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9章 鍛冶屋とバグ(チート)
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しおりを挟む門番「・・・そうだな、まずは奴がいた世界の話からしていこうか・・・。」
・・・・・・・・・・・・
奴が現れたのは大体500年前だったか。
その時の世界は血気盛んな武人が多くいた為か、常に争いが絶えなかった。
そしてそんな時にその男は現れ、争いに巻き込まれるのかと思われたが・・・。
その男が現れた瞬間人々は驚愕し恐れおののいた。どうやらその者について何かを知っている様だった。
また、口々に何故あの男がここへ来たのか・・・。その者がどうやって命を落としたのか、
ここにいる者達はそれについて知る由もなかった。
だが俺が驚愕したのは男のその後だった。奴は持って生まれたかのような才で人民を吸収し、
瞬く間に1つの国を作り上げた。その時から、男を知る者達は口々に形容するかの様にこう呼び出した。
魔王・・・と。
その時代によって世界の成り立ちはそれぞれ異なる事は当然の事であったが、その瞬間から今まで、
魔王軍は存在し続けている。
そしてそれに対抗する為に共和国軍の前身が形成され、今現在の対立関係が成立した。
だが魔王はそれで止まる男ではなかった。即席で作った軍をまるで自分の手足の様に自在に動かし、
対抗勢力を圧倒。自身もこの世界の特性を存分に利用し前線に繰り出し、
たった1人で小隊を壊滅させる程に・・・。
そう、奴は強すぎた・・・何もかもが・・・。だから人々が疑問を感じていた。何故この男が命を落としたのか?
だがその疑問を抱く者は次第にいなくなった・・・、立ち向かう者がいなくなってしまったからだ。
この世界では死ぬ事は無い。だがらそれ以上に恐怖を植え付けられ、立ち向かう気力さえも失せてしまった。
そして魔王は次第に退屈を感じる様になって来た。前世で望んでいたはずの泰平の世、
今それが目の前に広がっている光景に、魔王は心底退屈していた。
魔王は戦いを求めるようになった。どこかに争い事は無いか、無ければ作ればいい、
きっかけさえ作ってしまえば後は自然に増幅していく。
俺はそこまで経過して危険だと感じた、いずれ奴はこの世界の理ごと消し去ってしまうのではないかと・・・。
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