22 / 41
第22話 同僚の不思議体験
しおりを挟む
私の同僚の女性(Kさん)の不思議体験。
不思議体験とは言っても、Kさん本人にとってはチョイチョイある日常的なことらしい。
仕事中、視界の端を黒い何かがスーッと横切ったり、後ろから肩を叩かれたり等々……。
この前は、私に『ねえ、さっきそこでSさんのこと見かけたんだけど、いつから休むんだったけ?』と訊かれた。
Sさんは病気療養のために、近々長期の特別休暇を取る予定だと私も以前から聞いていた。そして、その日が特別休暇の初日だった。なので、会社に来ているはずはなかったのだ。
『ゑっ!? 生霊⁉ Σ(゚Д゚)』
それに、Kさんは虫の知らせのような経験もあるらしい。
もう何年も会わず、連絡も取っていない親戚や友人のことを、なぜか突然ふと思い出し、『あの人、今頃どうしてるかなぁ?』なんて考えていると、二、三日後にその人物から連絡があったり、出先でばったりと会ったり、残念なことに訃報が届くこともよくあるそうだ。
そしてつい最近、また驚愕の出来事が起きた。
今まで全然興味もなく、特に好きでもない某芸能人のインスタグラムを、何の気無しにかなり長時間見ていたそうなのだが、翌日、その芸能人の元夫が自殺してしまったのである。
もちろん、数ある中には偶然や勘違いもあるかもしれない。それでも、かなりの頻度でこのような現象が起きているらしい。ちょっとした特殊能力と呼んでも良いだろう。
他にも、Kさんの家ではしばしば奇妙な音が聞こえるそうだ。
パキ、ビシ、ボキ、といった、いわゆるラップ音らしきもの。
Kさん本人は、温度や湿度の変化による家鳴りだと思うようにしている。時々宙を漂うクラゲのような半透明の物体も、埃に光が当たっているだけだと信じている。
だが、なかんずく、私が最も驚異的だと感じているKさんの能力は、やはりゴキブリを素手で掴めることである。
カブトムシ、クワガタムシ、トンボ、それにカマキリなどは、私も抵抗なく触れるが、ゴキブリやカマドウマなどは見るのも嫌だ。生理的に。
逆に、Kさんはネズミやカエル、そして爬虫類は気持ち悪くて触れないと言っていたが、私はそれらには生理的嫌悪感は覚えない。
好き嫌いは人それぞれ、体験する不可解現象の種類も人それぞれということなのだろう。
不思議体験とは言っても、Kさん本人にとってはチョイチョイある日常的なことらしい。
仕事中、視界の端を黒い何かがスーッと横切ったり、後ろから肩を叩かれたり等々……。
この前は、私に『ねえ、さっきそこでSさんのこと見かけたんだけど、いつから休むんだったけ?』と訊かれた。
Sさんは病気療養のために、近々長期の特別休暇を取る予定だと私も以前から聞いていた。そして、その日が特別休暇の初日だった。なので、会社に来ているはずはなかったのだ。
『ゑっ!? 生霊⁉ Σ(゚Д゚)』
それに、Kさんは虫の知らせのような経験もあるらしい。
もう何年も会わず、連絡も取っていない親戚や友人のことを、なぜか突然ふと思い出し、『あの人、今頃どうしてるかなぁ?』なんて考えていると、二、三日後にその人物から連絡があったり、出先でばったりと会ったり、残念なことに訃報が届くこともよくあるそうだ。
そしてつい最近、また驚愕の出来事が起きた。
今まで全然興味もなく、特に好きでもない某芸能人のインスタグラムを、何の気無しにかなり長時間見ていたそうなのだが、翌日、その芸能人の元夫が自殺してしまったのである。
もちろん、数ある中には偶然や勘違いもあるかもしれない。それでも、かなりの頻度でこのような現象が起きているらしい。ちょっとした特殊能力と呼んでも良いだろう。
他にも、Kさんの家ではしばしば奇妙な音が聞こえるそうだ。
パキ、ビシ、ボキ、といった、いわゆるラップ音らしきもの。
Kさん本人は、温度や湿度の変化による家鳴りだと思うようにしている。時々宙を漂うクラゲのような半透明の物体も、埃に光が当たっているだけだと信じている。
だが、なかんずく、私が最も驚異的だと感じているKさんの能力は、やはりゴキブリを素手で掴めることである。
カブトムシ、クワガタムシ、トンボ、それにカマキリなどは、私も抵抗なく触れるが、ゴキブリやカマドウマなどは見るのも嫌だ。生理的に。
逆に、Kさんはネズミやカエル、そして爬虫類は気持ち悪くて触れないと言っていたが、私はそれらには生理的嫌悪感は覚えない。
好き嫌いは人それぞれ、体験する不可解現象の種類も人それぞれということなのだろう。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
アポリアの林
千年砂漠
ホラー
中学三年生の久住晴彦は学校でのイジメに耐えかねて家出し、プロフィール完全未公開の小説家の羽崎薫に保護された。
しかし羽崎の家で一ヶ月過した後家に戻った晴彦は重大な事件を起こしてしまう。
晴彦の事件を捜査する井川達夫と小宮俊介は、晴彦を保護した羽崎に滞在中の晴彦の話を聞きに行くが、特に不審な点はない。が、羽崎の家のある林の中で赤いワンピースの少女を見た小宮は、少女に示唆され夢で晴彦が事件を起こすまでの日々の追体験をするようになる。
羽崎の態度に引っかかる物を感じた井川は、晴彦のクラスメートで人の意識や感情が見える共感覚の持ち主の原田詩織の助けを得て小宮と共に、羽崎と少女の謎の解明へと乗り出す。

【完結】本当にあった怖い話 コマラセラレタ
駒良瀬 洋
ホラー
ガチなやつ。私の体験した「本当にあった怖い話」を短編集形式にしたものです。幽霊や呪いの類ではなく、トラブル集みたいなものです。ヌルい目で見守ってください。人が死んだり怖い目にあったり、時には害虫も出てきますので、苦手な方は各話のタイトルでご判断をば。
---書籍化のため本編の公開を終了いたしました---
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる