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「もちろん、わたくしの名誉もしっかりと回復する保証もして頂きたく。
それと、前回の件もありますし、何の調べもせず安易に人を拘束した事に対し、第二王子殿下及び、それに関わった方達の謝罪を要求致します。
この事を知った両親も、それで納得して頂けるでしょう」
2回に渡る王家の失態で、ラバンティ辺境伯の不信感を買う事になったのに加え、今回の件も加わったとなると。
本来なら王族に謝罪を求めるなど不敬であるが、ますます辺境伯からの忠信が薄らぐ事を危惧した陛下は、ミーシャの要求を飲む事にした。
「そのようにしよう。ダミアンや、側近の者にも謝罪させる。
しかしミーシャ嬢の辞退の申し出は、一旦保留とさせてもらいたい。
今の聖女殿はまだ、結界修復が苦手なようだ。だからいざという時は、協力してもらいたいのだ。
もちろん、二度とミーシャ嬢に迷惑をかけないことを約束しよう」
ミーシャは陛下の決断に了承した。
後日、第二王子ダミアン、ミゼル、オルガの3人より、陛下の前でミーシャは謝罪を受ける事となった。
3人は、顔面蒼白となっており、以前の威勢の良さは見る影もない。
(あらら。これは聖女が現れる前から、私が王家に協力してたって事を聞かされて、厳しく指導された感じね。
あら? オルガの顔には殴られた痕が……
きっと騎士団長であるお父上に殴られたのね)
ミーシャが3人の前に立つと、ビクッとした様子で頭を下げる。
「ラバンティ辺境伯令嬢。この度はこちらの思い違いで拘束してしまったこと、謝罪する。申し訳なかった」
「「申し訳ございませんでした」」
ダミアンの謝罪を筆頭に、ミゼル、オルガも続く。
ミーシャは毅然とした態度で、3人に向き合った。
「……謝罪を受け入れます。しかし、前回の事もありますし、今後は慎重に行動して頂けることを真に願っております。
それと……。ご存知のこととは思いますが、わたくしにも聖女様程ではありませんが、同じく結界魔法が使える事は他言無用でお願いしますね」
あえてそう言ったのは、この3人に釘を刺すため。リセラを神格化して、また暴走してもらっては困る。
にっこりと微笑みながら、そう言ったミーシャを見て、3人は更に青ざめながら何度も頷いた。
その場に立ち合わせたシオンは、そんな義弟達を若干気の毒に思いながらも、やった事は許せないので、苦笑するしかなかった。
それと、前回の件もありますし、何の調べもせず安易に人を拘束した事に対し、第二王子殿下及び、それに関わった方達の謝罪を要求致します。
この事を知った両親も、それで納得して頂けるでしょう」
2回に渡る王家の失態で、ラバンティ辺境伯の不信感を買う事になったのに加え、今回の件も加わったとなると。
本来なら王族に謝罪を求めるなど不敬であるが、ますます辺境伯からの忠信が薄らぐ事を危惧した陛下は、ミーシャの要求を飲む事にした。
「そのようにしよう。ダミアンや、側近の者にも謝罪させる。
しかしミーシャ嬢の辞退の申し出は、一旦保留とさせてもらいたい。
今の聖女殿はまだ、結界修復が苦手なようだ。だからいざという時は、協力してもらいたいのだ。
もちろん、二度とミーシャ嬢に迷惑をかけないことを約束しよう」
ミーシャは陛下の決断に了承した。
後日、第二王子ダミアン、ミゼル、オルガの3人より、陛下の前でミーシャは謝罪を受ける事となった。
3人は、顔面蒼白となっており、以前の威勢の良さは見る影もない。
(あらら。これは聖女が現れる前から、私が王家に協力してたって事を聞かされて、厳しく指導された感じね。
あら? オルガの顔には殴られた痕が……
きっと騎士団長であるお父上に殴られたのね)
ミーシャが3人の前に立つと、ビクッとした様子で頭を下げる。
「ラバンティ辺境伯令嬢。この度はこちらの思い違いで拘束してしまったこと、謝罪する。申し訳なかった」
「「申し訳ございませんでした」」
ダミアンの謝罪を筆頭に、ミゼル、オルガも続く。
ミーシャは毅然とした態度で、3人に向き合った。
「……謝罪を受け入れます。しかし、前回の事もありますし、今後は慎重に行動して頂けることを真に願っております。
それと……。ご存知のこととは思いますが、わたくしにも聖女様程ではありませんが、同じく結界魔法が使える事は他言無用でお願いしますね」
あえてそう言ったのは、この3人に釘を刺すため。リセラを神格化して、また暴走してもらっては困る。
にっこりと微笑みながら、そう言ったミーシャを見て、3人は更に青ざめながら何度も頷いた。
その場に立ち合わせたシオンは、そんな義弟達を若干気の毒に思いながらも、やった事は許せないので、苦笑するしかなかった。
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