【完結】硬派な殿下は婚約者が気になって仕方がない

 
 私は今、王宮の庭園で一人、お茶を頂いている。
 
 婚約者であるイアン・ギルティル第二王子殿下とお茶会をする予定となっているのだが……。
 
 
「また、いらっしゃらないのですね……」
 
 毎回すっぽかされて、一人でお茶を飲んでから帰るのが当たり前の状態になっていた。
 
 第二王子と婚約してからの3年間、相手にされない婚約者として、すっかり周知されていた。
  
 
 イアン殿下は、武芸に秀でており、頭脳明晰で、魔法技術も高い。そのうえ、眉目秀麗ときたもんだ。


 方や私はというと、なんの取り柄もない貧乏伯爵家の娘。


 こんな婚約、誰も納得しないでしょうね……。
 
 
 そんな事を考えながら歩いていたら、目の前に大きな柱がある事に気付いた時には、思い切り顔面からぶつかり、私はそのまま気絶し……
 
  
 意識を取り戻した私に、白衣をきた年配の外国人男性が話しかけてくる。
 
 
「ああ、気付かれましたか? ファクソン伯爵令嬢」 
 
 
 ファクソン伯爵令嬢?
 誰?
 私は日本人よね? 
 

 「あ、死んだんだった」

 
 前世で事故で死んだ記憶が、この頭の痛みと共に思い出すだなんて……。
 これが所謂、転生ってやつなのね。 
 
 ならば、もう振り向いてもくれない人なんていらない。

 私は第2の人生を謳歌するわ!


 そう決めた途端、今まで無視していた婚約者がいろいろと近づいてくるのは何故!?




 
24h.ポイント 170pt
100,965
小説 8,053 位 / 195,585件 恋愛 3,958 位 / 58,079件

あなたにおすすめの小説

死に戻りの元王妃なので婚約破棄して穏やかな生活を――って、なぜか帝国の第二王子に求愛されています!?

神崎 ルナ
恋愛
アレクシアはこの一国の王妃である。だが伴侶であるはずの王には執務を全て押し付けられ、王妃としてのパーティ参加もほとんど側妃のオリビアに任されていた。 (私って一体何なの) 朝から食事を摂っていないアレクシアが厨房へ向かおうとした昼下がり、その日の内に起きた革命に巻き込まれ、『王政を傾けた怠け者の王妃』として処刑されてしまう。 そして―― 「ここにいたのか」 目の前には記憶より若い伴侶の姿。 (……もしかして巻き戻った?) 今度こそ間違えません!! 私は王妃にはなりませんからっ!! だが二度目の生では不可思議なことばかりが起きる。 学生時代に戻ったが、そこにはまだ会うはずのないオリビアが生徒として在籍していた。 そして居るはずのない人物がもう一人。 ……帝国の第二王子殿下? 彼とは外交で数回顔を会わせたくらいなのになぜか親し気に話しかけて来る。 一体何が起こっているの!?

嫌われていると思って彼を避けていたら、おもいっきり愛されていました

Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のアメリナは、幼馴染の侯爵令息、ルドルフが大好き。ルドルフと少しでも一緒にいたくて、日々奮闘中だ。ただ、以前から自分に冷たいルドルフの態度を気にしていた。 そんなある日、友人たちと話しているルドルフを見つけ、近づこうとしたアメリナだったが “俺はあんなうるさい女、大嫌いだ。あの女と婚約させられるくらいなら、一生独身の方がいい!” いつもクールなルドルフが、珍しく声を荒げていた。 うるさい女って、私の事よね。以前から私に冷たかったのは、ずっと嫌われていたからなの? いつもルドルフに付きまとっていたアメリナは、完全に自分が嫌われていると勘違いし、彼を諦める事を決意する。 一方ルドルフは、今までいつも自分の傍にいたアメリナが急に冷たくなったことで、完全に動揺していた。実はルドルフは、誰よりもアメリナを愛していたのだ。アメリナに冷たく当たっていたのも、アメリナのある言葉を信じたため。 お互い思い合っているのにすれ違う2人。 さらなる勘違いから、焦りと不安を募らせていくルドルフは、次第に心が病んでいき… ※すれ違いからのハッピーエンドを目指していたのですが、なぜかヒーローが病んでしまいました汗 こんな感じの作品ですが、どうぞよろしくお願いしますm(__)m

【完結】魅了が解けたので貴方に興味はございません。

恋愛
「こんなに、こんなにこんなに愛してるのに……!!」 公爵令嬢のサラは婚約者である王太子を盲目的に愛していた。どんなに酷くされても嫌いになれない、そんな感情で狂いそうになりながらも王太子への愛だけを信じ続けてきた。 あるパーティーの夜、大勢の前で辱しめを受けたサラの元に一人の青年が声をかける。どうやらサラは長年、ある人物に魅了と呼ばれる魔術をかけられていた。魔術が解けると…… 「……あれ?何で私、あんなクズのこと愛してたのかしら」 目が覚めた公爵令嬢の反撃が始まる。 ※未完作品のリメイク版。一部内容や表現を修正しております。執筆完了済み。

冷酷王子は偽聖女でも崇めていればよいのです

ネコ
恋愛
名ばかりの“聖女候補”として妃教育を受けてきたエメリー。しかし、王子は新しく現れた“奇跡を起こすヒロイン”に傾倒し、エメリーをまるで道具扱い。さらに「お前の役目は終わりだ」と告げられ、彼女は領地での活動すら封じられそうになる。怒りを堪え、最後に王宮を去る決意をしたエメリーだったが、王子の周囲には不穏な影が差し始める。

私だけを愛してくれたなら、それだけで。

iBuKi
恋愛
大層美しく聡明でありながら、女だというだけで継承権はない王女。 王女の使い道等、国の政略の駒として嫁ぐ事だけ。 幼い頃からたくさんの婚約者候補がいる王女。 政略結婚だとしても、候補の中の誰かと思いを通わせて結ばれたいと思った王女。 候補たちとしっかり向き合って接するうちに、その中のひとりに好意を抱いた。 分かり易い好意を示した途端、婚約者候補から相手が外される。 それを何度か繰り返したある日。 王女はとある条件の者でないと婚約は絶対にしたくないと話す。 そして王女の婚約者として選ばれたのは―――― ひょろひょろと背だけは高く、折れそうな程に細い身体と手足、視力が悪い為分厚すぎるメガネをかけ、不健康そうに青白い顔色をしたルカリオン・コルベール公爵令息だった。 果たして公爵令息は王女の願いを叶えることが出来るのか。

待ち合わせの時間になっても婚約者は迎えに来ませんでした。平民女性と駆け落ちしたですって!?

田太 優
恋愛
待ち合わせの時間になっても婚約者は迎えに来なかった。 そして知らされた衝撃の事実。 婚約者は駆け落ちしたのだ。 最初から意中の相手がいたから私は大切にされなかったのだろう。 その理由が判明して納得できた。 駆け落ちされたのだから婚約破棄して慰謝料を請求しないと。

私は側妃なんかにはなりません!どうか王女様とお幸せに

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のキャリーヌは、婚約者で王太子のジェイデンから、婚約を解消して欲しいと告げられた。聞けば視察で来ていたディステル王国の王女、ラミアを好きになり、彼女と結婚したいとの事。 ラミアは非常に美しく、お色気むんむんの女性。ジェイデンが彼女の美しさの虜になっている事を薄々気が付いていたキャリーヌは、素直に婚約解消に応じた。 しかし、ジェイデンの要求はそれだけでは終わらなかったのだ。なんとキャリーヌに、自分の側妃になれと言い出したのだ。そもそも側妃は非常に問題のある制度だったことから、随分昔に廃止されていた。 もちろん、キャリーヌは側妃を拒否したのだが… そんなキャリーヌをジェイデンは権力を使い、地下牢に閉じ込めてしまう。薄暗い地下牢で、食べ物すら与えられないキャリーヌ。 “側妃になるくらいなら、この場で息絶えた方がマシだ” 死を覚悟したキャリーヌだったが、なぜか地下牢から出され、そのまま家族が見守る中馬車に乗せられた。 向かった先は、実の姉の嫁ぎ先、大国カリアン王国だった。 深い傷を負ったキャリーヌを、カリアン王国で待っていたのは… ※恋愛要素よりも、友情要素が強く出てしまった作品です。 他サイトでも同時投稿しています。 どうぞよろしくお願いしますm(__)m

何年も相手にしてくれなかったのに…今更迫られても困ります

Karamimi
恋愛
侯爵令嬢のアンジュは、子供の頃から大好きだった幼馴染のデイビッドに5度目の婚約を申し込むものの、断られてしまう。さすがに5度目という事もあり、父親からも諦める様言われてしまった。 自分でも分かっている、もう潮時なのだと。そんな中父親から、留学の話を持ち掛けられた。環境を変えれば、気持ちも落ち着くのではないかと。 彼のいない場所に行けば、彼を忘れられるかもしれない。でも、王都から出た事のない自分が、誰も知らない異国でうまくやっていけるのか…そんな不安から、返事をする事が出来なかった。 そんな中、侯爵令嬢のラミネスから、自分とデイビッドは愛し合っている。彼が騎士団長になる事が決まった暁には、自分と婚約をする事が決まっていると聞かされたのだ。 大きなショックを受けたアンジュは、ついに留学をする事を決意。専属メイドのカリアを連れ、1人留学の先のミラージュ王国に向かったのだが…