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20.仲間に加えますか?はい。ってやつですか?
しおりを挟む「……で?召喚獣を召喚してしまったと」
「……はい」
「よりにもよって、ヨルムンガンド…」
「……はい」
『おいおい!オレはセルだぜ』
「セルはだまってて!」
ややこしくなるんだから!
「リリィ、君は本当に…何というか…色々なモノに好かれるね。我が娘ながら素晴らしいと思うよ」
「ミシェル!今はそういうのはいらないのよ!」
お母様…怖い。
「リリィ、今回はもう終わってしまった事だし仕方のない事とはいえ、貴方の安易な考えで行動した結果こうなってしまったのよ?」
「…はい」
「本にも書いてあったでしょう?大人の人についてもらって行う事って」
「はい…」
チラリと横目でロウを見ると、目を逸らされた!
「リリィ。いくらロウ様が居たからと言っても、ダメな物はダメよ」
「はい。もうしわけありません」
『…マリア、済まなかったな。我もまさかコイツが召喚されるとは思っても見なかった。下位の召喚獣が来ると思っていた…リリィの魔力を侮っていた』
ホラ、ロウだって止めなかったんじゃん!
同罪だよ!同罪!
ていうか、セルが召喚されたのがそもそもの間違いじゃん!
湖の時と同じだよ、私はあんまり悪くない!はず!
「リリィ…」
はぁ、とお母様のため息。
あんまり悲しそうな顔しないで…私も悲しくなっちゃう…。
「ごめんなさい。こんごはもっとちゅういする」
『おい、あんまりリリィをいじめるなよ?』
「ーー!もとはといえば、セルがかってにきたのがわるいでしょ!きたとしても、さっさとかえってくれれば!」
『なんだと?勝手に呼び出しておいてその言い草はなんだよ!』
「だってそうじゃん!さっさとかえってくれてたらこんなことになってない!」
『ーー!』
「リリィ、セル、やめなさい。そもそも、どちらも悪くない。リリィだって軽い気持ちで召喚したかもしれないけど下位の召喚獣が来ると思ってやったんだろう?セルだって、本来ならまだ封印が解かれる時期では無いはずだ」
「おとうさま…」
「そうだろう?セルだって、お前が直接呼んだわけではないから、何がどうなってなのかはわからないがリリィの前に出てきた。本当に来たくて来たわけじゃないかもしれないだろう?」
そうかな?結構ノリノリだった気がするけど…
チラッとセルを見たら目を逸らされた。
コイツもか…。
「…ヨルムンガンド…セルが封印されたのは我が国が建国された頃だったと記録されているが…。詳細は不明なんだ。聖獣から闇に落とされ封印された…としかない。封印という物は何かのきっかけで解かれる事がある。それが今回のリリィの召喚の何かがきっかけで解けたんだろう」
『そうだぜ封印が解けるような雰囲気なんてあと数百年はないような感覚だったんだけどな』
『…我も封印が解けた理由はわからないが、確かにすぐに解けるような封印ではなかったと記憶している』
「ふぅ。仕方ないか…。今後の事だが…リリィとの契約はもう?」
『バッチリ完璧!』
「……」
その契約は騙し討ちでねっ!
「そうか、ならばこの国に留まる。という事だな?」
『そういう事になるな』
「…では、王に了承を得なければならない。セル、今の君は闇に落とされた魔獣という扱いなんだ。それに封印獣であり、元聖獣…それを召喚獣に…というのは前例がない。国に害を成さないとは言い切れない。…なんらかの枷はつけさせて貰う事になると思う」
………。
それってさセルの事信用してないって事だよね?何をして封印されたのかは知らないけど…。
この世界に来ただけで、ここにいるってだけで枷を付けるなんて…。
ヨシ決めた!
呼び出しちゃった以上はキッチリ責任取らせて頂きます!!
私がちゃんと目を光らせておけば大丈夫って事でしょ!
「おとうさま!セルにはわるいことはさせません!」
「リリィ…?」
「ぜったいにわるいことはさせないから、ここにいさせてください!っておうさまにいっておいてください!」
『リリィ…お前……いいヤツだな…泣けてくるぜ』
『リリィ…』
「セル、わたしがいまからいうこときいてくれる?」
『…願い事という事か。…何だよ、人間は所詮人間という事なんだな!ハハッ!いいぜ何でも言えよ!どこからでも何でも取ってきて叶えてやる。何だ?国か?富か?名誉か?』
「?…なにいってんのよ、きゅうにおこらないでよね」
『ハハッ!人間は皆オレをいいように使っていらなくなったらポイだ!いいんだよ別に!早く願いを言えよ!』
「じゃあ、まずひとつめ、わるいことはしない。おかしのつまみぐいとかは、もってのほかよ!」
『ーーーーー?』
「ふたつめ、でかけるときは、かならずいきさきをわたしにつたえてからでかけること!きちんといばしょをつたえること!」
『ーーーーー……』
「みっつめ、きちんとあいさつすること!セルはみためでおどろかれるとおもうから、じぶんからあいさつするのよ!わかった?」
『ククク…ハハハッ!そんな事…。お前の願いとは…そんな事なのか……なんて欲の無い…』
「?ちゃんとおやくそくできるの!?」
『ハイハイ。します。ちゃんと…するよ』
「ならいいわ。おとうさま、たしかにセルは、なにかしたからふういんされたのだとおもう。でもここにきて、わたしとけいやくしたってことは、なにか…えんがあるってことだとおもうの。だからおやくそくもする。おねがいします。セルをおいてあげてください」
「リリィ…」
「でも、ほんとうにやくそくやぶったらしっぽとからだをむすんできにくくりつけるからねっ!しかもいちにちじゅうよ!」
フンッ!どうよ?
そんな事されたら嫌でしょ?だったらちゃんと私の言う事を聞くのよ!!
分かった?
『フフフ…。分かった。オレの…生涯をお前の人生に捧げる。そういう契約を…』
『セル!お前…いいのか?』
『いいよ。オレ、リリィの事気に入ってるし。悪いように使おうなんて思っても無さそうだしな。リリィ、ちょっとこっち来い』
ん?何よ。
って、何!?セルまた光ってるけど!!
私も一緒に光ってる?
おでこにおでこをくっつけるの?
ハイハイこうかな?
ーーーーキャッ!!
最後すごい光ったけど…大丈夫なのかな?
「リリィ!大丈夫か?」
「おとうさま…だいじょうぶです…」
『リリィ、これでオレはお前に全てを捧げた。お前の人生からオレが居なくなる事はない。お前が死んだらオレも死ぬ。そういう契約だ』
「ーーー!!セル!あんたばかじゃないの!?そんなことしたら…」
『いーんだよ。もうずいぶん長く生きてるし、お前といれば楽しく過ごせそうだしなっ!改めて宜しく頼むぜリリィ!』
「…セルがいいならいいけど…こうかいしてもしらないからねっ!よろしくっ!」
手は…短くて爪が痛そうだから握手の代わりに身体にギュッと抱きついておいた。
この子は馬鹿な子なのかな?って思ったら身体をギュムッとされた…イタイです。
『おい兄弟!ロウ!羨ましいだろう!オレのほうがリリィと深く結びついてるんだぜ!』
『羨ましくなんて……』
あら?ロウがシュンとしてるじゃん。
兄弟仲良くして!!
ロウだって、仲良しなんだからね。
どっちも1番仲良し!!
ね!!
なんだかんだで友達がまた1人増えました。
これからまた賑やかな毎日になりそうだな。
セルは何か煩いし…
私の人生まだ始まったばっかりだけど…
アレ?なんか濃くない?
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