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第1章 王様と鍵
#DomとSub
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「もぉ出るぅっ、出ちゃうぅ、もお出させてっ、出させてっ、出させてぇっ」
黒い瞳から涙をこぼしてディセが哀願しても、中を王は突き続ける。
「『Stay』」
王が言った命令に反応して、ディセの中は王のモノを締め付ける。構わず王は突き上げる。
「ああんっ」
声を上げ、細い腰が跳ね上がる。勃ち上がったディセの物も、腹の上で跳ねる。
「って俺がっ、言って、んのにっ、勝手にぃ、イキまく、ってっ、る、くせに、出してぇ、いいわけっ、ないだろっ」
言いながら突き上げる王の、いつもいたずらっぽく輝く灰青色の瞳は、今、いたぶることを愉しんで輝いている。
汗に濡れて濃さを増す短い琥珀色の髪がかかる額に嵌めた王冠のオパールの極彩色の輝きも、一突きごとに揺らめく。
ぶちゅぶちゅ、つなぎ合った部分が立てる音と、ぱちゅぱちゅ、王がディセに腰を打ち付ける音と、ディセの懇願の声は混ざり合って、王の寝所に響き渡る。
「出させてぇ、出るぅ、出ちゃうぅ、出ちゃうっ、もぅ出るゅぅ、」
一突きごとにディセの腹の上で跳ねる物は今、この瞬間、はち切れてしまいそうに青黒い筋が浮き上がり、先端から、だらだらと雫を垂らしているのに、王の「STAY」の命令で、射精することができない。
けれど、射精できないまま、ディセは王の先端に突き上げられる最奥から脊髄を駆け上がり、脳髄を掻き回される快感に、涎を垂らし、涙がこぼれる黒い瞳孔を見開いて、びくびくと、全身を震わせる。昇り詰めて、幾度か精を吐き出すだけで終わる射精より、永遠に絶頂は続く。
「出したいぃ、もぉ出させてっ、出させてぇっ、」
これほど激しく揺さぶられているのに、軋みもしない天蓋付きのベッドに横たわるディセの銀髪は、汗で顔に張り付き、細い体は汗にまみれて、薄いカーテンを引いているだけの窓からの真昼の光に照らされて、発光しているようだった。
細い首に嵌められた白銀の首輪から下がる鎖が、薄い胸の上で、突き上げられる度に、蛇のように蠢く。鎖の先には、古めかしい鍵が付いている。
王の膝の上、大きく開かされた白い脚は、中空で揺れ続ける。
「出さ、なくっ、ても、イキ、っまくって、んだろ?溶ろけた、中が、ぎゅいぎゅい、っ俺を、締め付け、てっ、バレバレ、なんだ、よっ」
突き続ける王も汗にまみれて、寝間着は肌に張り付いていた。
木綿の寝間着は長袖で、すっぽりと頭からかぶって着るための開いた首元は、ずれて肩を晒すこともなく、長い裾はまくりあげて、ただつなぎ合う部分だけを出している。
王は決してディセに肌を見せない。
「ぁあっ、っぅん、あ、あ、っあ、ぁんっ、あぁっ、」
ついにディセが哀願の声を上げなくなり、ただ甘い声だけを上げ始める。黒い瞳の奥の瞳孔が、とろんと開ききって、王を映している。
ディセの瞳の中、王は苦笑した。
「Sub space、入る、までが、長すぎ、んだろっ。こっちが、ガマンっ、しすぎて、破裂するっ。ちんこ、めっちゃ、痛えっ」
ぐいっと王は高く突き上げて、ディセに命令をあげた。
「Cum」
命令と同時に、王の物はディセの最奥で、射精する。
ディセも射精する。
「やああああああっ」
ディセはイッて、最奥に満ちる王の熱と、腹の上に垂れ落ちる自分の熱を、同時に感じる。
ディセが上げる両腕に抱き取られて王は、体を重ね合わせ、唇を重ね合わせる。ディセの白銀の首輪から下がる鎖の先の鍵が、二人の胸に同じ形の痛みを与えた。
「ん、ぁ、ふ、っう、ん、」
唇と唇の間からディセは甘い声を洩らす。ぬゅちゅぬゅちゅと、舌と舌を溶かし合わせ、王は吸い上げる、ディセの甘い声といっしょに。
「んぁぅぅ……」
王が唇を離しても、ディセの唇とは、ねっとりと細い糸がつないでいた。それは真昼の光に、きらきらと輝く。
「1ヵ月ぶりなのに、これで終わりとか思ってないよね?」
王のいたぶる灰青色の瞳を、ディセは見つめ返し、しあわせな表情で笑って、ぎゅうっと抱き締めた。
俺を支配してくれる王様。
支配したい本能を持つDom。
支配されたい本能を持つSub。
たとえば、本能の欲求である「食欲」を満たさないと飢えるように、「睡眠欲」を満たさないと健康を害するように、Domも「支配したい」という本能の欲求が満たされなければ、Subも「支配されたい」という本能の欲求が満たされなければ、飢えて、健康を害する。
DomとSubは本能の欲求を満たし合うため、支配し、支配される「プレイ」と呼ばれる行為を必要とする。性行為は必須ではないが、「性欲」も同じ本能の欲求であるので、伴うことも多い。
欲求を満たし合う特定の「パートナー」は、DomからSubへと「首輪」を贈る。他のDomに対して支配していることを示し、パートナーのSubにとっては自分が支配されているという証となる。
Domが発する「命令」に、Subは本能的に抗うことができない。パートナーでもない相手、プレイでもない場で発することは、避けるべきだが、Domが本能的な欲求に抗えず発してしまうことも多い。
DomがSubを完全に支配し、SubがDomに完全に支配されると、Subは「Sub space」と呼ばれる状態になる。
プレイの最中に達することがほとんどだが、「命令」のみで達することもあり、個人差、パートナーとの関係などで異なる。
Domのことだけしか考えられなくなる。
ただ幸せ。
記憶がない。「気持ちいい」だけが体に残っている。
Subによって状態も様々である。
黒い瞳から涙をこぼしてディセが哀願しても、中を王は突き続ける。
「『Stay』」
王が言った命令に反応して、ディセの中は王のモノを締め付ける。構わず王は突き上げる。
「ああんっ」
声を上げ、細い腰が跳ね上がる。勃ち上がったディセの物も、腹の上で跳ねる。
「って俺がっ、言って、んのにっ、勝手にぃ、イキまく、ってっ、る、くせに、出してぇ、いいわけっ、ないだろっ」
言いながら突き上げる王の、いつもいたずらっぽく輝く灰青色の瞳は、今、いたぶることを愉しんで輝いている。
汗に濡れて濃さを増す短い琥珀色の髪がかかる額に嵌めた王冠のオパールの極彩色の輝きも、一突きごとに揺らめく。
ぶちゅぶちゅ、つなぎ合った部分が立てる音と、ぱちゅぱちゅ、王がディセに腰を打ち付ける音と、ディセの懇願の声は混ざり合って、王の寝所に響き渡る。
「出させてぇ、出るぅ、出ちゃうぅ、出ちゃうっ、もぅ出るゅぅ、」
一突きごとにディセの腹の上で跳ねる物は今、この瞬間、はち切れてしまいそうに青黒い筋が浮き上がり、先端から、だらだらと雫を垂らしているのに、王の「STAY」の命令で、射精することができない。
けれど、射精できないまま、ディセは王の先端に突き上げられる最奥から脊髄を駆け上がり、脳髄を掻き回される快感に、涎を垂らし、涙がこぼれる黒い瞳孔を見開いて、びくびくと、全身を震わせる。昇り詰めて、幾度か精を吐き出すだけで終わる射精より、永遠に絶頂は続く。
「出したいぃ、もぉ出させてっ、出させてぇっ、」
これほど激しく揺さぶられているのに、軋みもしない天蓋付きのベッドに横たわるディセの銀髪は、汗で顔に張り付き、細い体は汗にまみれて、薄いカーテンを引いているだけの窓からの真昼の光に照らされて、発光しているようだった。
細い首に嵌められた白銀の首輪から下がる鎖が、薄い胸の上で、突き上げられる度に、蛇のように蠢く。鎖の先には、古めかしい鍵が付いている。
王の膝の上、大きく開かされた白い脚は、中空で揺れ続ける。
「出さ、なくっ、ても、イキ、っまくって、んだろ?溶ろけた、中が、ぎゅいぎゅい、っ俺を、締め付け、てっ、バレバレ、なんだ、よっ」
突き続ける王も汗にまみれて、寝間着は肌に張り付いていた。
木綿の寝間着は長袖で、すっぽりと頭からかぶって着るための開いた首元は、ずれて肩を晒すこともなく、長い裾はまくりあげて、ただつなぎ合う部分だけを出している。
王は決してディセに肌を見せない。
「ぁあっ、っぅん、あ、あ、っあ、ぁんっ、あぁっ、」
ついにディセが哀願の声を上げなくなり、ただ甘い声だけを上げ始める。黒い瞳の奥の瞳孔が、とろんと開ききって、王を映している。
ディセの瞳の中、王は苦笑した。
「Sub space、入る、までが、長すぎ、んだろっ。こっちが、ガマンっ、しすぎて、破裂するっ。ちんこ、めっちゃ、痛えっ」
ぐいっと王は高く突き上げて、ディセに命令をあげた。
「Cum」
命令と同時に、王の物はディセの最奥で、射精する。
ディセも射精する。
「やああああああっ」
ディセはイッて、最奥に満ちる王の熱と、腹の上に垂れ落ちる自分の熱を、同時に感じる。
ディセが上げる両腕に抱き取られて王は、体を重ね合わせ、唇を重ね合わせる。ディセの白銀の首輪から下がる鎖の先の鍵が、二人の胸に同じ形の痛みを与えた。
「ん、ぁ、ふ、っう、ん、」
唇と唇の間からディセは甘い声を洩らす。ぬゅちゅぬゅちゅと、舌と舌を溶かし合わせ、王は吸い上げる、ディセの甘い声といっしょに。
「んぁぅぅ……」
王が唇を離しても、ディセの唇とは、ねっとりと細い糸がつないでいた。それは真昼の光に、きらきらと輝く。
「1ヵ月ぶりなのに、これで終わりとか思ってないよね?」
王のいたぶる灰青色の瞳を、ディセは見つめ返し、しあわせな表情で笑って、ぎゅうっと抱き締めた。
俺を支配してくれる王様。
支配したい本能を持つDom。
支配されたい本能を持つSub。
たとえば、本能の欲求である「食欲」を満たさないと飢えるように、「睡眠欲」を満たさないと健康を害するように、Domも「支配したい」という本能の欲求が満たされなければ、Subも「支配されたい」という本能の欲求が満たされなければ、飢えて、健康を害する。
DomとSubは本能の欲求を満たし合うため、支配し、支配される「プレイ」と呼ばれる行為を必要とする。性行為は必須ではないが、「性欲」も同じ本能の欲求であるので、伴うことも多い。
欲求を満たし合う特定の「パートナー」は、DomからSubへと「首輪」を贈る。他のDomに対して支配していることを示し、パートナーのSubにとっては自分が支配されているという証となる。
Domが発する「命令」に、Subは本能的に抗うことができない。パートナーでもない相手、プレイでもない場で発することは、避けるべきだが、Domが本能的な欲求に抗えず発してしまうことも多い。
DomがSubを完全に支配し、SubがDomに完全に支配されると、Subは「Sub space」と呼ばれる状態になる。
プレイの最中に達することがほとんどだが、「命令」のみで達することもあり、個人差、パートナーとの関係などで異なる。
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