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#命令するDom

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「Stri脱げp」
 ウェリスはドニに命令した。

 お互いの命令コマンドが、お互いの指を動かし、お互いの服を脱がしてゆく。
 ウェリスは、ドニの黒いシャツのボタンを外し、長袖の下着に、長腹巻まで巻いているのを見て、嘲笑わらう。
「お前、いつも、外見そとみは薄着で、中身が厚着だよな」
「ズボンの下に、股引またひきも履いてるぜ」
「お前を脱がしても、これから温泉に入る気分にしかならないな…」

「俺は興奮してるけど?」
 ドニは、ウェリスの上着を落とし、濃紺のシャツのボタンを外して脱がせ、下着を脱がせる。浮き出る鎖骨にくちづけ、薄紅うすくれないの乳首をいじる。
Stay待て
 ウェリスに命令されて、ドニは乳首をまんだ手を止めて、笑った。

「っふ」
 鎖骨をドニの笑う息に撫でられて、乳首を摘まんだままの指先に、ウェリスは声を上げそうになって、こらえた。

らすんだね、ウェリス」
「許しもなく、ぼくに触れるな」
 ウェリスは、そう言ったけれど、乳首に触れられると、体が、ぞわぞわするからだった。体を洗う時に自分で触っても、何も感じないのに。

 それを「乳首が弱い」と言われることを、ウェリスは知らない。

 ウェリスの国では、王となる者は、無用な後継者争いを避けるため、正妃を迎えて、第二子をすまでは、他所よそで子を生すようなことは避けるのが、望ましいとされていた。若くして王に即位し、正妃を迎えていないウェリスは、童貞だった。

「はいはい」
 雑な返事をするドニに、ウェリスは「触れるな」と言った本当の理由も、実は、まだ童貞であることも、見透かされているような気がした…

 乳首を離したドニの手は、「Stri脱げp」の命令コマンドの続きをする。
 ウェリスのズボンを落とし、腰骨を撫で下ろすように下着を脱がせる。
 ウェリスも、ドニの服を脱がせるけれど、厚着が、もどかしい。
 長腹巻を腰まで下ろして、長袖の下着を引き抜くと、たくましい胸筋と、くっきりと割れた腹筋が、あらわになる。ズボンは、長腹巻と股引ももひきと下着も合わせて引き下ろして、後悔した。

「興奮してる」と、ドニが言った通りの、半勃ちした肉茎が突き出した。

 ドニは、膝下まである長靴下を履いていた。さすがに本人も恥じらって、自分で長靴下を下ろし、ブーツを脱いだ。裸足で、石の床の冷たさを嫌って、少し浮いている。

絨毯じゅうたんを敷いておけよ」
 ウェリスが笑うと、ドニは口をとがらせる。
「そこまで、魔力が回んなかったんだよ」

 ふわっと、ウェリスの体は浮かび上がり、足に残っていたズボンも下着も靴下もブーツも落ちた。ベッドに移動魔術で下ろされるのかと思えば、首に何重にも巻いた白い包帯以外は、一糸いっしまとわないウェリスは、ドニの腕に抱え上げられた。

「初夜は、こうやってベッドに連れて行くんだろ?」
 ドニに黒い瞳で覗き込まれて、ウェリスは、あからさまに不快の表情をした
「輪姦させて、凌辱したぼくを、よく処女扱いできるな」

「本当に、ごめん…」
 ウェリスの悪態に、ドニは頭を下げ、しょんぼり、謝って、顔を上げた。
「あんな方法じゃなく、正々堂々と、警護の魔術師も兵も打ち倒して、ウェリスの寝所しんじょに乗り込んで、こくるべきだった」
「その方法も、間違ってると思うぞ…」
「ふはは。やっぱダメか。――今日は、間違わずに、ちゃんとやるから!」
「何をだよ…」

「こーゆーこと。」
 言いながらドニは、黒い瞳を伏せて、顔を近付けて来る。ウェリスは瞳を閉じてやった。

 唇は触れ合わせただけで、離れた。ウェリスが瞳を開けると、瞳を開けたドニの、めちゃくちゃ落ち込んだ顔があった。
「初めてのキスが、カニ味って、悲しすぎる…」
「ぼくは初めてじゃないぞ」
 ウェリスは言い返す。
「じゃなくて。俺とウェリスの初めてのキスだよ。――デザートに、甘くて、いい匂いのするもの、食べるんだった……」

Lick舐めて
 ウェリスはドニの首に腕を掛け、命令して、舌を出してみせた。ドニはキスをして、たっぷりとカニ味のウェリスの舌を味あわされる。ウェリスも、カニ味のドニの舌を味わう。
 
 ぬちゅ、ちゅっ、ねちゅ、ぬちゅ、ぢゅっ、ぬちゅっ、
「は、っふ、ぅんっ、ふ、はふ、」
「んぅ、っふはっ、ぁふっ、っふぁ、」
 二人は、はしたなく咀嚼そしゃくの音を立てて、よだれを垂らして、声をこぼす。

 ドニが唇を離して、ウェリスは瞳を開けた。唇は離れたけれど、涎の糸は長く引き、ウェリスの舌と、つながっていた。ふっと、ドニが笑う息に断ち切られた。
「このまま、立ち喰いしちゃうよ」
「――?」

 赤らむ顔で、瞳を潤ませて見上げるウェリスは、真っ赤な顔をしたドニが言った意味がわからなかった。
 ドニは、ウェリスを抱え上げたまま、石の床の上、少し浮いて、一直線にベッドへ向かう。

 ベッドの横まで来ると、たたんで置いたウェリスの寝間着ねまきが、ドニの移動魔術で退かされ、キルト掛布団がめくりあげられる。
 ウェリスは、ベッドに下ろされた。ドニも、ふわりと、ベッドに上がる。
 横たわるウェリスの上に、ドニは覆いかぶさって来るかと思うと、足下あしもとの方にいる。今さら、ドニが怖気おじけづいたかと、ウェリスは


「Craw這えl」
 よだれに濡れたつややかな唇で、ドニは命令した。


 命令コマンドにウェリスの手足は動かされて、寝返りを打ち、両手をき、両膝を着いて、四つん這いになってしまう。

「触って、いい?」
 ドニが聞く。
「触るな」
 ウェリスは命令したが、まろやかな双丘おしりの奥に、ドニは指を差し入れて、そこに触れた。

「んくっ」
 ウェリスは声をこらえた。――やっぱり命令コマンドなんか効いてないじゃないか!!

「ふあっ」
 ウェリスは声を上げた。ウェリスの中に、生温なまぬるいものが満ちた。それが、ぴちゃぴちゃと、波立つ。

「ぁあっ、ぁ、ぁ、っぁ、っぁ、」
 声をこらえられず、上げ続けるウェリスのそこに、ぴったりと指を当てているドニは言う。
「ただの、ぬるま湯で、そんな声、上げないでよ」
な、ぁに、をっ?!」
「中、ちゃんとキレイにしないとね」
「ゃめっ、っん、んあっ、っあ、あ、あ、」
「童貞でも、娼館しょうかんにいたから、いろいろ知ってるんだよ」

 ドニは、元素魔術の水を火であたため、ぬるま湯にして、ウェリスの中を満たして波立たせ、洗っていた。
 その生温なまぬるさと、波立つ刺激だけで、ウェリスは声を上げ、シーツを掴んで、細い腰をくねらせてしまう。

「んぁあっ、あぁぅん、ぃあああ、」
「ほんと、感じやすいんだね…」
「は、ぁんっ……」
 生温なまぬるいものが中から消え失せて、ウェリスは、長く息をいた。

 そこに当てられたドニの指が、入っ

Lick舐めろ
 ウェリスは命令した。

 ドニの指が、そこから離れた。両手のひらで、ウェリスの双丘おしりを包み込み、開くと、顔を埋め、そこを舌で舐めた。

「はくっ」
 ウェリスは思わず声を上げてしまって、口を閉じ合わせる。と同時に、きゅっと、そこが締まってしまう。

「んふっ」
 そこを舌で舐めながら、ドニの鼻で笑う息が、ウェリスの肌をぶる。

 ウェリスは嘲笑あざわらう。
命令めいっれいされ、て、そんな所、舐める、なんてっ、無様ぶざ、ま、だなっ」
ひゃははやははそーゆーことかろーゆーこおあ俺にはおえにわごちそうだよおりおおらろ
 ドニが何を言っているのか、ウェリスには全くわからなかったが、何か言い返そうと、

「ぃやぁあっ」
 ウェリスは声を上げる。
 ドニが、そこを舐めながら、ウェリスの肉茎を手のひらに包んで撫で始める。

緊張してんのきんろーしれんろゼンッゼンえんっえん勃ってないんだもんらっれらいんらおも
「ゃああっ、ぁぁああ、ああぁぁぁ、」

 少し硬いドニの手のひらに、ずりずりしごかれて、ウェリスの肉茎は、硬く熱く勃ち上がってゆき、先端はろけて、雫を垂らし始める。
 そこも、ドニの舌に、ちゅぷちゅぷ、舐められて、熱くろける。

「はぁあっ、あっ、ふはっ、は、」
 ウェリスは、もう両手をいて立てていられなくて、シーツをぐしゃぐしゃに掴んで、肩を着いて、体を支える。

 ドニの舌先は、ウェリスの入口を、くにくにと、めくるだけで、決して中には挿れてくれない。
 ウェリスは涙があふれて、ぐしゃぐしゃの顔を歪め、涎を垂らして、濡れた紅い唇を噛む。
「ぅぅぅっ、ふ、ぅ、ぁぅ、っん、」


「それ」が、ドニにとっては命令コマンドだとしても、ウェリスは自分から言いたくなかった。
 でも、
 でも、
 でも、
 でも、
 でもっ、

「――挿れて…」
 ウェリスはドニにした。


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