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森を出るとすぐにルイジアスが駆け寄って来る。
「ルナリア嬢!」
「ルイジアス殿下、お迎えは不要と申しましたのに……」
「そのつもりだったけれど、至急伝えなければならない出来事が起こったんだ」
ルイジアス殿下の真剣な表情に、不安な気持ちになる。
「どうされたのでしょう?」
私の問いに、ルイジアス殿下は苦悶の表情をする。
「ロックウェル王国で起こっている色んな災害の原因が、ルナリア嬢の呪いという事にされた。それにより、国に残っている母君や弟君達は捕縛され、公爵家はマーク王子に取り押さえられている」
それを聞いて、何を言っているのか一瞬分からなかった。
呆然としてしまい、頭が働かない。
「え~っと、何故、その災害の数々がわたくしのせい? 呪い? になっているのでしょう?
それに何故、お母様や弟たちが捕縛されなくてはならないのです?」
何の話か、全く分からない。
どういう事?
お母様たちは、どうなっているの?
殿下の言葉が理解出来ず、身動きが取れない。
「ルナリア嬢、よく聞いてほしい。
ロックウェル王国は、君が魔物の森で死んだと思っている。だから、呪いをでっち上げて、国民の怒りを王家から、公爵家に向けさせるように仕組んだんだと思う」
は?
国外追放したのに、また私に冤罪を擦り付けるの?
しかも、私の家族を巻き込んで?
そう思うと、マーク王子のあの断罪してきた時の憎々しげな顔を思い出す。
国外追放で私の役目は終わったでしょう?
もう乙女ゲームは終わったはずなのに、まだ私を苦しめ足りないの?
もう、ゲームは終了している。
なら、強制力も働かないはず。
お母様たちを助けなきゃ!
そう思った私は、ルイジアス殿下に申し出る。
「ルイジアス殿下。わたくしは今すぐロックウェル王国に向かいます。お父様たちと合流して、お母様や弟たちを助け出したいのです」
「シュナイダー殿達は既に、ロックウェル王国に入っている頃だ。帝国の諜報員より、シュナイダー殿には、すでにこの件は知らせてある。
母君たちが、今どのような状態で捕まっているか調べないと、迂闊に手は出せないようだ。まずは私と共に皇城に戻り、知らせを待とう」
ルイジアス殿下がそういうが、知らせをじっと待ってるなんか到底無理だ。
出来るだけ一刻も早くお母様や弟達を助け出したい。あの王族たちのやる事だ。どんな難癖をつけてお母様たちを虐げるか、分かったものじゃない。
ロックウェル王国へは魔物の森を迂回して行くので到着するのに、日数が要するが、魔物の森の中を通れば、時間は短縮出来る。
そう考えた私は、「やっぱり行きます」と、また森の中に戻ろうと身を翻した。
「あっ! 待ってくれ! どうしても行くなら、私も行く! 森の中を通る許可を精霊王様に取ってほしい!」
そう叫んだルイジアス殿下に、共に付いてきていたデューカスら、護衛騎士たちはびっくりする。
「殿下! いけません! 時期尚早だと陛下にも言われていたではありませんか! それに魔物の森に入るなど、到底見過ごせません!」
と、デューカスが叫ぶ。
私もその意見に頷いた。
「そうですよ。殿下は皇城で知らせを待っていて下さいませ。
これはシュナイダー家の問題。殿下の手を煩わすわけには……」
そう言った私にルイジアス殿下は
「君たちは、もうこの国の人間だろう?
なら、この国の皇太子として、国の者を守る義務がある!
それに、か弱い女性を1人で行かせるなんて、出来るわけないだろう」
と、当然のように言った。
困ったわね。どうしても引いてくれそうにない。
でも、少し心細かった私の心に殿下の言葉が響く。
祖国に敵対視され、家族まで追い込まれている状態で、味方であり続けようとしてくれるルイジアス殿下の存在は、とても大きく、私の心を励ましてくれていた。
「分かりました。精霊王様にお願いしてみます。
でも、陛下の許可が取れていないのでしょう? 大丈夫なのですか?」
私が尋ねると、
「絶対に君たち家族を助け出して、この国にみんなで戻ってくるから、大丈夫だ!」
と、根拠が無いのに、自信満々に言っているルイジアス殿下に、思わず笑ってしまう。
ルイジアス殿下は、デューカスにハッキリと伝える。
「デューカス、魔物の森を抜けていくから、お前達は来なくていい。
どうせ精霊王様は、大勢の人間を出入りさせてはくれないだろうしな。
定期的に、こちらの動きは報告する。
そしてお前は俺たちに、ロックウェル王国の動きを探って知らせてほしいんだ」
その眼は、決定事項であるかのように、強い意志が感じられた。
「ルナリア嬢!」
「ルイジアス殿下、お迎えは不要と申しましたのに……」
「そのつもりだったけれど、至急伝えなければならない出来事が起こったんだ」
ルイジアス殿下の真剣な表情に、不安な気持ちになる。
「どうされたのでしょう?」
私の問いに、ルイジアス殿下は苦悶の表情をする。
「ロックウェル王国で起こっている色んな災害の原因が、ルナリア嬢の呪いという事にされた。それにより、国に残っている母君や弟君達は捕縛され、公爵家はマーク王子に取り押さえられている」
それを聞いて、何を言っているのか一瞬分からなかった。
呆然としてしまい、頭が働かない。
「え~っと、何故、その災害の数々がわたくしのせい? 呪い? になっているのでしょう?
それに何故、お母様や弟たちが捕縛されなくてはならないのです?」
何の話か、全く分からない。
どういう事?
お母様たちは、どうなっているの?
殿下の言葉が理解出来ず、身動きが取れない。
「ルナリア嬢、よく聞いてほしい。
ロックウェル王国は、君が魔物の森で死んだと思っている。だから、呪いをでっち上げて、国民の怒りを王家から、公爵家に向けさせるように仕組んだんだと思う」
は?
国外追放したのに、また私に冤罪を擦り付けるの?
しかも、私の家族を巻き込んで?
そう思うと、マーク王子のあの断罪してきた時の憎々しげな顔を思い出す。
国外追放で私の役目は終わったでしょう?
もう乙女ゲームは終わったはずなのに、まだ私を苦しめ足りないの?
もう、ゲームは終了している。
なら、強制力も働かないはず。
お母様たちを助けなきゃ!
そう思った私は、ルイジアス殿下に申し出る。
「ルイジアス殿下。わたくしは今すぐロックウェル王国に向かいます。お父様たちと合流して、お母様や弟たちを助け出したいのです」
「シュナイダー殿達は既に、ロックウェル王国に入っている頃だ。帝国の諜報員より、シュナイダー殿には、すでにこの件は知らせてある。
母君たちが、今どのような状態で捕まっているか調べないと、迂闊に手は出せないようだ。まずは私と共に皇城に戻り、知らせを待とう」
ルイジアス殿下がそういうが、知らせをじっと待ってるなんか到底無理だ。
出来るだけ一刻も早くお母様や弟達を助け出したい。あの王族たちのやる事だ。どんな難癖をつけてお母様たちを虐げるか、分かったものじゃない。
ロックウェル王国へは魔物の森を迂回して行くので到着するのに、日数が要するが、魔物の森の中を通れば、時間は短縮出来る。
そう考えた私は、「やっぱり行きます」と、また森の中に戻ろうと身を翻した。
「あっ! 待ってくれ! どうしても行くなら、私も行く! 森の中を通る許可を精霊王様に取ってほしい!」
そう叫んだルイジアス殿下に、共に付いてきていたデューカスら、護衛騎士たちはびっくりする。
「殿下! いけません! 時期尚早だと陛下にも言われていたではありませんか! それに魔物の森に入るなど、到底見過ごせません!」
と、デューカスが叫ぶ。
私もその意見に頷いた。
「そうですよ。殿下は皇城で知らせを待っていて下さいませ。
これはシュナイダー家の問題。殿下の手を煩わすわけには……」
そう言った私にルイジアス殿下は
「君たちは、もうこの国の人間だろう?
なら、この国の皇太子として、国の者を守る義務がある!
それに、か弱い女性を1人で行かせるなんて、出来るわけないだろう」
と、当然のように言った。
困ったわね。どうしても引いてくれそうにない。
でも、少し心細かった私の心に殿下の言葉が響く。
祖国に敵対視され、家族まで追い込まれている状態で、味方であり続けようとしてくれるルイジアス殿下の存在は、とても大きく、私の心を励ましてくれていた。
「分かりました。精霊王様にお願いしてみます。
でも、陛下の許可が取れていないのでしょう? 大丈夫なのですか?」
私が尋ねると、
「絶対に君たち家族を助け出して、この国にみんなで戻ってくるから、大丈夫だ!」
と、根拠が無いのに、自信満々に言っているルイジアス殿下に、思わず笑ってしまう。
ルイジアス殿下は、デューカスにハッキリと伝える。
「デューカス、魔物の森を抜けていくから、お前達は来なくていい。
どうせ精霊王様は、大勢の人間を出入りさせてはくれないだろうしな。
定期的に、こちらの動きは報告する。
そしてお前は俺たちに、ロックウェル王国の動きを探って知らせてほしいんだ」
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