【完結】モブなのに最強?

らんか

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 学園内では、演習でリセラや王子に危険を及ぼした犯人の計画犯はユーリ、実行犯はミーシャとして噂が広まっていた。
 魔物が都内に入り込んでいたことは、王都中の人々をパニックさせる恐れがあるため、箝口令が敷かれていたが、城下でも少しずつ噂が広まりつつあり、バレるのは時間の問題だろう。
 今まで遠巻きにされていたリセラであったが、直接狙われたリセラに同情が集まり、学園内はリセラに味方する者がほとんどとなった。
 一旦は捕縛されたユーリだが、すぐに釈放となったとはいえ、事件の真相が分かるまで自宅待機となり学園に通えておらず、ミーシャはいまだに釈放されていないのだ。
 誰もが犯人だと確信し、二人を蔑み誹謗中傷した。



 「くそっ! 噂が広まるのか早すぎる!」
 シオンは未だに手がかりが掴めていないことに焦り、何の証拠もないのにミーシャが悪く言われ、罪を着せられそうになっている現状に歯噛みした。
 
 辺境伯家にも何か掴めたか確認したが、今のところ有力な情報は集まっていないらしい。
 ただ、王国内には珍しい魔物を密かに捕まえて、飼っている収集家が何人かいるらしいことが分かった。
 裏取引も密かに行われているらしく、その中には稀に神獣の類のものもいるらしいとの情報だ。
 魔物の力、魔素を抑え込む特別製の檻に、同様の働きをする道具を魔物の身体に装着することで、ある程度の魔物を大人しくさせることが出来るそうだ。
 ただし、確実な安全性が確認されていないため、製造中止となっているはずなのだが、密かにまだ作られていたのだろう。
 もし、その中にマンティコアほどの魔物を捕獲し密かに飼っていたものがいたとしたら。
 魔素がかなり抑え込まれていたのなら、結界を潜り抜けるのも可能かも知れない。
 しかし、もしそのような者がいたとしても、あの時、あの場所にマンティコアを放つ必要性があるだろうか。 
 

 手詰まりとなったシオンは、とりあえずその情報だけでもミーシャに伝えようと、ミーシャの元へ訪れた。
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