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「この匂い袋、凄くいい香りだし、可愛いの!」
「私も、あの店で凄く可愛い花籠を買ったわ」
「部屋に飾ってると、何だか気持ちが落ち着いてくるのよね」
最近、カルステイン帝国の郊外にある、町の花屋の事がよく噂されている。
今まで見たことのない趣向の花籠や、1つの鉢に数種類もの草花が寄せ集められた鉢植えなど、それぞれがバランス良く作られている。
それを部屋や、玄関に飾っていると、気分が穏やかになり、心なしか元気にさえなってくると、最近評判になっているのだ。
また、店の中の一角に、ドライフラワーや、花リース、花の匂い袋などが置かれており、色んな趣向が凝らしてある。
最近では、花クッキーなども置いてあり、特に若い女性には大人気で、あっという間に売り切れになっていた。
「ルナちゃん、今日はもう上がっていいわよ。明日からの商品も作りたいんでしょう?
ルナちゃんの商品は人気で、あっという間に売り切れになっちゃうものね」
花屋の店主ポルカが、そう言った。
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて、お先に上がらせてもらいますね」
私がそういうと、「お疲れ様」と労いの言葉をかけてくれる。
私はそのまま、店の奥の離れにある、小さな小屋に戻った。
「あー、今日も疲れた。あなた達も、いつもありがとうね」
私の周りを、楽しそうに飛んでいる多くの精霊たちに声をかける。
『ルナ~。今日もいっぱい売れたね』
『花たちが喜んでたよ』
『また僕たち、協力するから何時でも言ってね~』
と、精霊たちは、嬉しそうだ。
「ありがとう。さぁ、明日からの商品でも作りますか!」
精霊たちに癒されながら、店に出す商品を作り始めた。
私、ルナリア・シュナイダーは、結論から言うと、無事にあの魔物の森を抜けて、隣国カルステイン帝国に着いた。
今、暮らしているのは、帝国の郊外にあるアーガスト領の中でも開けた町だが、最初に着いたのは、森を抜けた先にある、寂れた小さな村だった。
あの日、森の中に入った私は、怯えながらも進んで行き、何故か魔物に全く出くわすこと無く、森の中にある湖に辿り着いた。
喉が渇いていたので、湖の水を飲もうとして、手ですくおうとした時、
『それ、飲んじゃダメだよ』
『その水は、人間には毒だよ』
と、声が聞こえた。
びっくりして、慌てて周りを見渡すと、小さな光が無数に自分の周りを飛んでいる事に気付いた。
「え? なに? 何なの?」
私の問いに、無数の光が更に光を増し、そこから、羽根がついた、手のひらサイズの小さな生き物たちが現れた。
その姿は、人間に似ているものから、ブタや猿、うさぎなどの動物たち。
その全てに羽が付いていて、私の周りを飛んでいる。
『ようやく、僕たちが見えたんだね』
『やっと、話しが出来た~』
『ずっとそばに居たのに、全然気付いてくれないんだもん』
口々にその生き物たちが話す。
「あなた達は、だれ? 妖精さん?」
私の問いに、
『私たちは、精霊』
『あなたが生まれた時から、ずっとそばに居たんだよ~』
『ずっと話しかけてたのに、全然聞こえてないんだもん。寂しかったよ~』
それぞれの姿をした精霊達が答えてくれる。
───精霊
ロックウェル王国は、その昔、初代国王が精霊と共に作った国だと言われていた。
国中に精霊がおり、豊かな緑や、たくさんの作物がなり、潤沢な自然の恵みが常に国を潤してくれている。
国に住む人達もみんな、精霊と仲良く暮らしながら、精霊たちを大切に扱っていたらしい。
しかし、時が流れると共に、人々は精霊たちの姿が見えなくなるようになり、その存在は、今ではおとぎ話となってしまっていた。
ていうか、こんな設定あるのに、きゅんラブの乙女ゲームでは全くと言っていい程、精霊の存在は出て来てなかったな……。
なんで?
普通、国の建国当初にこんな設定したら、乙女ゲームでは絶対出てくるはずなんだけど。
もしかして、私が知らないだけで、このゲームの続編が出ていたとか!?
やだ! 私はもう追放された身だから続編は関係ないよね!?
「なぜ私のそばに、ずっと居てくれていたの?」
恐る恐る聞いた私に、嬉しそうに精霊たちが舞う。
『見守るようにって、言われたんだ~』
『そうだよ。いつもルナリアを見ていたよ』
『これからも、ずっとそばに居るよ~』
『これからは、いっぱい話そうね~』
精霊たちはそう言うと、目の前に大きな葉っぱを出して、その上に綺麗な水を出してくれた。
『喉が渇いてるんでしょ? この水、美味しいよ』
『あとで、木の実がいっぱいある所に案内してあげる~』
『隣国まで行くんでしょう? 私たちも一緒に行くわ』
誰に見守るように言われたかは教えてくれず、そのまま精霊たちに案内され、守られながら魔物に出くわすことも無く、3日後には森を抜けて隣国に着くことが出来た。
隣国の外れの村に着くも、今の自分は汚れたドレスを纏った、怪しい女。
何人か人は通るが、離れた所から遠巻きに見られていると感じ、ルナリアは羞恥心と疲れで、顔を真っ赤にして、道の真ん中で立ち止まってしまった。
そこに1頭引きの馬車を自分で走らせている、30代くらいの女性が声を掛けてくれた。
「お嬢さん? どうしたの? 綺麗なドレスが汚れてしまっているわ。大丈夫?」
その女性の横には、4~5歳くらいの小さな女の子も座っていて、
「お姫様みたい! お姉ちゃん、なんかキラキラしてる!」
と、叫んだ。
その女性の娘なのだろう。その女性は、
「アンナ? お姉さん、汚れてしまってるのよ?」
と、困惑しているが、女の子は「だって、キラキラしてるもん!」と、譲らない。
優しく声をかけられ、可愛らしい母娘の会話を聞いて、思わず母を思い出し泣いてしまったルナリアを、
「1人なの? まぁ、お顔もこんなに汚れてしまって。行く宛てがないの? とりあえず一緒に来る?」
と、びっくりしながらも誘ってくれた。
ルナリアは頷き、その女性と女の子が乗る馬車に、一緒に乗せてもらうこととなった。
その女性は、もう少し先にある、アーガスト領の開けた町で、花屋を営んでいるという。
今日は、花の苗を仕入れに、娘と共に、この村の花農家まで来ていたそうだ。
「私はポルカって言うの。この子はアンナ。お嬢さん、お名前は?」
そう聞かれて、本名はもう名乗れないと思った私は、
「……ルナです」
と、答えた。
「ルナちゃんね。うちは親子3人で暮らしているの。花屋は私が営んでいて、夫は大工をしてるわ。
今日はとりあえず、うちに泊まりなさいね。これからの事は、また相談しましょう」
「お姉ちゃんと一緒に帰るの? やったぁ!」
アンナちゃんが目を輝かせながら喜ぶ。
訳ありだと察せられたのだろうが、無理に聞き出すことも無く、自然体で話してくれる。
その優しさが嬉しくて、また泣きそうになりながら、その申し出を有り難く受け取った。
「私も、あの店で凄く可愛い花籠を買ったわ」
「部屋に飾ってると、何だか気持ちが落ち着いてくるのよね」
最近、カルステイン帝国の郊外にある、町の花屋の事がよく噂されている。
今まで見たことのない趣向の花籠や、1つの鉢に数種類もの草花が寄せ集められた鉢植えなど、それぞれがバランス良く作られている。
それを部屋や、玄関に飾っていると、気分が穏やかになり、心なしか元気にさえなってくると、最近評判になっているのだ。
また、店の中の一角に、ドライフラワーや、花リース、花の匂い袋などが置かれており、色んな趣向が凝らしてある。
最近では、花クッキーなども置いてあり、特に若い女性には大人気で、あっという間に売り切れになっていた。
「ルナちゃん、今日はもう上がっていいわよ。明日からの商品も作りたいんでしょう?
ルナちゃんの商品は人気で、あっという間に売り切れになっちゃうものね」
花屋の店主ポルカが、そう言った。
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて、お先に上がらせてもらいますね」
私がそういうと、「お疲れ様」と労いの言葉をかけてくれる。
私はそのまま、店の奥の離れにある、小さな小屋に戻った。
「あー、今日も疲れた。あなた達も、いつもありがとうね」
私の周りを、楽しそうに飛んでいる多くの精霊たちに声をかける。
『ルナ~。今日もいっぱい売れたね』
『花たちが喜んでたよ』
『また僕たち、協力するから何時でも言ってね~』
と、精霊たちは、嬉しそうだ。
「ありがとう。さぁ、明日からの商品でも作りますか!」
精霊たちに癒されながら、店に出す商品を作り始めた。
私、ルナリア・シュナイダーは、結論から言うと、無事にあの魔物の森を抜けて、隣国カルステイン帝国に着いた。
今、暮らしているのは、帝国の郊外にあるアーガスト領の中でも開けた町だが、最初に着いたのは、森を抜けた先にある、寂れた小さな村だった。
あの日、森の中に入った私は、怯えながらも進んで行き、何故か魔物に全く出くわすこと無く、森の中にある湖に辿り着いた。
喉が渇いていたので、湖の水を飲もうとして、手ですくおうとした時、
『それ、飲んじゃダメだよ』
『その水は、人間には毒だよ』
と、声が聞こえた。
びっくりして、慌てて周りを見渡すと、小さな光が無数に自分の周りを飛んでいる事に気付いた。
「え? なに? 何なの?」
私の問いに、無数の光が更に光を増し、そこから、羽根がついた、手のひらサイズの小さな生き物たちが現れた。
その姿は、人間に似ているものから、ブタや猿、うさぎなどの動物たち。
その全てに羽が付いていて、私の周りを飛んでいる。
『ようやく、僕たちが見えたんだね』
『やっと、話しが出来た~』
『ずっとそばに居たのに、全然気付いてくれないんだもん』
口々にその生き物たちが話す。
「あなた達は、だれ? 妖精さん?」
私の問いに、
『私たちは、精霊』
『あなたが生まれた時から、ずっとそばに居たんだよ~』
『ずっと話しかけてたのに、全然聞こえてないんだもん。寂しかったよ~』
それぞれの姿をした精霊達が答えてくれる。
───精霊
ロックウェル王国は、その昔、初代国王が精霊と共に作った国だと言われていた。
国中に精霊がおり、豊かな緑や、たくさんの作物がなり、潤沢な自然の恵みが常に国を潤してくれている。
国に住む人達もみんな、精霊と仲良く暮らしながら、精霊たちを大切に扱っていたらしい。
しかし、時が流れると共に、人々は精霊たちの姿が見えなくなるようになり、その存在は、今ではおとぎ話となってしまっていた。
ていうか、こんな設定あるのに、きゅんラブの乙女ゲームでは全くと言っていい程、精霊の存在は出て来てなかったな……。
なんで?
普通、国の建国当初にこんな設定したら、乙女ゲームでは絶対出てくるはずなんだけど。
もしかして、私が知らないだけで、このゲームの続編が出ていたとか!?
やだ! 私はもう追放された身だから続編は関係ないよね!?
「なぜ私のそばに、ずっと居てくれていたの?」
恐る恐る聞いた私に、嬉しそうに精霊たちが舞う。
『見守るようにって、言われたんだ~』
『そうだよ。いつもルナリアを見ていたよ』
『これからも、ずっとそばに居るよ~』
『これからは、いっぱい話そうね~』
精霊たちはそう言うと、目の前に大きな葉っぱを出して、その上に綺麗な水を出してくれた。
『喉が渇いてるんでしょ? この水、美味しいよ』
『あとで、木の実がいっぱいある所に案内してあげる~』
『隣国まで行くんでしょう? 私たちも一緒に行くわ』
誰に見守るように言われたかは教えてくれず、そのまま精霊たちに案内され、守られながら魔物に出くわすことも無く、3日後には森を抜けて隣国に着くことが出来た。
隣国の外れの村に着くも、今の自分は汚れたドレスを纏った、怪しい女。
何人か人は通るが、離れた所から遠巻きに見られていると感じ、ルナリアは羞恥心と疲れで、顔を真っ赤にして、道の真ん中で立ち止まってしまった。
そこに1頭引きの馬車を自分で走らせている、30代くらいの女性が声を掛けてくれた。
「お嬢さん? どうしたの? 綺麗なドレスが汚れてしまっているわ。大丈夫?」
その女性の横には、4~5歳くらいの小さな女の子も座っていて、
「お姫様みたい! お姉ちゃん、なんかキラキラしてる!」
と、叫んだ。
その女性の娘なのだろう。その女性は、
「アンナ? お姉さん、汚れてしまってるのよ?」
と、困惑しているが、女の子は「だって、キラキラしてるもん!」と、譲らない。
優しく声をかけられ、可愛らしい母娘の会話を聞いて、思わず母を思い出し泣いてしまったルナリアを、
「1人なの? まぁ、お顔もこんなに汚れてしまって。行く宛てがないの? とりあえず一緒に来る?」
と、びっくりしながらも誘ってくれた。
ルナリアは頷き、その女性と女の子が乗る馬車に、一緒に乗せてもらうこととなった。
その女性は、もう少し先にある、アーガスト領の開けた町で、花屋を営んでいるという。
今日は、花の苗を仕入れに、娘と共に、この村の花農家まで来ていたそうだ。
「私はポルカって言うの。この子はアンナ。お嬢さん、お名前は?」
そう聞かれて、本名はもう名乗れないと思った私は、
「……ルナです」
と、答えた。
「ルナちゃんね。うちは親子3人で暮らしているの。花屋は私が営んでいて、夫は大工をしてるわ。
今日はとりあえず、うちに泊まりなさいね。これからの事は、また相談しましょう」
「お姉ちゃんと一緒に帰るの? やったぁ!」
アンナちゃんが目を輝かせながら喜ぶ。
訳ありだと察せられたのだろうが、無理に聞き出すことも無く、自然体で話してくれる。
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