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1.白い結婚
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「旦那様、お話があります」
そう言ったのは、3年前、ここグランブスト伯爵家に政略結婚で嫁いできたミラ・グランブスト。
くすんだ焦げ茶色の長い髪は、あまり手入れされること無く伸ばし放題。前髪は顔半分を覆い、前が見えているのかさえ分からない。全く色気を感じさせない幼児体型に、身なりを気にせず、いつもセンスのない黒っぽい服を着ていた。
グランブスト伯爵家が事業に失敗し、没落寸前にまで追い込まれたところに、婚約者がなかなか決まらない令嬢がいるという噂を聞き、その令嬢が資産家のルーファルト子爵家の娘であると分かったグランブスト伯爵が、息子のマイロと政略結婚をさせ、子爵家に援助を受けたのだ。
莫大な援助の末に、グランブスト伯爵家は持ち直し、今では没落寸前であったことすら覚えてないといった風に、贅沢な暮らしを満喫している。
始めこそ、丁重に扱われたミラだが、今では邪険に扱われ、居ないものとされていた。
夫となったマイロに至っては、始めからミラの容姿に不満があり、もともと男爵家の三女で、伯爵家にメイドとして働きに来ていたラナと深い関係を持っていた為、ミラには一切興味が無かった。
短い婚約期間を経て、結婚した初夜にて夫婦の寝室で待っていたミラに、
「お前を抱く気はない! 貰い手のないお前と結婚してやっただけでも有難いと思え!
この部屋は俺とラナで使うから、お前は別の部屋で寝ろ!」
と、ラナを連れてやって来たマイロに、追い出されてしまった。
ミラはその後、夫婦の部屋から大分離れた奥の部屋をあてがわれ、伯爵夫妻には、息子に言って聞かせるから、それまで我慢して欲しいと懇願された。
しかし、一向に改善される訳でもなく、いつの間にかお飾りの妻として、伯爵夫人が本来行なう執務を押し付けられ、伯爵令息夫人として表立った動きはしないように厳命される始末。
それどころか、夫のマイロが行なうはずの執務まで押し付けられ、食事と睡眠時間以外は、与えられた執務室で仕事と向き合うだけの毎日を送っていたのだ。
黙ってそれを行なってきたミラが、急にマイロに話しかけてきたので、一瞬マイロは誰だか分からなかったくらいだ。
「あ? 誰……あ! あぁ、ミラか。何だ! 俺は忙しいんだぞ! 話しかけるな!」
結婚したものの、すぐに夫婦の部屋から追い出し、その後ほぼ姿を見せる事がなかった、お飾りの妻ミラから久しぶりに話しかけられ、マイロは苛立ちを隠そうともせずにそう叫んだ。
「お忙しい……のですか?」
「そう言っているだろう!」
何故? とミラは思う。
マイロには、結婚してから少しづつ伯爵より次期当主としての重要な仕事が回されてきていたが、それもミラに回され、今では全部と言っていいほどの仕事量がミラの手元に回ってきているのだ。
他にマイロがする事などないはず……。
あぁ、そうか。公認の愛人を愛でるのに忙しいのかもしれない。
ミラは納得して、もともと伝えたい事を簡潔に伝える事にした。
「旦那様。結婚してから3年が経過し、白い結婚が成立致しましたので、離縁させて頂きます」
平然とそう伝えるミラに、マイロは一瞬何を言われたのか分からなかった。
しかし、すぐに気付き、鬼の形相となる。
「お前如きが俺に向かって生意気な! お前のような奴が生きていけるのは、ここに住まわせてやっているからだぞ! 有難いと思えばこそなのに、離縁だなんて思い上がりやがって!」
そう叫ぶマイロに、ミラは首を傾げる。
「旦那様、わたくしの事、嫌いですわよね? なのに、離縁したくないのですか?」
一切興味を持つ事なく、全く近寄っても来なかったというのに、何故嫌がるのか不思議に思う。
「白い結婚がお前の実家にバレたら、援助を受けた金の請求をされるだろうがっ!
そんな事もお前は分からないのかっ」
堂々とそんな事を言ってのけるマイロに呆れてしまうが、ようやく待ち望んだ白い結婚が成立する日。
お金を返したくないからと、今更汚されては堪らない。
「お金は返さなくても結構です。
一旦家を出たわたくしに対して、結婚後は干渉しないという約束でしたので」
ミラがそう言うと、あからさまにホッとした様子で勝ち誇るようにマイロが言ってきた。
「なんだ。お前、やっぱり実家でもお荷物だったんだな。なら、お前はもう要らない。とっとと出ていけ」
マイロはそう言うと、嬉しそうに傍にいたラナを抱き寄せる。
ラナも嬉しそうに、
「マイロ様~これで私達、一緒になれますよね」
とマイロに抱きついていた。
ミラはその様子を静かに見ながら挨拶をする。
「お世話になりました。では、失礼します」
ミラがそう言うと、マイロはチラッと一瞥し、ふんと鼻を鳴らした後、ラナと自室に戻って行く。
マイロに連れられながらラナは勝ち誇ったような顔でミラを見て、
「さようなら、元奥様♪」
と嬉しそうに言った。
ミラは、ホッと一息つき、最小限の荷物を入れた鞄を持って、早々に屋敷を出た。
あぁ……ようやく自由になれた。
この3年間、本当に長かった。
「さて、と」
屋敷を出て少し歩いた先を見ると、目立たないように隅に停めている馬車が目に入った。
「私よ」
馬車の扉をコンコンと叩いてそう言うと、すぐに扉か開く。
「お待ちしておりました。無事にあの家から出てこられたので、ホッとしましまわ!」
そう言って出迎えてくれたのは、実家の子爵家で幼い頃から私の世話をしてくれていた5歳年上のメイドのサニーだ。
「ありがとう。本当に長かったわ。でもこれでようやく、これからは自分のやりたい事が出来るんだもの! 今から胸が高鳴ってしまうわ!」
「本当にお疲れ様でございました。
さぁ、まずはご実家にお顔をお見せしないと。旦那様も奥様も、それは心配なさっておりましたのよ」
サニーの言葉に、ハッとする。
「そうね、お父様とお母様にはとてもご心配をおかけしたもの。婚姻後は数回の手紙のやり取りだけで、実家に一度も帰省させてもらえなかったし、伯爵家に呼ぶ事も出来なかったから、お会いするのは3年ぶりになるのだものね。
サニー、早く帰りましょう!」
私が元気にそう伝えると、サニーも嬉しそうに頷いた。
そう言ったのは、3年前、ここグランブスト伯爵家に政略結婚で嫁いできたミラ・グランブスト。
くすんだ焦げ茶色の長い髪は、あまり手入れされること無く伸ばし放題。前髪は顔半分を覆い、前が見えているのかさえ分からない。全く色気を感じさせない幼児体型に、身なりを気にせず、いつもセンスのない黒っぽい服を着ていた。
グランブスト伯爵家が事業に失敗し、没落寸前にまで追い込まれたところに、婚約者がなかなか決まらない令嬢がいるという噂を聞き、その令嬢が資産家のルーファルト子爵家の娘であると分かったグランブスト伯爵が、息子のマイロと政略結婚をさせ、子爵家に援助を受けたのだ。
莫大な援助の末に、グランブスト伯爵家は持ち直し、今では没落寸前であったことすら覚えてないといった風に、贅沢な暮らしを満喫している。
始めこそ、丁重に扱われたミラだが、今では邪険に扱われ、居ないものとされていた。
夫となったマイロに至っては、始めからミラの容姿に不満があり、もともと男爵家の三女で、伯爵家にメイドとして働きに来ていたラナと深い関係を持っていた為、ミラには一切興味が無かった。
短い婚約期間を経て、結婚した初夜にて夫婦の寝室で待っていたミラに、
「お前を抱く気はない! 貰い手のないお前と結婚してやっただけでも有難いと思え!
この部屋は俺とラナで使うから、お前は別の部屋で寝ろ!」
と、ラナを連れてやって来たマイロに、追い出されてしまった。
ミラはその後、夫婦の部屋から大分離れた奥の部屋をあてがわれ、伯爵夫妻には、息子に言って聞かせるから、それまで我慢して欲しいと懇願された。
しかし、一向に改善される訳でもなく、いつの間にかお飾りの妻として、伯爵夫人が本来行なう執務を押し付けられ、伯爵令息夫人として表立った動きはしないように厳命される始末。
それどころか、夫のマイロが行なうはずの執務まで押し付けられ、食事と睡眠時間以外は、与えられた執務室で仕事と向き合うだけの毎日を送っていたのだ。
黙ってそれを行なってきたミラが、急にマイロに話しかけてきたので、一瞬マイロは誰だか分からなかったくらいだ。
「あ? 誰……あ! あぁ、ミラか。何だ! 俺は忙しいんだぞ! 話しかけるな!」
結婚したものの、すぐに夫婦の部屋から追い出し、その後ほぼ姿を見せる事がなかった、お飾りの妻ミラから久しぶりに話しかけられ、マイロは苛立ちを隠そうともせずにそう叫んだ。
「お忙しい……のですか?」
「そう言っているだろう!」
何故? とミラは思う。
マイロには、結婚してから少しづつ伯爵より次期当主としての重要な仕事が回されてきていたが、それもミラに回され、今では全部と言っていいほどの仕事量がミラの手元に回ってきているのだ。
他にマイロがする事などないはず……。
あぁ、そうか。公認の愛人を愛でるのに忙しいのかもしれない。
ミラは納得して、もともと伝えたい事を簡潔に伝える事にした。
「旦那様。結婚してから3年が経過し、白い結婚が成立致しましたので、離縁させて頂きます」
平然とそう伝えるミラに、マイロは一瞬何を言われたのか分からなかった。
しかし、すぐに気付き、鬼の形相となる。
「お前如きが俺に向かって生意気な! お前のような奴が生きていけるのは、ここに住まわせてやっているからだぞ! 有難いと思えばこそなのに、離縁だなんて思い上がりやがって!」
そう叫ぶマイロに、ミラは首を傾げる。
「旦那様、わたくしの事、嫌いですわよね? なのに、離縁したくないのですか?」
一切興味を持つ事なく、全く近寄っても来なかったというのに、何故嫌がるのか不思議に思う。
「白い結婚がお前の実家にバレたら、援助を受けた金の請求をされるだろうがっ!
そんな事もお前は分からないのかっ」
堂々とそんな事を言ってのけるマイロに呆れてしまうが、ようやく待ち望んだ白い結婚が成立する日。
お金を返したくないからと、今更汚されては堪らない。
「お金は返さなくても結構です。
一旦家を出たわたくしに対して、結婚後は干渉しないという約束でしたので」
ミラがそう言うと、あからさまにホッとした様子で勝ち誇るようにマイロが言ってきた。
「なんだ。お前、やっぱり実家でもお荷物だったんだな。なら、お前はもう要らない。とっとと出ていけ」
マイロはそう言うと、嬉しそうに傍にいたラナを抱き寄せる。
ラナも嬉しそうに、
「マイロ様~これで私達、一緒になれますよね」
とマイロに抱きついていた。
ミラはその様子を静かに見ながら挨拶をする。
「お世話になりました。では、失礼します」
ミラがそう言うと、マイロはチラッと一瞥し、ふんと鼻を鳴らした後、ラナと自室に戻って行く。
マイロに連れられながらラナは勝ち誇ったような顔でミラを見て、
「さようなら、元奥様♪」
と嬉しそうに言った。
ミラは、ホッと一息つき、最小限の荷物を入れた鞄を持って、早々に屋敷を出た。
あぁ……ようやく自由になれた。
この3年間、本当に長かった。
「さて、と」
屋敷を出て少し歩いた先を見ると、目立たないように隅に停めている馬車が目に入った。
「私よ」
馬車の扉をコンコンと叩いてそう言うと、すぐに扉か開く。
「お待ちしておりました。無事にあの家から出てこられたので、ホッとしましまわ!」
そう言って出迎えてくれたのは、実家の子爵家で幼い頃から私の世話をしてくれていた5歳年上のメイドのサニーだ。
「ありがとう。本当に長かったわ。でもこれでようやく、これからは自分のやりたい事が出来るんだもの! 今から胸が高鳴ってしまうわ!」
「本当にお疲れ様でございました。
さぁ、まずはご実家にお顔をお見せしないと。旦那様も奥様も、それは心配なさっておりましたのよ」
サニーの言葉に、ハッとする。
「そうね、お父様とお母様にはとてもご心配をおかけしたもの。婚姻後は数回の手紙のやり取りだけで、実家に一度も帰省させてもらえなかったし、伯爵家に呼ぶ事も出来なかったから、お会いするのは3年ぶりになるのだものね。
サニー、早く帰りましょう!」
私が元気にそう伝えると、サニーも嬉しそうに頷いた。
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