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第26話 やらかしちゃった牧師さん
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数年前、S牧師が自ら語った、聖職者としてはあるまじき失敗談。
まだS牧師が三十代半ばの頃の夏、ある場所へ家族旅行に行った。そこで、現地でついでにちょっとした教会関係の用事を済ませようと、奥さんとお子さん達をホテルに置いて一人で出掛けた。
用事を済ませ、車を運転してホテルに戻る道中、青信号の交差点を通り過ぎようとした時のこと。
横から出てきた車と衝突!
車は大破したものの、幸いにも両者に大きな怪我はなかった。……のだが……
「ちょっとオッサン! どこ見てんの⁉ 気を付けてよ!」
相手は真っ赤なスポーツカーに乗って真っ赤なワンピースを着た、二十歳前後の非常識極まりない小娘。
「何ぃっ!?」
S牧師、キレた。
「そっちこそ信号見てんのか⁉ 赤だっただろ!」
「前に車がいるのに突っ込むとか有り得ないし! オッサンの前方不注意!」
信号無視をしておいて、ここまでデカい態度で出られる者はなかなかいない。
このクソ小娘ぁ、頭イカれてんのか? しかも、ただでさえこんなにクソ暑ぃのに、真っ赤な車に乗って真っ赤な服まで着やがって!
などと、本来ならどうでも良いことにまで、この時のS牧師はムカついてしまった。
とりあえず警察を呼んで現場検証し、その後警察署で事情聴取。
その間も、S牧師はその小生意気なクソ小娘と壮絶バトルを繰り広げた。お互いに『お前が悪い!』を主張し、これでもかというほどの罵詈雑言をぶつけ合いまくっていた。相手が男性だったら、きっとぶん殴っていたかもしれない。
事後処理が一通り終わって警察署を出る時、非常識なクソ小娘が訊ねてきた。
「ところでオッサン、あんた何なの?」
「はぁっ⁉ 何っ⁉ 何なのって……っっっ!」
S牧師、我に返った。
「……にっ、日本キリスト教会の牧師でゴザイマス……」
❁ ❁ ❁
若かりし頃のS牧師のやらかしちゃったお話でした。この後、死ぬほど懺悔なさったことは言うまでもありません(;'∀') 不思議でも何でもないお話でしたが、まあ聖職者でも人並みにキレることもあれば、間違いも起こすのですね。人間だもの。
現在、S牧師は海外で宣教中でして、昨年、還暦を迎えたとの連絡をくださいました。
カンゲキっ!ヾ(*´∀`*)ノ
まだS牧師が三十代半ばの頃の夏、ある場所へ家族旅行に行った。そこで、現地でついでにちょっとした教会関係の用事を済ませようと、奥さんとお子さん達をホテルに置いて一人で出掛けた。
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横から出てきた車と衝突!
車は大破したものの、幸いにも両者に大きな怪我はなかった。……のだが……
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相手は真っ赤なスポーツカーに乗って真っ赤なワンピースを着た、二十歳前後の非常識極まりない小娘。
「何ぃっ!?」
S牧師、キレた。
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このクソ小娘ぁ、頭イカれてんのか? しかも、ただでさえこんなにクソ暑ぃのに、真っ赤な車に乗って真っ赤な服まで着やがって!
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とりあえず警察を呼んで現場検証し、その後警察署で事情聴取。
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「ところでオッサン、あんた何なの?」
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「……にっ、日本キリスト教会の牧師でゴザイマス……」
❁ ❁ ❁
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