不思議小話 ピンキリ

そうすみす

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第3話 当たらない……? ②

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 二回目の死んだかもしれない出来事は、仕事の帰り、車を運転していた時のこと。

 私の車がすぐ近くまで来ていたにも関わらず、脇道から車が出てきた。一時不停止どころか減速すらしている様子はなく、標識ひょうしきも何も確認せずに出てきたのだろう。

 間に合わないタイミングだったが、もちろん私は反射的に急ブレーキをかけた。

 これは確実にぶつかる。事故になる。車も滅茶苦茶めちゃくちゃになって、もしかしたら私も死ぬか、良くても大怪我はまぬがれないだろう。 

 そう覚悟したが、どうしたことか、私の車はその一時不停止車にはぶつからず、交差点を少し通り過ぎた辺りで止まっていた。

 どうやら相手も急ブレーキをかけたらしく、私の車の後ろで止まっていた。

 ??? どういう状況なのか、何が起こったのか、理解できなかった。
 
 間違いなく衝突事故になっていたはずのタイミングだったが、互いの車はかすりもせずに通り過ぎたことになる。

 けれども、短気な私の中では疑問よりも怒りが先行し、二十秒以上クラクションを鳴らし続けてから、その場を立ち去った。

 大人げないとは言わないでほしい。一時不停止車のドライバーを怒鳴り付けなかっただけ、私にしては十分に神対応(?)なのだから。

 今になって思えば、何かが守ってくれたのかな、と感謝している。

 でも、何もかも当たらないのは悲しい。宝くじをよく買っているのだから、たまには高額を当ててほしいものだ。

 地道にコツコツ頑張るしかないのか。

 何はともあれ、皆さん、車の運転中は信号や標識、交通規則を必ず守り、安全運転を心掛けてくださいますようお願い致します。
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