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喫茶店
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「やめてくださいっ!」
まだ傷ひとつない綺麗なプレートが罅割れる音が店内に鳴り響いた。——————
「咲~、今日はどこに行ってくるの?」
「今日はいつもの所。」
女子高校生らしく、派手さはさらさらない会話が田んぼの隅から聞こえてくる。
「へ~、そんなとこ行って楽しいん?」
「まあ。楽しいと言うか、美味しい。」
私、浅野咲、この人、白石繭。
いつも私に構ってくれる、優しい印象の人物。
会話をすれば人を見下されてるようで不快、などの悪口が多く、繭しか構ってくれない唯一の友達。
「美味しい?なにがなにが??」
キラキラと輝いた目は純粋だった。
「プリン…とか。」
へぇ~、ケーキじゃないのかぁ、などと少しがっかりさせたがそんなつもりはない、私はプリンが好きだから。
「私も一緒に行っちゃダメ?」
「別にいいけどさ、私ずっと本読んでるよ?」
話さないよ、などの意味を込めた言葉は繭には届いてなかったのか、
「おけー!」
と返ってきた。
私は少し繭の方を見て、
「わかった。」
————————
今は春真っ只中。
高校2年になったばっかだが、繭とは中学から奇跡的に同じクラスだった。
私の友達の少なさに先生が仕組んでくれたのか。
そこはわからない。
今この時期、繭と2人きりで帰る道。
少しそよかぜが吹いた、身を預けるかのように雑草が揺さぶられている。
この音がまた心地良い。
自然を優雅してる間に都内に出た。
この騒がしさ、少し息がつまる。
私は昔から騒音が苦手で今まで出来るだけ避けてきたが、これを巡るようになってからは我慢をし続けている。
そう思っているうちに目的地に着いた。
『マーリンζ』と書かれている。
私はここに7日に4回は行く程の所謂、常連というやつだ。
「着いたね~!マーリン…なんて読むの?」
「ゼータ。」
頭にハテナを浮かべたまま頷いていた。
どっちなんだ。
ーカランカラン
ドア・チャイムが店内の中を一周させて私と繭の耳の中で小さく響いた。
「雰囲気めっちゃいい!いつもこんな所でー、ずるいぞーー!」
何故か拗ねてる繭を見て
「知らなかったのが悪い。」
むぅ~、と顔を膨らませてこちらを見てる。
それを無視し店内を見渡した、今日は知らない男性が居た。よくある事なのであまり気にかけなかった。すると店員が出てき、いらっしゃいませ、とどこかしらの店へ入れば必ず聞くセリフが聞こえ。
「何名様でしょうか?」
人差し指と中指をたて、ピースサインを出した。すると、私たちを席へと誘導し、それに操られるままに動いた。あの男性の3つ離れた席だった。
私はメニューを全て覚えているが繭は初めて、メニュー表とにらめっこをして丁度3分ほどか。前から、よしっ!と聞こえた。
「決まった?」
ばっちり!とでも言おうか、そのやる気に満ちは顔は。
店員を呼び私はいつも通りに、
・アイスティー
・プリン
を頼んだ。
繭は
・コーヒー
・チーズケーキ
を頼んだ。
繭はあっ、と注文を変更するかと思いきや
「あと、砂糖とミルクましましで!!」
ふんっ、とドヤ顔でこちらをまた見られた。
ここのコーヒーはさほど苦くないが、初めての人にはわからないから仕方がない。
まあ「いつも通りだな。」と、気を緩め本を手にし読もうとする。繭が付け加えられただけのいつも通りの日常。—————喫茶店
まだ傷ひとつない綺麗なプレートが罅割れる音が店内に鳴り響いた。——————
「咲~、今日はどこに行ってくるの?」
「今日はいつもの所。」
女子高校生らしく、派手さはさらさらない会話が田んぼの隅から聞こえてくる。
「へ~、そんなとこ行って楽しいん?」
「まあ。楽しいと言うか、美味しい。」
私、浅野咲、この人、白石繭。
いつも私に構ってくれる、優しい印象の人物。
会話をすれば人を見下されてるようで不快、などの悪口が多く、繭しか構ってくれない唯一の友達。
「美味しい?なにがなにが??」
キラキラと輝いた目は純粋だった。
「プリン…とか。」
へぇ~、ケーキじゃないのかぁ、などと少しがっかりさせたがそんなつもりはない、私はプリンが好きだから。
「私も一緒に行っちゃダメ?」
「別にいいけどさ、私ずっと本読んでるよ?」
話さないよ、などの意味を込めた言葉は繭には届いてなかったのか、
「おけー!」
と返ってきた。
私は少し繭の方を見て、
「わかった。」
————————
今は春真っ只中。
高校2年になったばっかだが、繭とは中学から奇跡的に同じクラスだった。
私の友達の少なさに先生が仕組んでくれたのか。
そこはわからない。
今この時期、繭と2人きりで帰る道。
少しそよかぜが吹いた、身を預けるかのように雑草が揺さぶられている。
この音がまた心地良い。
自然を優雅してる間に都内に出た。
この騒がしさ、少し息がつまる。
私は昔から騒音が苦手で今まで出来るだけ避けてきたが、これを巡るようになってからは我慢をし続けている。
そう思っているうちに目的地に着いた。
『マーリンζ』と書かれている。
私はここに7日に4回は行く程の所謂、常連というやつだ。
「着いたね~!マーリン…なんて読むの?」
「ゼータ。」
頭にハテナを浮かべたまま頷いていた。
どっちなんだ。
ーカランカラン
ドア・チャイムが店内の中を一周させて私と繭の耳の中で小さく響いた。
「雰囲気めっちゃいい!いつもこんな所でー、ずるいぞーー!」
何故か拗ねてる繭を見て
「知らなかったのが悪い。」
むぅ~、と顔を膨らませてこちらを見てる。
それを無視し店内を見渡した、今日は知らない男性が居た。よくある事なのであまり気にかけなかった。すると店員が出てき、いらっしゃいませ、とどこかしらの店へ入れば必ず聞くセリフが聞こえ。
「何名様でしょうか?」
人差し指と中指をたて、ピースサインを出した。すると、私たちを席へと誘導し、それに操られるままに動いた。あの男性の3つ離れた席だった。
私はメニューを全て覚えているが繭は初めて、メニュー表とにらめっこをして丁度3分ほどか。前から、よしっ!と聞こえた。
「決まった?」
ばっちり!とでも言おうか、そのやる気に満ちは顔は。
店員を呼び私はいつも通りに、
・アイスティー
・プリン
を頼んだ。
繭は
・コーヒー
・チーズケーキ
を頼んだ。
繭はあっ、と注文を変更するかと思いきや
「あと、砂糖とミルクましましで!!」
ふんっ、とドヤ顔でこちらをまた見られた。
ここのコーヒーはさほど苦くないが、初めての人にはわからないから仕方がない。
まあ「いつも通りだな。」と、気を緩め本を手にし読もうとする。繭が付け加えられただけのいつも通りの日常。—————喫茶店
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