超常はびこるこの世界をただの?身体強化で生きていく〜異能力、魔法、怪異、陰陽師、神魔、全て力で捩じ伏せる!〜

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第1章 何でも屋を営む少年

第16話 犯人を追え!

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 黄昏荘に訪れたミサはリビングに入り込んで来た。突然現れたミサを見た葵と青、緑は声が出ないほど驚いていた。

 「あら?これ私の名前じゃない。とゆうことは貴方達はファンってことかしら?」
 「は、はい!初めてあ、」
 「ごめんなさいね。今ちょっと忙しいから話が終わってから色々話してあげるわね?カケル部屋案内しなさい」
 「お前ちょっと待ってくれよ」
 「余裕がないのよ急いで」

 そう言ったミサは青達三人に向かってウインクをしながら、カケルとダイの二人の首根っこを引っ張って二階へと上がって行った。
 カケルの部屋へと入ったミサは床に座り真剣な眼差しで二人を見つめた。

 「今起きてることあんた達はどう思ってる?」
 「どう思ってるってお前、なんかおかしいだろ?皆んなあのプロデューサーの死に対して変に無頓着というか何というか兎に角なんか全部変だろ!?」
 「あ?それがどうしたんだよ?」

 カケルはダイが九条やあの三人と同じ様な状況に陥っていることにミサを振り返った。
 
 「そうよ。恐らくだけど今この状況をおかしいと正しく認知しているのはあんたと私の二人だけって事になるわ」
 「!?、てことはやっぱお前は無事なんだな!よかったぁぁぁ」
 「安心してる場合じゃないわよ。まずは何でこんな状況になってるのかを知る必要があるでしょうが!」
 「それならもうわかってんだろ?だからお前ここまできたんだろ」

 俺の一言にミサは表情を曇らせ、押し黙ってしまった。恐らくだがミサも俺と同じ考えなんだろう。だからこそ、俺のところに来たんだ。

 「はぁ…そうよ。私も貴方と同じ様に考えてるわ」
 「やっぱりか、今回の異常事態が始まったのはお前らのプロデューサーが亡くなったことから始まった。ってことは犯人はその身内、お前らの誰かが犯人ってことだ」
 「えぇそうよ。私もそう思ってるわ。しかもその犯人は私たちto swapの誰かだと思うのよ」

 ミサもどうやら今朝からの変化に気がついており、戸惑っていたらしい。何が起きているのか考えながら学校に忘れ物をとりに行く途中にダイと鉢合わせたらしくそのままこっちに来たらしい。

 「あんたなら正常だと思ってきたんだけど正解だったみたいね」
 「それで誰が怪しいとかは分かってんのか?」
 「今朝、あんたと会ってからも暫く一緒にいたんだけど特に何も怪しい言動をした子はいなかったわ。でもあの子達にはミックを殺す動機があるのよ」

 ミサはメンバー達それぞれの事について話してくれた。
 まず最初に話してくれたのはメンバー最年少でもあるアッキーこと小林秋だった。彼女は今でこそ天真爛漫な妹キャラとしてメンバーファン問わずに人気だが当初は引っ込み思案な性格だったらしいがミックはそれを許さなかったらしい。かなり無理をしていた様で暫くは泣く、吐く、鬱になるを繰り返していたらしい。それでも努力を重ね今に至ったという。
 二人目はミーたんこと安藤霞。ミサとは同年代らしいが彼女の方がアイドルとしては後輩だという。関西出身で大雑把な性格だという。実家が貧乏らしく援助をして貰っているらしいが、ミックはその援助を終わらせると共に彼女を脱退させようとしていたという。その事で一悶着あったらしい。
 三人目はメンバー最年長で赤坂奈津美ことナツミ様。メンバー最年長という事もあり、本来ならば彼女がリーダーを務めるはずだったと言う。それを突然連れてきたスズミンに変えられて以降、折り合いが悪かったらしい。
 そして四人目はリーダーである星咲鈴美ことスズミン。彼女は他のメンバーともミックとも上手くやれていたらしい。リーダーの件に関しても彼女の仲裁によってその場は治ったという。

 「なるほどな、つまりスズミン以外が怪しいと・・・ミサお前は?」
 「私?私は特に何も言われなかったわね。むしろ少し怖がられていて距離取られてたわ」
 「何したんだよお前・・・」

 そういいつつ一応俺はミサも容疑者として頭に入れておいた。まぁミサならどんな相手だろうがこんな回りくどい事せずに拳で殴り飛ばすからあんま意味ないけど。

 「社長とかはどうなんだ?」
 「あの日は本当に一日中私たちとマネージャーしかいなかったのよ。警察もそこは確信してたわ」
 
 だが警察は捜査を終了してしまった。確実に実行犯があるはずだったのだがそれを探しもしなかった。
 それは何故なのか豪華客船の様に上からの圧力か?、いやそれなら九条はそういうはずだ。だとしたら残るのは、、、

 「「超常」」

 俺とミサは同時にその答えを言った。超常、まだそれがnoiseなのか、魔法なのか何なのかは分からない。だが、今起きているこの状況はそれ以外考えられない事態だ。

 「恐らくだけど現実を歪める力ね。じゃないとこんな事あり得ないもの」
 「あぁ、そうだな・・・」
 「何よ?歯切れ悪いわね」
 「え?あ、悪りぃ悪りぃ、俺ならともかく何でミサも効かなかったのかなぁって思ってさ・・・」

 違う。
 俺は本当は全く別のことを考えていた。俺はこうしてミサと会話したいる中である違和感を感じていた。

 「ともかく、私達二人は今回の犯人にとって恐らく誤算だわ。なんせ能力が効いていないのだもの」
 「それは確かにそうだな。でもどうやって探す?」
 「そんなの簡単よ真っ向勝負でいくわ」
 「よし乗った」

 カケルとミサが二人で盛り上がっているのを端から見ていたダイは今までの話を聞いてその作戦で何故うまくいくと思っているのか疑問だったが、

 (面白いからいっか)

 と考え何も言わずに黙っていた。

 ーー
 to swap事務所

 「そうゆうわけでドーム公演が開催されるまでの間、この何でも屋に警護してもらう事になったから」
 「どーも何でも屋のカケルです」
 
 事務所にいたミサを除いたto swapの四人はきょとんとしていた。

 「え、えーとミーちゃん?確かに爆破事件が起きた事は怖いけど警護の人はもう十分いると思うんだけど・・・」
 「あんなん何人いても一緒よこの男にかかれば一瞬でたたまれるわよ」
 
 to swapの面々は一斉に俺の方を向き懐疑的な視線を送った。しかしその中の一人であり最年少のアッキーだけは違った。

 「ミサミサが言うのなら私は信頼するよ!そもそも何で警護の人が必要なのかとかはよく分かんないけどミサミサの言う事なら私は信じる!」
 「ありがとう秋ちゃん」
 「うん!!!」

 なるほどこれは強力だ。天真爛漫な妹キャラとしての笑顔なのか、純粋な笑顔なのかは分からないがこの笑顔に射止められた世の男性は多いだろう。俺だって一瞬だが揺らいじゃったもんね。

 「うちも構わへんで、ミサがお願いしたんやろ?なら信頼できる人っちゅうことや」
 「私も構わないわ。ミサちゃんには色々お世話になってるしね」
 「も、勿論私もだよ?」
 「じゃ、そうゆうわけで警護よろしくね?」

 ミサの作戦は至極簡単なものだった。犯人にとって俺たちは異分子だ。ならその異分子を排除するために動く、そこを狙って俺達でひっとらえる。
 上手くいくかは分からないが、確実に犯人は何かしらの動きを見せるはずまだ。

 「にしてもお前結構慕われてんだな」
 「何よ、急に」
 「いや別に?」

 レッスンの休憩中、怪しい行動をしていた人がいないのかを確認していた俺は今日のミサを見ていてふと思った。

 「だけどやっぱあの女は別格だな」
 「そうでしょスズミンは別格なのよ。私このメンバーの中で一番付き合い長いんだけど、昔からあの子ああなのよ。何をしても一番でねそれでも努力を惜しまない。私も彼女には頭が上がらなかったわ」
 「ミサミサ~!ここ合わせたいから来て~!」
 「はいよ~」

 ミサと入れ替わる様に今度はスズミンがこちら側に来た。
 そしてミサが座っていた席に座り俺をジッと見てきた。暫くその時間が続いてスズミンは口を開いた。

 「君はミサとどうゆう関係なの?」
 「何でもないただの幼馴染だよ」
 「あっはは、何でもない幼馴染にミサが助けを求めるわけないでしょ?」

 どうやらこの子はミサの本性を知っている側らしい。あいつは基本的に誰に頼ることもなく自分の道を突き進む女だ。それを知っている奴からしたら今回のことがどれだけ異常事態なのか直ぐわかる。

 「いいね、ミサに信頼されていて。ミサ私達の相談には乗ってくれるんだけど、自分のことは何も話さないんだよね。それでも皆んな背中をいつも押してくれていてね。私達がここまで来れたのもミサのおかげなんだ」
 「随分と買われてんだなあいつ」
 「それは勿論。あとの三人もミサには感謝してるんだよ?自分のキャラに悩んだ時、自分の人気に陰りが見えて人気が下がった時、自分のプライドが傷つけられた時いつだってミサが皆んなを助けてたんだ。・・・私なんかよりもよっぽどリーダーだよね」
 「いやぁ、あいつはそんなタイプじゃないぜ?自分にとって徳することがないと動かないからな。それだって多分その方が都合が良かったからだろ」
 「ふふっ、そうかもね。でも私達は皆んな感謝してる。だから君の事も誰も怪しんでないでしょ?」

 確かに最初こそ懐疑的な目で見られていたが、今はどうやら別の目で見られている気がする。
 
 「さて、そろそろ休憩も終わりにしようかな。話せてよかったよ警護お願いね?」
 「あぁ、任せろ」

 そしてスズミンが俺が座っている席を立ち、みんなの元へ戻どる途中、スズミンの足元が巨大な音を出しながら大爆発を起こした。
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