っん、ん、あ、っあ、ぅんっ」
オクトは自分の手のひらの中に、ディセの物も自分の物も掴む。ディセは腰を揺り動かし、オクトの物に、手の中に打ち付けるように、擦り合わせる。ぬとぬと、お互いの先端から垂れ落ちる雫が濡らす。
もう、どれが、何の音か、わからないほど、全ての音が、ディセの体の中、混ざり合って響いていた――自分の声、オクトの呼吸、オクトの舌が自分の口の中を舐め回す音、オクトの指が自分の中に触れている音、オクトの物が自分の物と擦れ合っている音、
キスを重ね続け、ディセのそこを、指で溶ろけるまで解して、オクトの手の中、擦り合わせたお互いの物は、濡れて熱く硬く膨れ上がっていた。
ディセの唇を離し、涎の糸を垂らして、オクトは命令した。
「Come」
オクトの手の中から、ずるりとディセの物が離れる。痛いほどオクトの両肩を両手で掴んで、ディセは膝立ちして、腰を沈め、勃ち上がったオクトの物の上に、自分のそこを当てる。先端を当てただけだった。
潤んだ黒い瞳で、オクトの灰青色の瞳を見下ろして、涎まみれの濡れた唇で、おねだりした。
「オクト、命令して」
「Come」なんて、やさしい命令じゃない、もっと強い命令で、この体を支配されたかった。
オクトは、白銀の首輪を嵌めた自分のSubを見上げる。汗に濡れて、きらきらと輝く銀髪。すっと通った鼻筋、少し薄い唇は開いて浅い呼吸を繰り返している。細い体。ディセの勃ち上がっている物の先端は、オクトの胸の下に触れて、ぬるい雫を滴らせている。
オクトはディセに命令した。
「Kneel」
「あああああんっ」
ディセは腰を落とし、ひざまずいて、オクトの物を自分の中に突き立て、白銀の首輪を嵌めた細い首をのけぞらせ、上向いて、背を反らし、イッた。ディセの先端から噴き出した精が、オクトの腹に熱く垂れ落ちる。
ディセはオクトの両肩を両手で掴んだまま、腰を上げ、落とす。
「っ、ぅんっ、」
また腰を上げ、落とす。
「っふ、っう、」
その度、オクトの腹に触れている、噴き出したばかりの精に塗れているディセの物の先端も擦れる。
「自分はイッてんのに、俺に突かれるの、ディセ、好きだもんね」
「ぅんっ、好、っき、」
また腰を上げ、落とす。膝に力が入らず、少ししか腰を上げられなくて、最奥に、熱くて硬いオクトの物の先端は突き当たるけれど、さっきみたいに自分の脳天までをオクトの物で突き上げられるみたいな快感は得られない。
「だ、からっ、オ、ク、ト、下から、突い、って、」
ぐいっと、オクトは下からディセの中を突き上げた。
「ゃああああああっ!」
声を上げ、ディセはオクトにしがみつく。オクトは最奥を突き上げ続ける。
「いいっ、んっ、もぉ、っと、オクト、突い、てっ、」
突き上げられる度、ディセの物が自分の腹とオクトの腹に擦られるのも、快感を強める。
「俺っも、すっげ、え、いいっ、ディセの、中っ、」
突き上げる度、最奥はオクトの先端を、中はオクトの物を締め付ける。
このまま、永遠につながっていたい。
オクトはそう想うけれど、それ以上に、込み上げて来る欲求に抗えない。
「俺」で、ディセの中を、いっぱいにしたい。
ディセも、込み上げて来る欲求に抗えない。
ひたすら最奥まで突き上げ続けるオクトに、自分の中を、いっぱいにされたい。
「オク、トっ、もぉ、射精してっ。俺の中、射精してっ」
しがみつくディセの耳元、オクトは命令した。
「Cum」
「ゃああああっ」
オクトの物がディセの中で、びくびくと震えて、先端から噴き出す精が、ディセの最奥を幾度も突き上げる。ディセの物も、自分の腹とオクトの腹の間で、びくびくと震えて、精を吐き出す。
オクトは止めなかった。ディセにのしかかり、ベッドに押し倒して、大きく脚を開かせて押し付ける。
「ディセ、中に出されたの、ぐちゃぐちゃに、かき回されるの、大好きだもんね」
「大好きぃ大好きぃ大好きぃ大好きぃ」
「もっと欲しがって、きゅうきゅうしてるよ、ディセの中」
こんなにいっぱい、中に射精してくれたのに、まだ熱くて硬いままのオクトの物が繰り返し突き立てられ、ぐぷぐぷ、かき混ぜられる音が、ディセの体に響く。体を繋ぎ合ったそこは、オクトが、ぐちゅんっと最奥まで突き立て、ずゅるりと抜けないギリギリまで引き抜く度に、ディセの中で、まとわりつく精が、白く泡立って垂れ落ちる。
と同時に、のしかかるオクトの体の重みに、ディセの物は擦り続けられて、もう射精しているという感覚もなく、精を垂れ流し続けている。
「ぁあっ、っぅん、あ、あ、っあ、ぁんっ、あぁっ、」
甘い声で鳴き続け、涙をこぼすディセの黒い瞳を、オクトは覗き込む。黒い瞳の奥の瞳孔が、とろんと開ききって、オクトを映している。
「ディセ、マジ?!Sub space入ってる?!」
SubがDomに、体も、心も、完全に支配されると、Subは「Sub space」と呼ばれる状態になる。
ディセがSub spaceに入るのは、初めてだった。
「ぁ、っあ、ぅ、んっ、んあ、あ、ぁんっ、ぁあっ、」
何もかも真っ白に消し飛んで、目の前に大好きなオクトの笑顔があって、自分の声しか聞こえなくて、ふわふわ、揺さぶられて、気持ちいい。
ディセの体を、心を、自分が支配している証を、オクトは刻み付けるように中を突き続ける。
自分がDomであることをこわいなんて、もう思わない。自分がDomであることが、うれしかった。心も、体も、「支配」を受け入れてくれるディセと出会えたから。
熱く溶ろけたディセの中に、撫でられて、締め付けられて、オクトの物は、もっと熱くもっと硬くもっと強く張りつめてゆく。
「もぅ、俺、イッ、くっ」
ついにオクトは最奥に精を放った。
「ぁ、っは、ぅ、」
ディセは背を反らし、腰を浮かして、全身をびくびく、震わせる。――自分の全部が、オクトに満たされていた。ディセは、しあわせに微笑む。
それで終わりではなかった。
ぢゅぽっと、音を立てて、オクトは自分の物を引き抜き、体を起こし、ディセに命令する。
「Present」
「ん、あ、う、」
ディセは、まだ震えている脚の膝裏を、震えてる指で掴み、オクトに向かって、大きく開いて見せた。
そこから白濁した精があふれて垂れ落ちる。
「『俺』で、お腹いっぱいだね、ディセ」
灰青色の瞳に、愛しさを満たして見つめられて、ディセは、もう出せるものもなく、オクトの精に塗れたそこを喘がせて、イッた。
ディセは帰りに共同浴場へ寄って、大きな浴槽で伸ばした足を揉むことが、日課だった。
――子どもの頃、ベッドで養父の足を揉んであげたことを思い出す。今、思えば、幼いディセの手はちっちゃくて、力もなくて、何の役にも立たなかっただろうが、養父は、にっこり笑って、
「ありがとう、ディセ。お返し~」
と、全身をモミモミされて、きゃはきゃは、じゃれるのが楽しかった。
当時、養父が勤めていた王立図書館・第5区分館は、王都本館の1万分の1くらいの大きさで、足が痛くなるほどでもなかったと思うけれど。
王都の王立図書館本館は、地上3階の開架、地下9階の書庫を有し、実は、王国で一番大きな建造物である地上5層の王城よりも、巨大で、広大だった。
司書は魔術で、本を出納できると思われがちだが、移動魔術や、空間移動魔術は、明確に物と位置をイメージしなければならない。つまり、それがどんな本で、書架の何段目・何冊目にあるかを、明確に記憶していなければならないのだ。
図書館長や一部の司書は、それができるが、万が一の失敗による本の損傷・損失をおそれて、魔術を使うことは、ほぼない。
本を移動させられないならば、自分自身を移動させれば、と思うが、1階中央に整然と並ぶ閲覧台の吹き抜けを、半円形に取り囲んで、1階・2階・3階の書架が並ぶ構造のため、利用者の頭上を移動はできず、司書も職員も、地に足を着け、靴音をひそめて、歩く。ひたすら歩く。
アパートに帰ると、美味しい匂いを嗅いで、早速、ディセのお腹が鳴る。
部屋のランプをディセが、元素魔術の火で灯すと、オクトが、サラダとパンを置いたテーブルに突っ伏して、眠っていた。慌ててディセは駆け寄り、オクトを揺り起こす。
「オクト」
「あ。ディセ、おかえり」
寝ぼけているのか、ぎゅうっとディセを抱き締める。
「オクト。お店、行かなきゃ」
「今日は、お手伝いは、お休み。」
「そうか…」
休みなら起こさなきゃよかったなと、ディセは後悔する。オクトの琥珀色の髪を撫でる。
「ごはん食べて、早く寝なよ」
「ごはん食べるけど、早くは寝ない」
「寝ろよ」
椅子を立ち上がろうとするオクトをディセは座らせて、肉も野菜もたっぷりのスープを皿によそって、テーブルに置く。オクトが言う。
「ありがと」
「いつもごはん作ってくれて、ありがとう」
ディセは言って、二人で暮らし始めて、ごはんのお礼を言うのが初めてだったと気付く。いっしょにごはんを食べるのだって、初めてだ。
「いただきます」
「いただきます」
「図書館のお仕事、どう?」とか、「高等科の魔術の選択科目は、何にしたの?」とか話しながら食べ終わって、二人で後片付けをした後、果実水を瓶からコップに注いで飲む。
溶ろけるようにオクトが微笑んで、ディセは、くすぐったくなる。
「何、微笑ってんだよ?」
「この部屋で、いっしょにごはん食べるの、初めてじゃね?って思って」
「俺も同じこと、思ってた」と言うのが、なぜかディセは恥ずかしくて、
「お前が忙しすぎるんだよ」
と言った。
オクトが椅子を立ち、ベッドの毛布を足元に寄せて、上がった。
きゅっと、ディセは胸の奥が痛くなる。「早く寝なよ」と言ったのは、自分だったから、言えなかった。
もう少し、話していたいな。
オクトは枕をベッドヘッドに立て掛け、寄りかかって足を伸ばす。ディセの方を向いた。
「Come」
オクトは命令した。ディセは椅子を立ち、ベッドに上がり、オクトが伸ばした足の、腿の上にまたがり、キスをする。当たり前にオクトが口を開いた。
いつもより深くディセは舌を挿し入れた。
ディセの舌にされるがままだったオクトの舌は、絡ませて舐ることを覚えた。唇と唇の隙間での息継ぎも、瞳をずっと閉じているだけじゃなく、時々、瞳を開けて、近く見つめ合うことも、覚えた。
「ディセ…」
「オクト…」
名前を呼び合う熱い息がお互いの唇を撫でて、また唇を繋ぎ合う。
「ん…っふ…ぁ、ふ…っぅ…」
ディセの声がこぼれて、涎が温く伝う。
キスをされて身動ぎもできなかったオクトは、今は、キスをしながら、指で、ディセの耳を、耳の後ろを、首筋をなぞるように撫でることさえできる。オクトはディセの唇を離し、指で愛撫しているのとは逆の、耳に、耳の後ろに、首筋に、濡れた唇を、舌を這わせる。
「お前っ、明日、学校だろ?」
「そうだけど。――明日、ディセ、お休みだろ?」
「そうだけど。でも、だからって、」
「Strip」
「だめ…」
「とか言いながら、脱ぎ始めるの、ちょっと興奮する…」
「バカっ」
頭では、だめだとわかっているのに、ディセの指はシャツのボタンを外し始める。
SubはDomの命令に逆らうことができない。
理性は本能の欲求に逆らえやしない。
オクトはディセの頭にくちづける。
「心配しないで、ディセ。俺の方が、ゼンゼン体力あるから。絶ッ対、授業中に寝ないって誓う」
「透視魔術で見てるからな」
そう言うディセの銀髪を、オクトの唇は滑り落ちて、耳に触れ、ささやきを吹き込む。
「じゃあ、ディセが魔術も使えないほど、今夜は、ぐちゃぐちゃにしなきゃ」
ささやきだけで、Subの体は震える。
ぐちゃぐちゃに、Domに支配されたい…
何もかも脱いだディセの肌は薄紅に色づいている。
オクトが両手のひらを、ディセに差し出した。銀色の小さな立方体があった。
「何?」
覗き込んだディセは、銀色の小さな立方体にオクトの魔力が集中するのを、感じた。
やっぱり、こいつ、魔力が強くなってないか…?
解析魔術で視なければ、視えないほどの弱い魔力だったのに、今、魔力の集中を気配で感じられるほど、
ディセは気付く。――裸で、魔力を全身で感じられるせいかもしれない。
オクトの両手の中、生成魔術で、銀色の小さな立方体が形を変えてゆく。叩きつぶされ、平べったくされて、細長く伸ばされる。まるで子どもが小さな手のひらで必死に、粘土の形を変えてゆくようで、ディセは笑いをこらえる。
やっぱりゼンゼン、魔力は強くなってない……
細長く伸ばされて、少しずつ、少しずつ、曲げられてゆく。………………ようやく半円まで曲げて、オクトは、ふーーーーーーーーーっと、肩が落ちるほど、深く息をついた。
顔を上げてオクトは、ディセに言った。
「首輪、あげる」
「まだ首輪になってないけど」と言いたいのを、ディセは飲み込んだ。
「プレイの時だけでいいんだ。ディセの首に、嵌めてくれない?」
「いや、だから、まだ、これ、首輪になってないから」と、ディセは言いたかった。けれど、頭を下げて、自分の首を差し出した。
ディセのうなじに、ひんやりと冷たい白銀の首輪(作りかけ)が架けられる。
「顔、上げて、ディセ」
顔を上げたら、首輪(作りかけ)が落ちる…と思いながら、ディセは首の横で首輪を手で押さえて、顔を上げた。オクトの手が、もう一方の首輪の端に触れる。
「二人でね、首輪、繋ぎたい」
Claimは、DomがSubに、パートナーの証として首輪を嵌めて、拘束魔術で封じる。
DomとSubが二人で首輪を繋ぐなんて、有り得なかった。
二人で生成魔術で、白銀の首輪を繋ぐ。ちょっとずつ、ちょっとずつ、伸びて来るオクトの端を待ちきれないように、ディセの方の端が伸びて来て、あっという間もなく繋がった。
「…もう少し、待ってて欲しかったな…」
「そっちが伸びて来るのを待ってたら、夜が明けて、俺が風邪をひく」
「ごめんごめん」
「……首輪、ありがとう。うれしい」
「受け取ってくれて、ありがと。俺も、めっちゃうれしい」
他に何も身に着けず、自分があげた白銀の首輪だけを嵌めたディセを、オクトは見つめる。
思っていた通り、銀髪のディセに、白銀の首輪はとてもよく似合っていた。オクトに見つめられて、闇のように深い黒い瞳は潤む。
オクトは胸の奥から熱く込み上げる満足感に、支配したい本能の欲求を持つDomである自分を、実感する。
――ずっと、それがこわかった。
オクトはディセを抱き締め、肩にもたれて、白銀の首輪にくちづけた。
「俺、生成魔術で、物質を増やせるほど、魔力がないから、銀を首輪を作れるだけ買うのに、かかっちゃって。ほら、お給料の3か月分って言うだろ。高等科に進学決まってから、2月3月4月、働いたお金で買った」
ディセは、自分の肩にもたれるオクトの琥珀色の髪を撫でた。
「だから、毎日、働いてたのか…。――『3か月分』にこだわらなくても、よかったんじゃない?」
「『3か月』働いたら、勉強に専念して、俺、がんばって、飛び級しようと思ってるんだ」
「え……」
オクトはディセの肩から顔を上げた。
「少しでも早く高等科を卒業して、王子を辞めて、」
高く両手を上げる。
「『ディセは俺の物~!』って、言いたい」
「――………」
黙り込むディセを、オクトは高く上げた両手を下ろして、ぎゅっと抱き締めた。
「誰にも言えなくったって、すでにディセは俺の物だけど。」
「――みんなに、言おうか」
「え?」
「お前、俺が勇気を振り絞って、決心して言ったことを、いっつも聞き返すよな…」
ディセはオクトを押しのける。オクトはディセを抱き締め、細い肩を、肩甲骨の抉れを、背筋を、腰骨を撫でる。
オクトの熱い手のひらにディセは撫でられて、声もなく喘いで、ぞくぞくと体を震わせる。
「でもね、ディセ。お前を支配してるのが俺だってこと、知ってるのが、俺とお前だけって、今の状況も、気に入ってんだ」
オクトは自分の太腿の上に、またがった座っているディセの、そこに触れた。
「っあ」
ディセが声を上げ、腰を浮かす。もうクリームを付けている指が、そこに挿入って来る。空間移動魔術を使ったのではなく、オクトはベッドに、あらかじめクリームの小さな丸い缶を置いていた。
「やだ、オクト、やだ」
オクトの両肩を両手で掴んで、ディセが嫌がる。
「両隣の家の人は、焼肉無料券あげたから、いないよ」
「マジで?」
「うん。マジで。だから、声、聞かせて」
オクトは、くぷくぷ、浅いところで、指の挿し抜きを繰り返す。ディセはオクトの襟なしの長袖シャツの両肩を掴む。
「オクトも脱がなきゃ、やだ」
「ディセが脱がせて」
「んんぅ」
ディセに脱がせてもらうために、オクトは指を引き抜いた。
もどかしくディセは、オクトの体からシャツを引き抜いた。
裸を見るのが、月に一度だからかもしれない。見るたびに、肩幅が大きくなった?胸筋が厚くなった?と、ディセは思ってしまう。腹筋も、うっすら割れている…
ズボンのボタンを外す。オクトは腰を上げ、ディセが引き下ろす。オクトの物は、まだ静まったままだった。下ろしかけのズボンは膝に残っているけれど、オクトはディセに命令した。
「Sit」
ディセは、ぺたんと、オクトの腿の上に座り込む。
「まだ全部、脱がせてない…」
「出す物、出したから、もういい」
オクトだって、もどかしかった。早くディセの体の奥まで支配したかった。指を深く、そこに挿し入れる。
「ゃあっ」
声を上げてディセは、オクトの体にしがみつき、そこはオクトの指を、きゅうっと締め付けて、物をオクトの物に擦り付けて来る。
「欲張りだね、ディセ。――俺に全部、支配されたい?」
「全部、支配して、オクト」
おねだりするディセの唇にオクトは唇を重ね合わせ、舌を挿し入れる。
「ぁ、っふ、ぅ、っん、ん、あ、っあ、ぅんっ」
オクトは自分の手のひらの中に、ディセの物も自分の物も掴む。ディセは腰を揺り動かし、オクトの物に、手の中に打ち付けるように、擦り合わせる。ぬとぬと、お互いの先端から垂れ落ちる雫が濡らす。
もう、どれが、何の音か、わからないほど、全ての音が、ディセの体の中、混ざり合って響いていた――自分の声、オクトの呼吸、オクトの舌が自分の口の中を舐め回す音、オクトの指が自分の中に触れている音、オクトの物が自分の物と擦れ合っている音、
キスを重ね続け、ディセのそこを、指で溶ろけるまで解して、オクトの手の中、擦り合わせたお互いの物は、濡れて熱く硬く膨れ上がっていた。
ディセの唇を離し、涎の糸を垂らして、オクトは命令した。
「Come」
オクトの手の中から、ずるりとディセの物が離れる。痛いほどオクトの両肩を両手で掴んで、ディセは膝立ちして、腰を沈め、勃ち上がったオクトの物の上に、自分のそこを当てる。先端を当てただけだった。
潤んだ黒い瞳で、オクトの灰青色の瞳を見下ろして、涎まみれの濡れた唇で、おねだりした。
「オクト、命令して」
「Come」なんて、やさしい命令じゃない、もっと強い命令で、この体を支配されたかった。
オクトは、白銀の首輪を嵌めた自分のSubを見上げる。汗に濡れて、きらきらと輝く銀髪。すっと通った鼻筋、少し薄い唇は開いて浅い呼吸を繰り返している。細い体。ディセの勃ち上がっている物の先端は、オクトの胸の下に触れて、ぬるい雫を滴らせている。
オクトはディセに命令した。
「Kneel」
「あああああんっ」
ディセは腰を落とし、ひざまずいて、オクトの物を自分の中に突き立て、白銀の首輪を嵌めた細い首をのけぞらせ、上向いて、背を反らし、イッた。ディセの先端から噴き出した精が、オクトの腹に熱く垂れ落ちる。
ディセはオクトの両肩を両手で掴んだまま、腰を上げ、落とす。
「っ、ぅんっ、」
また腰を上げ、落とす。
「っふ、っう、」
その度、オクトの腹に触れている、噴き出したばかりの精に塗れているディセの物の先端も擦れる。
「自分はイッてんのに、俺に突かれるの、ディセ、好きだもんね」
「ぅんっ、好、っき、」
また腰を上げ、落とす。膝に力が入らず、少ししか腰を上げられなくて、最奥に、熱くて硬いオクトの物の先端は突き当たるけれど、さっきみたいに自分の脳天までをオクトの物で突き上げられるみたいな快感は得られない。
「だ、からっ、オ、ク、ト、下から、突い、って、」
ぐいっと、オクトは下からディセの中を突き上げた。
「ゃああああああっ!」
声を上げ、ディセはオクトにしがみつく。オクトは最奥を突き上げ続ける。
「いいっ、んっ、もぉ、っと、オクト、突い、てっ、」
突き上げられる度、ディセの物が自分の腹とオクトの腹に擦られるのも、快感を強める。
「俺っも、すっげ、え、いいっ、ディセの、中っ、」
突き上げる度、最奥はオクトの先端を、中はオクトの物を締め付ける。
このまま、永遠につながっていたい。
オクトはそう想うけれど、それ以上に、込み上げて来る欲求に抗えない。
「俺」で、ディセの中を、いっぱいにしたい。
ディセも、込み上げて来る欲求に抗えない。
ひたすら最奥まで突き上げ続けるオクトに、自分の中を、いっぱいにされたい。
「オク、トっ、もぉ、射精してっ。俺の中、射精してっ」
しがみつくディセの耳元、オクトは命令した。
「Cum」
「ゃああああっ」
オクトの物がディセの中で、びくびくと震えて、先端から噴き出す精が、ディセの最奥を幾度も突き上げる。ディセの物も、自分の腹とオクトの腹の間で、びくびくと震えて、精を吐き出す。
オクトは止めなかった。ディセにのしかかり、ベッドに押し倒して、大きく脚を開かせて押し付ける。
「ディセ、中に出されたの、ぐちゃぐちゃに、かき回されるの、大好きだもんね」
「大好きぃ大好きぃ大好きぃ大好きぃ」
「もっと欲しがって、きゅうきゅうしてるよ、ディセの中」
こんなにいっぱい、中に射精してくれたのに、まだ熱くて硬いままのオクトの物が繰り返し突き立てられ、ぐぷぐぷ、かき混ぜられる音が、ディセの体に響く。体を繋ぎ合ったそこは、オクトが、ぐちゅんっと最奥まで突き立て、ずゅるりと抜けないギリギリまで引き抜く度に、ディセの中で、まとわりつく精が、白く泡立って垂れ落ちる。
と同時に、のしかかるオクトの体の重みに、ディセの物は擦り続けられて、もう射精しているという感覚もなく、精を垂れ流し続けている。
「ぁあっ、っぅん、あ、あ、っあ、ぁんっ、あぁっ、」
甘い声で鳴き続け、涙をこぼすディセの黒い瞳を、オクトは覗き込む。黒い瞳の奥の瞳孔が、とろんと開ききって、オクトを映している。
「ディセ、マジ?!Sub space入ってる?!」
SubがDomに、体も、心も、完全に支配されると、Subは「Sub space」と呼ばれる状態になる。
ディセがSub spaceに入るのは、初めてだった。
「ぁ、っあ、ぅ、んっ、んあ、あ、ぁんっ、ぁあっ、」
何もかも真っ白に消し飛んで、目の前に大好きなオクトの笑顔があって、自分の声しか聞こえなくて、ふわふわ、揺さぶられて、気持ちいい。
ディセの体を、心を、自分が支配している証を、オクトは刻み付けるように中を突き続ける。
自分がDomであることをこわいなんて、もう思わない。自分がDomであることが、うれしかった。心も、体も、「支配」を受け入れてくれるディセと出会えたから。
熱く溶ろけたディセの中に、撫でられて、締め付けられて、オクトの物は、もっと熱くもっと硬くもっと強く張りつめてゆく。
「もぅ、俺、イッ、くっ」
ついにオクトは最奥に精を放った。
「ぁ、っは、ぅ、」
ディセは背を反らし、腰を浮かして、全身をびくびく、震わせる。――自分の全部が、オクトに満たされていた。ディセは、しあわせに微笑む。
それで終わりではなかった。
ぢゅぽっと、音を立てて、オクトは自分の物を引き抜き、体を起こし、ディセに命令する。
「Present」
「ん、あ、う、」
ディセは、まだ震えている脚の膝裏を、震えてる指で掴み、オクトに向かって、大きく開いて見せた。
そこから白濁した精があふれて垂れ落ちる。
「『俺』で、お腹いっぱいだね、ディセ」
灰青色の瞳に、愛しさを満たして見つめられて、ディセは、もう出せるものもなく、オクトの精に塗れたそこを喘がせて、イッた。
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