乙女ゲームに転生したらしい私の人生は全くの無関係な筈なのに何故か無自覚に巻き込まれる運命らしい〜乙ゲーやった事ないんですが大丈夫でしょうか〜

ひろのひまり

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28.新たな出会いは未来を変えますか?

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 あの日持って帰った飴はとっても美味しくて、また買いに行きたいと思いました。
ちなみに、ベチャベチャになった包子パオズはシェフに見せたら揚げ直してくれて、パリッパリのまた違った食感で美味しく皆でいただく事ができました!


そして、レオの件で浮き彫りになった闇の精霊の事。
間違った情報や根拠の無い噂の内容を全て一新すべく、お父様を中心として国のトップが動き皆を正しい道へと導いていくという事です。


「なんだかんだで…やみのせいれいたち、ぞくせいのひとが、つらいおもいをしていたのにはおどろきよ」

『前にも言ったが、闇は魔、という認識が強かったからな。…闇の属性を持って生まれてくる人間は少なからず居たのだが、隠すか…捨てる…』

「えっ!?すてる!?」

『ああ。過去には迫害を受けたりもあったらしいが…これからは更に変わるだろう』

「はくがい!?」

『…一部ではな。治癒院の横に孤児院がある。そこにも1人いるらしいが…』


やっぱりどんなに素晴らしい国でも、後ろ暗い所はあるんだ…。
その孤児院が、私が居た場所のようにいい所であればいいけど…。


「…こじいん、みにいってもいいのかな?」

「よろしいのではないですか?ベルナー家は孤児院への援助もしておりますし」

「ニナ、じゃあおかあさまにいえばいいかな?」

「ええ。慈善活動は貴族の義務でもありますからね。奥様もお喜びになられるのではないですか?」

「…すぐにいけるかな?」




◇◇◇◇◇



そういう事で、本日はお母様と一緒に治癒院の横の孤児院に来ています!

「リリィ、今日は大人しく…していてね」

そう言ってお母様と院長先生は別室でお話をしに行かれました。

さて、と。
皆がいる部屋はどこかな?

「リリィ様?どちらへ行かれるのですか?」

「みんながいるところよ。どこかな?」

「えーと。こちらですかね?」


ニナと一緒に部屋を見回っていると、外で小さな子達が遊んでいるのが見えた。


「あ、皆さん今はこちらに居るみたいですね。どうされます?」

「とりあえずちかくにいってみるわ」

「畏まりました。リリィ様足元に気をつけて下さいね」


外に出ると小さな子達が走り回っていて、シスターが一緒に居た。
シスター?なんで?と思ったけど教会も併設されていたので、なるほどねーという感じ。


「あれ?小さい子がいるー!」
「本当だ!シスターあそこ!」
「あぁ、今日はベルナー家の奥様と一緒にご息女のリリアーヌ様もいらっしゃっているのよ」

「みなさん。ごきげんよう。リリアーヌ・ベルナーともうします」

「わあ!おひめさまみたい!」
「かわいいー!!」
「リリアーヌ様。ここに居るのはこの孤児院で暮らす子達です。皆きちんとご挨拶をして」

「こんにちわー!!」


同年代くらいと、少し年上の子達が元気に挨拶してくれた。
元気だね!うん、顔色も良いし皆少し痩せ気味かな?だけど、大丈夫そう。
とりあえずこの孤児院は心配しているような事は無さそうかな?
一安心って所ね。


「リリアーヌさま!いっしょにあそぼー!!」

「いいわ!あそびましょう!なにする?かくれんぼ?おにごっこ?」

「かくれんぼー!!」

「リリアーヌ様、お召し物が汚れてしまいますよ!?」

「いいのよ!みんなでやったほうが、たのしいじゃない」

「で、でも!」

「シスター、リリィ様がこうなると誰にも止められませんので…」

「そ、そうなのですね…。でも…子供達もすごく楽しそう…」

「リリィ様って、少し不思議なのです。人の心の中にスッと入ってきて気付いたら虜に!!あぁ、リリィ様…」

「……」

「…コホン。失礼いたしました」


安定の変態のニナは置いておいて、孤児院の子達と手を繋いで、かくれんぼを始める。

うん、本当にみんな元気だね。
さて、私も隠れるとしましようか!私こう見えてかくれんぼの天才!かくれんぼマスターと呼ばれておりました。
施設でもよくかくれんぼしたけど、皆私を見つけるのに苦労してたわ。
一度、天井を剥がして天井裏に隠れていたら流石に先生に怒られたな…。

なんて思いながら隠れる場所を探して庭を散策していると、木の影に男の子が1人座って本を読んでいた。


「ごきげんよう、あなたはここのこ?」

「ーー!……。」

「?ごきげんよう、あなたはここのこ?」

「………」

耳が聞こえないのかな?
耳の近くで…と、

「ごーきーげーんーようー!」

「わぁっ!!きこえてますからっ!!」

「あら、やだしつれい。おへんじがなかったからみみがわるいのかとおもって」

「………。」

あら、シカト?シカトってやつ!?
腹立つわーそういうの一番キライ。
だったら、こっちも考えがあるよ!秘技耳元大声攻撃よ!!

「わたくしはー!!リリアーヌ!!!よろしく!!」

「ーーー!!きこえてるってば!!」

「むしするからよ!かんじわるいっ!!」

「かっ…かんじわるい…って…」

「ひとがはなしかけているのに、むしはだめよ!」

「…ボクのことはほうっといてよ…。ボクといるとあくがうつるよ…」

「あくがうつる?」

あ、悪が移るか!

「ていうか、どういういみ?あくがうつるって、なに?」

「…ボクはやみだから…あくなんだ」


ん?
…あっ!オンベロ(?)だっけ?精霊王の悪影響こんな所でこんな子供にも出てるじゃん!アイツマジで許さん!!


「あなたは、やみのぞくせい?」

「そうだよ!おまえ、なんなんだよ!」

「だから、わたしはリリアーヌ・ベルナーよ。あなたは?」

「…… リュドヴィック」

「え?リュド?」

「リュドヴィック!!」

「?リュドでしょ?よろしくね。おなじとしくらいかしら?なんさい?」

「……。」
「なーんーさーいー?」

「ーー!わかった!ごめん!3さい!」

「あら。やっぱりおなじね。ん?なのに、もうじぶんのぞくせいしってるの?」

「…すてられるまえにしらべたらしいよ!」


ーー!!
やっぱりオンベロのせいだわっ!
やる事ちゃんとやらずに偉そうにして!こんなに小さな子が悲しい思いしちゃってるじゃん!


「もう、だいじょうぶなのよ!」

「え?」

「やみが『ま』っていうのまちがいだったんですって!せいれいおうのせいでね!きちんとただしいじょうほうがきてなかったのよ!そのせいでたくさんめいわくをかけられたの!」

「え?どういうこと…?」

「だから、『やみ』いこーる『ま』っていうのがまちがいで、そもそも『ま』がわるいっていうのもきめつけだったの!」

「…でも!もうずっとむかしから…」

「それがまちがいだったんだって!こんど、おとうさまたちがていせいしていくっていっていたもの」

「…うそだ」

「うそじゃないよ?」

「だったらなんで!いままでの…」

「…うん。つらいおもいを、したとおもうけど、これからはかわっていくとおもう」

「……。」

「リュド?」

「いまさら…」

リュドはサッと立ち上がると後ろを振り返りもせずに部屋に戻っていった。

「リリアーヌさま、みつけた!!」

「あ!かくれんぼしてたんだった…」

「あれ?リュドじゃん」

「…リュドはいつもあんなかんじ?」

「うん。ずっとひとりでいる…べつにみんなもむししてるわけじゃないんだよ?シスターにもいわれるし」

「しすたーはなんて?」

「みんな、いっしょだよって。みんななかまだから、たすけあいましょう、って」


さすが、シスターだわ。
ここの子供達はちゃんとしてる。

「…でも、5さいの、こたちはせんていしきをうけてるけど、リュドももうせんていしてもらってるらしくって…」

「じぶんのぞくせい、しってるっていっていたわ」

「うん。リュドはここにきたときから、あんなかんじだから…みんなも、そっとしてる…」

「そうなのね…」

「あっ!!でも、ここのみんなも、シスターもめちゃめちゃいいひとたちばっかりだから!オレは
ここはいいばしょだとおもう!!」


そっか…ここは差別的な事は無いけど、リュドだけが塞ぎ込んでいるんだね。
なんとかならないかなぁ…。
だって、リュド自身は何にも悪くないのに…。




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