大帝国妖精図書館ネモフィラ

ベジタブル・カイザーと首長の王者

ベジタブル・カイザーと首長の王者 ８

火蓋は切って落とされた。



ガッ！


刃が刃で止められる！
ジェット君の巧みな剣技はまるで熱を帯びてるように光っていた。

ベニーはそのまま弾き飛ばされる。
「私にお任せを！」ジャックは横に立ち、まるで暗殺者のように短剣で迫る！

しかし、その攻撃は空を裂き、標的は身を翻して回避した。
「今のは危なかったなぁ。一歩足りないけどね。」としかし、余裕の笑みをこぼす。


「じゃぁ、追加で一歩よ！」
ミナギの短剣がジェット君の頭上に降ってくる。がそれも驚いた演技をしつつ彼は当たり前に受けとめる。
同時にミナギは空になっている左手から火球の魔法を至近距離から放つ！

「痛ぅ…今のは利いたよ…」
空中へ吹き飛ぶところへ二つの飛来物。
毎度おなじみリンの「スーパーとちおとめちゃん３号」と「コスモフェアリーさん」である。

「返してもらうぞ！私の見せ場ぁ！」
ヨーヨーに含まれた魔法糸にがんじ絡めになってジェット君は動きを封じられる。

まさに、空から女の子が！否！空からトマトが！といった具合に
飛び蹴りの態勢をとる。


「冷凍トマトにしてやる！」
ジェット君も負けじと巨大な口から氷の塊を放つ！


バァーン！！
氷の塊を砕いたものの、少し自由になったスキにジェット君は
なんと魔法糸を掴み返しリンを地面に叩きつけようとした！


「大丈夫？」
「う、うん。ありがとう。」
本当に地面に叩きつけられていたら大怪我していたところだったであろう。
ミナギが食い止めていた。
「ちょうど、ナスの下っ腹のおかげで事なきを得たわ。」
「ぶつわよ？」
「冗談っすわ…。つか、強すぎかよジェット君。」
「流石、優勝者ってところよね。」

ジェット君は地面に降り立ち、またジャックとベニーの攻撃を受け止め、
今度は尻尾で吹き飛ばしていた。

「いやぁ、いやいや君達も強いよ？強い強い。だけど僕の方が強いってだけだよ。かっこいいし強い。そういう事。」
そして、片手に握る剣をグンっと突き上げると、観客席からまた黄色い声援が挙がっていた。


「くっそ。悔しいもんだな。あいつ一匹でここまで手こずるってのもな。」
まだ負ける気はないけどな。とベニーは再び臨戦態勢を取りエンジンをかけ直す。

「悔しい…ってのとは違うけど、そうだなぁ私は、燃えてきたわ。爆発しそうだ。な。ミナギ！」
リンはそういうとミナギの尻、というかナスの丸い尻をビタァァン！と叩いた。
かなり痛かったのかミナギもリンと、ついでにベニーの尻を力いっぱい張り倒した！

そして、

「もちろん！」
と返事をした。



反撃開始の狼煙と、彼女らの悪鬼羅刹のような叫びは再び上がりだした！！



「あぁ…なんと麗しいのでしょう……
「罪でございます…罪な麗しい子………
「美しい……なんと美しい…欲しい…あの子が欲しい…
「欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい欲しい
「欲しい　欲しい　　欲しい　
　　欲しい　欲しい　　欲しい
欲しい　　欲しい　　欲しい　　欲しい
愛おしい　欲しい　美しい　麗しい　愛らしい　欲しい」
「あぁ…主よ……！！！