乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり

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64.久しぶりの再会は悪夢再びの予感ですか?

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 オリエンテーションは特に問題や混乱はなく、つつがなく終わりました。
 通常だと少しはしゃいでしまって問題を起こす生徒が出るらしいけど、今年は一切無かったそうです。

 レオが言うにはロウ達のお陰だという事。
 ロウ達が目を光らせていたのでいい意味で緊張感があって羽目を外す人が居なかったそうです。

 
 良い抑止力になるからイベントには積極的に参加して欲しいと言われてしまいました。


 
 「とは言われてもね、私的には美味しい料理やお菓子が用意されているイベントだったらいくらでも参加するけどね!」

 「ふふ。リリィは幾つになっても食いしん坊ね」

 
 今日はアディと一緒に今度の実戦訓練に向けての準備をしようとまずは私の部屋に来てもらっています。

 
 「だってこの間なんて野生の虫を観察しに行こうツアーなんて物に駆り出されそうになったのよ?何か旨味は?って聞いたら、珍しい虫を捕まえたらプレゼントします。って言うの…」

 「……虫ねぇ」

 「虫が悪いわけではないの!でもね、そう言われて喜んで付いていけるほど私無邪気ではないわ!」

 「…それがあとから何か食べれるだったら?」
 「そうね…まあ行ってもいいかしら?くらいには虫は嫌いではないわ」

 「うふふ、リリィらしい」
 「もう!まあそれはいいや。それで授業で言っていた実戦訓練の持ち物なんだけど…」

 「ふふ、そうね。服装は制服でローブ着用よ。あとは学園から支給されるのが簡易食料と水、後はポーションが数本ね」

 「…ポーションか。飲んだ事ないけど美味しいのかしら?」

 「あはは、もうリリィったら!ポーション飲むほど大変な事にはならないらしいのだけど、一応待たされる程度?…ちなみに美味しくないらしいわ」

 「えー!そうなのね。じゃあ飲まずに済むようにしなくちゃだわ!それか…自分で美味しく作る?」

 「リリィは何処へ行きたいのよ…」

 「え?行きたい所は特に無いけど?」

 「もう!そういう意味ではないわよ…。まあいいわ。ポーションとかは不安なら自分で用意して持って行ってもいいそうよ。あとは武器ね」

 「武器はドルトスさんが選定式の時にプレゼントしてくれた短刀を持って行くわ」

 「そうね、私もそうするわ」

 「それに、皆で組めて良かったよねー!」

 「ええ。ヴィータ様はクリス様とだったわよね?」

 「うん。そう言ってた。メルはマティ様とでレティはイザベル様とで、リュドはローラン様でしょ?」

 「本当に仲間内で固まれて良かったわよね。下手な相手に申し込まれる前に決めれて良かったわ」

 
 この間のオリエンテーションで皆で集まった時にレオと実戦訓練の時に組む事にした、という話をらしたらすぐに皆も組む相手を決めた。
 早く決めておけば万が一断りにくい相手に申し込まれても問題なくお断りできるから、という事だ。


 「じゃあ、持ち物とかも問題なさそうね」
 「そうね、私ポーション作りやってみるわ!」

 「リリィ……」
 「作り方…知ってる人…」

 「ふふ、仕方ないわね。ポーション作りは魔術師か魔女か…」
 「ーー!ソレよ!!魔女!!」

 「え?魔女?」
 「そう!魔女!!アディ!美味しいポーション作れたら飲んでみてね!!」




 ◇◇



 
 そして、今私はロウとセルにお願いして【鉄の森の魔女】アン様の所に連れて来てもらっている所です。

 
 『てか、リリィ今度は何かと思ったらポーション作りかよ…』

 『この短期間に連続でココを訪ねる事になるとは…』

 「親孝行みたいなものだよ!アン様だって喜ぶよ!」

 『どうだかな~』


 サクサクと森の中を3人で歩き結界を通り抜けるとボートがすでに近くに来ていた。


 「これもアン様の魔力?」
 『そうだなそもそもこの森自体が母の魔力でできているような物だからな』

 「へー!すごいね!さすがロウ達のお母様!」
 『気に入らない奴は森に辿り着くことも出来ないからなぁ』

 「そうなんだ」
 『ほら乗るぞ』


 ボートに乗り込みアン様の家へと自動運転。
 これ、すごいよなぁ。
 どうなってるんだろう?魔法具みたいな物?魔力で遠隔操作?て事は結構魔力操作する綿密さが必要って事かな?


 家の前まで来ると扉がバーンと開いた。

 「アン様、お邪魔しまーす!!」
 『ババア!入るぞー』
 『入るぞ』

 『リリィ!よく来たわ!いらっしゃい』

 
 目の前に現れた妖艶な美女がこの【鉄の森の魔女】アングルボダ様。

 ロウ、セル、ヘルのお母様。

 
 『オレ達はシカトかよ』
 『まあ、いつもの事だな』
 『アンタ達デカい図体してうるさいわねぇ』

 
 あ、アン様嬉しそう!
 やっぱり二人とも連れて来て良かったな。

 
 『……で、ポーションだった?』
 「そうなんです!さすがアン様話が早いー!」

 『あんま煽てるなよ?』
 『暴走するぞ~?』
 

 チラリとアン様はロウとセルを睨み付けた。

 
 『ポーションね、一緒に作ってあげたいけど、この間大量に作ったばかりで今薬草が足りないのよ…』

 「薬草…どこにありますか?間に合うなら取りに行ってきます!」

 『相変わらず考え方がお嬢様のそれではないわね…。まあいいわ。普通のでいいなら精霊の森ね、ハイポーションとかがいいのなら北の森か…世界樹の…』

 「普通ので!精霊の森に行けばどれが薬草かわかりますか?」

 『ロウ達に教えてもらったらいいわ』

 「はい!じゃあ行ってきます!!」

 『行動力のある子ね…遅くなっても面倒くさいから表のボートで精霊の森の湖まで行っておいで。あっちに繋げておくから』

 「わあ!アン様ありがとう!!」


 ギュッと両手を握ってから出かけます!!

 
 「行ってきまーす!!」


 『……ふふ。相変わらず人誑しだねぇ』

 
 
 ◇◇


 
 ボートに乗り込んでいざ出発!!

  
 「このまま乗ったまま行けるってアン様言ってた?」

 『ああ』
 『あーめんどくせぇ…飛べたら一瞬なのになぁ』

 「えー?冒険みたいで楽しくない?ロウとセルと3人でなんて久しぶりじゃん」
 『まあ、そう言われればそうか…』
 『ククク。確かに懐かしい気もするな…』
 
 
 最近は学校もあるし忙しくてなかなか出掛けられなかったからね!

  
 ボートは静かに進んで行って気付いたら見慣れた精霊の森の湖に到着していた。


 「不思議よね…。何をどうしたらここに来るのか…」

 『ババアのやる事はわからねぇ』
 『確かにな。スッと行かせてくれれば早いのにな』


 湖畔にボートが寄って到着しました!
 ボートから降りて森に降り立つとフワフワと精霊達が寄って来ました。

 
 『リリィ!久しぶり!私の事覚えてる?』

 「ん?あ!ドリー??」
 『せいかーい!嬉しい!』

 
 木の精霊のドリーが擦り寄って来てくれた。
 かわいいなぁ!!


 『今日はどうしたの?ボディーガード引き連れて!』

 「あのね、ポーションを作ろうと思ってアン様の所…あ、鉄の森の魔女のアングルボダ様ね、行ったんだけど薬草が無いからって、取りに来たのよ」

 『そうなのね!じゃあ、お役に立てそうだわ!!』

 キラキラした瞳ですごい見つめてくるけど…

 え?えーと、大丈夫だよ?ロウとセルもいるし…。

  精霊が絡むとね……
 
 
  ちょっとだけ嫌な予感……
 
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