4 / 41
第4話 眠りを妨げるモノ。
しおりを挟む
数年前のこと。
その頃は、勘違いかもしれないものも含めると、週に三回以上は金縛りに遭っていた。
ある晩、いつも通り灯りを消して布団の中に入ると、何やら頭が小刻みに揺れる感じがした。
もしかして地震? と思い、起き上がるが、本棚も箪笥も揺れてはいない。
気のせいかと、布団に入る。……が、また頭が、どうやら頭だけが、揺れている感じだった。
再び起き上がり、念のために部屋の中を見回すが、やはり何も揺れてはいない。
不思議に思いながら、また布団に入ると、また枕が揺すられ、ザッザッと中身の蕎麦殻が鳴る音までよく聞こえた。
眠かった私は、『やかましい!』とばかりに、枕を一発バァン! とぶっ叩き、また布団に入った。
それからというもの、二度と同じ現象は起きなくなった。妖怪枕返しさん? とりあえず、意外と聞き分けの良い妖怪さんで良かった。
そして、こちらも就寝時の話。
なぜか背中がムズムズする。
疲れていたので、気にしないで寝ようとしたが、寝返りを打ってもどうしても、背中のムズムズは治まらない。
もしかして虫でも這っているのだろうか? だとしたら気持ち悪い。
私は起き上がって、布団の上を確認した。
すると、そこには何やらスライムのような質感の真っ黒い物体が、大小ドロドロとたくさん蠢いていた。赤い豆電球だけの灯りだったが、それらははっきりと見えた。
驚いて、慌てて灯りを点けると、そのドロドロ達は、まるで布団に染み込むように、ゆっくりと消えていった。
何だったのだろう? びっくりしたけど、ゴキブリやゲジゲジではなかったので一安心。
翌日、天気が良かったので、念のために布団を干した。
その頃は、勘違いかもしれないものも含めると、週に三回以上は金縛りに遭っていた。
ある晩、いつも通り灯りを消して布団の中に入ると、何やら頭が小刻みに揺れる感じがした。
もしかして地震? と思い、起き上がるが、本棚も箪笥も揺れてはいない。
気のせいかと、布団に入る。……が、また頭が、どうやら頭だけが、揺れている感じだった。
再び起き上がり、念のために部屋の中を見回すが、やはり何も揺れてはいない。
不思議に思いながら、また布団に入ると、また枕が揺すられ、ザッザッと中身の蕎麦殻が鳴る音までよく聞こえた。
眠かった私は、『やかましい!』とばかりに、枕を一発バァン! とぶっ叩き、また布団に入った。
それからというもの、二度と同じ現象は起きなくなった。妖怪枕返しさん? とりあえず、意外と聞き分けの良い妖怪さんで良かった。
そして、こちらも就寝時の話。
なぜか背中がムズムズする。
疲れていたので、気にしないで寝ようとしたが、寝返りを打ってもどうしても、背中のムズムズは治まらない。
もしかして虫でも這っているのだろうか? だとしたら気持ち悪い。
私は起き上がって、布団の上を確認した。
すると、そこには何やらスライムのような質感の真っ黒い物体が、大小ドロドロとたくさん蠢いていた。赤い豆電球だけの灯りだったが、それらははっきりと見えた。
驚いて、慌てて灯りを点けると、そのドロドロ達は、まるで布団に染み込むように、ゆっくりと消えていった。
何だったのだろう? びっくりしたけど、ゴキブリやゲジゲジではなかったので一安心。
翌日、天気が良かったので、念のために布団を干した。
1
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
アポリアの林
千年砂漠
ホラー
中学三年生の久住晴彦は学校でのイジメに耐えかねて家出し、プロフィール完全未公開の小説家の羽崎薫に保護された。
しかし羽崎の家で一ヶ月過した後家に戻った晴彦は重大な事件を起こしてしまう。
晴彦の事件を捜査する井川達夫と小宮俊介は、晴彦を保護した羽崎に滞在中の晴彦の話を聞きに行くが、特に不審な点はない。が、羽崎の家のある林の中で赤いワンピースの少女を見た小宮は、少女に示唆され夢で晴彦が事件を起こすまでの日々の追体験をするようになる。
羽崎の態度に引っかかる物を感じた井川は、晴彦のクラスメートで人の意識や感情が見える共感覚の持ち主の原田詩織の助けを得て小宮と共に、羽崎と少女の謎の解明へと乗り出す。
【完結】本当にあった怖い話 コマラセラレタ
駒良瀬 洋
ホラー
ガチなやつ。私の体験した「本当にあった怖い話」を短編集形式にしたものです。幽霊や呪いの類ではなく、トラブル集みたいなものです。ヌルい目で見守ってください。人が死んだり怖い目にあったり、時には害虫も出てきますので、苦手な方は各話のタイトルでご判断をば。
---書籍化のため本編の公開を終了いたしました---
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
お化け団地
宮田 歩
ホラー
「お化け団地」と呼ばれている朽ち果てた1階に住む不気味な老婆。彼女の部屋からは多頭飼育された猫たちがベランダから自由に出入りしていて問題になっていた。警察からの要請を受け、猫の保護活動家を親に持つ少年洋介は共に猫たちを捕獲していくが——。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる