26 / 32
くまさんと写真
しおりを挟む姉の職場が変わった。
同じ系列店の人員補充の為のいわば人事異動である。
今までは『人妻店』と呼ばれる、30代40代の女性が中心の店だったのに対し、新しい店の平均年齢は20代前半。
姉「ムリムリムリムリ。10も違う子達と並べられたら私完全オバサンじゃん。」
私「ちなみにお姉ちゃん何歳設定?」
姉「27歳」
私「お、私とタメじゃん(笑)」
などと話していたのも記憶に新しいが、なんとかやれているらしい。
姉「今日撮影だったさ。」
私「新しいお店用の?」
姉「それがさ、もう写真からして若いの。セットはキャピキャピしてるし、ポーズとかもさ、ピースして、とかハート作って、とか…。」
他の子の写真を見せてもらうと、ピンクと白を貴重とした部屋で、萌え袖や片足を跳ね上げるようなポーズ、カメラに指を差してドヤッ!などなど、躍動感のある写真。
前の店の写真はしっとり大人な雰囲気で、言うなれば『静』と『動』である。
私「キャピキャピって死語じゃね?」
姉「こちとらキャピキャピ世代なんじゃー。もう…要求されるポーズが恥ずかしすぎて…。」
私「いいじゃん別にー、仕事じゃん。割り切ってはっちゃければ良かったのに。」
姉「いや、熊がさ…」
私「くま?」
姉「大きい熊のぬいぐるみがあって、やたらとそれと絡むんだよ。」
たしかに。他の子の写真でも熊がやたらと写っていた。後ろに見切れていたり、女の子が抱っこしていたり、女の子に潰されていたり…。
姉「この歳で熊のぬいぐるみと絡むのはさすがに恥ずかしくて。」
精神年齢5歳児が何を言ってるんだろう。
姉「はぁ~もう今日疲れた…。精神がすり減った。」
姉よりも、
指示を出す度に
「無理です。」
「恥ずかしい。」
「早く撮って。」
などと言われながらも、やる気の無い姉を必死に褒めちぎり撮影をやりきったカメラマンさんの方が数倍疲れただろう。
うちの姉がお世話になりました。
と、どこぞのカメラマンにそっと拝む。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる