運命

秋本シラキ

文字の大きさ
上 下
1 / 1

運命(さだめ)

しおりを挟む
白で覆われた部屋 日々日々 弱り果てる自分
感じながら 今日も 天井見つめる
この胸の鼓動 いつごろ静かになるだろう

あなたはいつも来る 絶やさず 笑みを零しながら
そして私は 堪える 口閉ざしたまま
あなたが憎くて 憎くて憎くて 仕方ない

「どうして私だけ?」

唇ギュッと噛み締めた あなたが そばにいると 溢れ出てきそうになるこの思い

「怖いよ苦しいよ 誰か誰か交換して」

毛布を 握ってる手 震えは止まることがなかった

目も開けられぬほどに 弱り果てた自分
いつもどおり 明るい声で 話しかけるあなたに

「どうせ私なんか 死んだってどうでもいいんでしょ?」

聞きいてみた

何も言わずあなたは 指鳴らし 口笛吹いて 
部屋出て行った

そして静寂の中に鳴く声がする
廊下であなたが 泣いていたそのとき初めて あなたの気持ちに気づく

愚か過ぎる自分 人の愛さえ忘れ でも
あなたは 見捨てずに そばにいて笑ってくれていた

大好きなあなたに 私は言う

「大好きだよ」

これしか できなかった 私の手にあなたの涙が落ちた

残酷な運命 でもあなたがいてくれれば
そばにいて! 一緒にいたい あなたの優しさ感じていたい

私は生きたい どうか生きさせてください
そしたら ずっとあなたが すてきな笑顔でいてくれるから
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

女避けの為の婚約なので卒業したら穏やかに婚約破棄される予定です

くじら
恋愛
「俺の…婚約者のフリをしてくれないか」 身分や肩書きだけで何人もの男性に声を掛ける留学生から逃れる為、彼は私に恋人のふりをしてほしいと言う。 期間は卒業まで。 彼のことが気になっていたので快諾したものの、別れの時は近づいて…。

愛されない女

詩織
恋愛
私から付き合ってと言って付き合いはじめた2人。それをいいことに彼は好き放題。やっぱり愛されてないんだなと…

私の家事に何でも文句を言う夫に内緒で、母に家事をしてもらったら…。

ほったげな
恋愛
家事に関して何でも文句を言う夫・アンドリュー。我慢の限界になった私は、アンドリューに内緒で母に手伝ってもらった。母がした家事についてアンドリューは…?!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑

岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。 もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。 本編終了しました。

冷たかった夫が別人のように豹変した

京佳
恋愛
常に無表情で表情を崩さない事で有名な公爵子息ジョゼフと政略結婚で結ばれた妻ケイティ。義務的に初夜を終わらせたジョゼフはその後ケイティに触れる事は無くなった。自分に無関心なジョゼフとの結婚生活に寂しさと不満を感じながらも簡単に離縁出来ないしがらみにケイティは全てを諦めていた。そんなある時、公爵家の裏庭に弱った雄猫が迷い込みケイティはその猫を保護して飼うことにした。 ざまぁ。ゆるゆる設定

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

処理中です...