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半日かかって、ようやく森を抜けたところに、こちらを呼ぶ声がした。
「ルイジアス殿下!」
皇城より、急いで魔物の森に向かって出立したデューカス率いる大勢の騎士団が、今にも魔物の森に入ろうとしていたのだ。
「ご無事でしたか! いきなり消えたから、どんなに心配したか! お身体は異常ありませんか!?」
「そう、矢継ぎ早に言い立てるな、デューカス。私は大丈夫だ。」
ルイジアス殿下が笑顔で答える。
その言葉にデューカスはホッとした後、ルイジアスと共に魔物の森から出てきた、ルナリア始めシュナイダー公爵率いる騎士たちを見て、目を丸くする。
「シュナイダー公爵? 王国から魔物の森を抜けてこちらに来られたのですか?」
その言葉に、シュナイダー公爵は頷き、
「この度は、ルナリアの事でご尽力頂き感謝申し上げる。ここまで来るのに想像以上の苦労があってね。
申し訳ないが、うちの騎士たちを休ませてはもらえないだろうか」
と、申し出た。
その言葉にルイジアス殿下は、
「もちろんです。一旦近くの宿で休んで頂き、体調を整えながら帝都に来て頂いても宜しいだろうか?」
と、提案した。
「はい、それでお願いします」
公爵は最敬礼し、感謝の意を表した。
それから近くの村の宿で数日宿泊し、その後帝都へと向かう。
途中、私はポルカさんの店に寄り、軽く説明して、急に飛び出してしまい迷惑をかけたことを謝罪した。
改めて、お礼に伺う事を伝え、また父達と合流する。
疲れきっているシュナイダー公爵たちに配慮し、ゆっくりとしたスケジュールを組みながら帝都に到着した。
皇城に入り、特例として、帝国の皇帝陛下にすぐに謁見することになった。
謁見の間では、すでに皇帝陛下が玉座につかれている。
「シュナイダー公爵。ロックウェル王国より、よくぞ参った。道中、大変であったことだろう。これまでの経緯は皇太子より報告を受けているぞ」
「皇帝陛下にご挨拶申し上げます。
過分なご配慮を頂き、恐悦至極にございます」
シュナイダー公爵が丁重な礼をする。
その後、陛下は私の方を見てから話を続ける。
「して、そちらに控えている娘が、シュナイダー公爵の娘か? 何やらロックウェル王国から国外追放されたと聞いておるが」
「私の娘、ルナリアにございます。
ルナリアはありもしない冤罪により、不当な処罰を言い渡され、国外追放を余儀なくされた次第でございます。」
そして、陛下の許可にてカーテシーを以て挨拶をする。
「ルドルフ・シュナイダーが娘、ルナリアにございます。ご尊顔を拝し、恐悦至極に存じます。
この度は、ルイジアス皇太子殿下にご尽力を賜り、無事に父を森から救い出せた事、心より感謝申し上げます。」
「うむ。皇太子からも詳細は聞いている。
しかし追放された場所が魔物の森と聞いていたが、よくぞ1人でこちらに辿り着いたものだ。今回の事といい、何があったのかとても興味深い」
陛下は、魔物の森の情報を手に入れたいようだ。それはそうだろう。今まであの森に入って、帰還したものなどいないのに、今回、こんなに大勢の人達があの森を抜けて来たのだ。
魔物がいるというのは、ただの噂に過ぎなかったのではないかとさえ思えてくる。
「私も信じ難い事でしたが、私自身が魔物の森で、不可思議な体験をしました。
娘のことも、その不思議なものが関係してあるのだと思います」
と、公爵はそう答えた。
「ふむ。その不可思議なものが何であるのか。ルナリア嬢、それが何か説明できるか?」
そう陛下は私に問いかけてきた。
私は、精霊に助けられてこの国に辿り着いたこと、魔物の森と呼ばれているあの森は、精霊王様の森であり、古来より人間は侵入不可侵領域と定めていた事、今回助かったのは、精霊王様の配慮であり、本来ならあの森から出るのは不可能であった事などを説明した。
「精霊とは、本当に存在するのだろうか?
そなたは見えるのか?」
との陛下の問いに
「はい。今もわたくしの傍についてくれております」
と、答えた。
その時、ルイジアス殿下も意を決したように話す。
「陛下、私も幼き頃より時々光るものが見えていました。それが何だったのかは分かりませんでしたが、ルナリア嬢に初めて出会った時から、ルナリア嬢の周りに多数の光が見えていた。
今思えば、その光が精霊だっだのだと思います。
実際、森の中でも多数の光が見えており、そして精霊王様は、眩しすぎて見えなかったのですが、声は聴こえていました。
精霊王様は言っていました。ルナリア嬢が精霊王様の愛し子であると」
その言葉に周りはビックリしていたが、殊更、私もビックリしていた。
出会った頃から私の周りの光が見えていたなんて、全然知らなかった。
だから、ルイジアス殿下は変装している私の事をすぐに気づいたのね……。
「ああ、お前が幼き頃に言っていた事か。本当だったとは……。
だから、お前はルナリア嬢に執拗に執着して、今も忘れ……」
「陛下! その話は!」
陛下の言葉をルイジアスが慌てて遮る。
そして、話を戻すように言葉を続ける。
「ゴホッ で、ですから、ルナリア嬢が精霊王様の愛し子であった為、この度は特例であの森を抜け出す事が出来たのです。
あの森は、古来より精霊王様が統べる聖域。他の者が入れば、森の怒りを買って、出られなくなる。
今回、シュナイダー公爵の一行は、あの森の木々の枝や蔓に身体を巻き付かれた状態でした。そのような状態で助かったのは、ルナリア嬢がひとえに愛し子であったがためです」
ルイジアス殿下の説明を聞いて、陛下は深く頷いた。
「やはり、これまで通り、あの森には手を出してはいけないという事を周知しておかねばならないな。」
陛下のその言葉に、その場に居た全員が頷く。
「ルナリア嬢、精霊王様の愛し子とは、どのようなものであるのか?」
陛下の問いに、
「わたくしも、詳しくは分かりません。
精霊王様は、仰いました。父たちが落ち着いた頃に、もう一度森に来るようにと。
そして、ゆっくり話がしたいと。なので、その時に色々教えて頂けるのではないかと考えております」
と、答えた。
その日の謁見は一旦終了となり、今後の事は落ち着いてからゆっくりと相談していくこととなった。
皇城にて暫く身体を休めるようにと言われたが、私は現在は平民である為、恐れ多いと辞退しようとした。
しかし結局、陛下のご配慮にて皇城で客間を賜り、父たちと共に留まる事を許された。
「ルイジアス殿下!」
皇城より、急いで魔物の森に向かって出立したデューカス率いる大勢の騎士団が、今にも魔物の森に入ろうとしていたのだ。
「ご無事でしたか! いきなり消えたから、どんなに心配したか! お身体は異常ありませんか!?」
「そう、矢継ぎ早に言い立てるな、デューカス。私は大丈夫だ。」
ルイジアス殿下が笑顔で答える。
その言葉にデューカスはホッとした後、ルイジアスと共に魔物の森から出てきた、ルナリア始めシュナイダー公爵率いる騎士たちを見て、目を丸くする。
「シュナイダー公爵? 王国から魔物の森を抜けてこちらに来られたのですか?」
その言葉に、シュナイダー公爵は頷き、
「この度は、ルナリアの事でご尽力頂き感謝申し上げる。ここまで来るのに想像以上の苦労があってね。
申し訳ないが、うちの騎士たちを休ませてはもらえないだろうか」
と、申し出た。
その言葉にルイジアス殿下は、
「もちろんです。一旦近くの宿で休んで頂き、体調を整えながら帝都に来て頂いても宜しいだろうか?」
と、提案した。
「はい、それでお願いします」
公爵は最敬礼し、感謝の意を表した。
それから近くの村の宿で数日宿泊し、その後帝都へと向かう。
途中、私はポルカさんの店に寄り、軽く説明して、急に飛び出してしまい迷惑をかけたことを謝罪した。
改めて、お礼に伺う事を伝え、また父達と合流する。
疲れきっているシュナイダー公爵たちに配慮し、ゆっくりとしたスケジュールを組みながら帝都に到着した。
皇城に入り、特例として、帝国の皇帝陛下にすぐに謁見することになった。
謁見の間では、すでに皇帝陛下が玉座につかれている。
「シュナイダー公爵。ロックウェル王国より、よくぞ参った。道中、大変であったことだろう。これまでの経緯は皇太子より報告を受けているぞ」
「皇帝陛下にご挨拶申し上げます。
過分なご配慮を頂き、恐悦至極にございます」
シュナイダー公爵が丁重な礼をする。
その後、陛下は私の方を見てから話を続ける。
「して、そちらに控えている娘が、シュナイダー公爵の娘か? 何やらロックウェル王国から国外追放されたと聞いておるが」
「私の娘、ルナリアにございます。
ルナリアはありもしない冤罪により、不当な処罰を言い渡され、国外追放を余儀なくされた次第でございます。」
そして、陛下の許可にてカーテシーを以て挨拶をする。
「ルドルフ・シュナイダーが娘、ルナリアにございます。ご尊顔を拝し、恐悦至極に存じます。
この度は、ルイジアス皇太子殿下にご尽力を賜り、無事に父を森から救い出せた事、心より感謝申し上げます。」
「うむ。皇太子からも詳細は聞いている。
しかし追放された場所が魔物の森と聞いていたが、よくぞ1人でこちらに辿り着いたものだ。今回の事といい、何があったのかとても興味深い」
陛下は、魔物の森の情報を手に入れたいようだ。それはそうだろう。今まであの森に入って、帰還したものなどいないのに、今回、こんなに大勢の人達があの森を抜けて来たのだ。
魔物がいるというのは、ただの噂に過ぎなかったのではないかとさえ思えてくる。
「私も信じ難い事でしたが、私自身が魔物の森で、不可思議な体験をしました。
娘のことも、その不思議なものが関係してあるのだと思います」
と、公爵はそう答えた。
「ふむ。その不可思議なものが何であるのか。ルナリア嬢、それが何か説明できるか?」
そう陛下は私に問いかけてきた。
私は、精霊に助けられてこの国に辿り着いたこと、魔物の森と呼ばれているあの森は、精霊王様の森であり、古来より人間は侵入不可侵領域と定めていた事、今回助かったのは、精霊王様の配慮であり、本来ならあの森から出るのは不可能であった事などを説明した。
「精霊とは、本当に存在するのだろうか?
そなたは見えるのか?」
との陛下の問いに
「はい。今もわたくしの傍についてくれております」
と、答えた。
その時、ルイジアス殿下も意を決したように話す。
「陛下、私も幼き頃より時々光るものが見えていました。それが何だったのかは分かりませんでしたが、ルナリア嬢に初めて出会った時から、ルナリア嬢の周りに多数の光が見えていた。
今思えば、その光が精霊だっだのだと思います。
実際、森の中でも多数の光が見えており、そして精霊王様は、眩しすぎて見えなかったのですが、声は聴こえていました。
精霊王様は言っていました。ルナリア嬢が精霊王様の愛し子であると」
その言葉に周りはビックリしていたが、殊更、私もビックリしていた。
出会った頃から私の周りの光が見えていたなんて、全然知らなかった。
だから、ルイジアス殿下は変装している私の事をすぐに気づいたのね……。
「ああ、お前が幼き頃に言っていた事か。本当だったとは……。
だから、お前はルナリア嬢に執拗に執着して、今も忘れ……」
「陛下! その話は!」
陛下の言葉をルイジアスが慌てて遮る。
そして、話を戻すように言葉を続ける。
「ゴホッ で、ですから、ルナリア嬢が精霊王様の愛し子であった為、この度は特例であの森を抜け出す事が出来たのです。
あの森は、古来より精霊王様が統べる聖域。他の者が入れば、森の怒りを買って、出られなくなる。
今回、シュナイダー公爵の一行は、あの森の木々の枝や蔓に身体を巻き付かれた状態でした。そのような状態で助かったのは、ルナリア嬢がひとえに愛し子であったがためです」
ルイジアス殿下の説明を聞いて、陛下は深く頷いた。
「やはり、これまで通り、あの森には手を出してはいけないという事を周知しておかねばならないな。」
陛下のその言葉に、その場に居た全員が頷く。
「ルナリア嬢、精霊王様の愛し子とは、どのようなものであるのか?」
陛下の問いに、
「わたくしも、詳しくは分かりません。
精霊王様は、仰いました。父たちが落ち着いた頃に、もう一度森に来るようにと。
そして、ゆっくり話がしたいと。なので、その時に色々教えて頂けるのではないかと考えております」
と、答えた。
その日の謁見は一旦終了となり、今後の事は落ち着いてからゆっくりと相談していくこととなった。
皇城にて暫く身体を休めるようにと言われたが、私は現在は平民である為、恐れ多いと辞退しようとした。
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