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9章 鍛冶屋とバグ(チート)

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加治屋「・・・ん?それってよ、あの武具の効果がもし装備者の潜在能力を引き出す物だとして。

以前お前に成長が早まるって聞いた俺は子供にそれをそのまま話しちまって、渡す約束もしたんだが?」


金田「いやそれは知らねぇよ。俺だってその可能性に気付いたのもつい最近だし、

それにその子供には良かったのかもしれねぇぞ?わざわざ寿命が短くなる様な事をしなくても、

済むかもしれないんだし。」


加治屋「そう言う物かねぇ・・・。」


金田「・・・まぁ、こんな事言っちゃあ何なんだが。

俺達一度死んでんだから寿命の概念なんてないと思うんだが?」


加治屋「・・・・・・・・・。」


金田「・・・あ!これ言っちゃいけなかった奴だ!門番に口止されてた。」


加治屋「あんなに深刻に子供に話した時間を返せ。」


・・・・・・・・・・・・


死してこの世界に迷い込んだ者には寿命と言う概念は無い。

だが、この世界で生まれた者にとってはその限りではない。

それを知らずしてこの世界に迷い込んだ富豪なる者は寿命を金で買っている。

それを行っているのはここに招き入れた門番、この様な事を行っている理由は彼の気まぐれであった。


門番「金持ちが自分の金独占したままこっちに持って来て、

己の力の誇示しようとしているのが気に喰わなかった。

だから、金の事しか気にしていない輩にはそう言っている。」


寿命を金で買える。そう言って富豪から受け取った現世の金は門番の懐・・・という訳では無く、

その富豪の親族へ自動的に振り込まれる。もし、誰も身寄りがいなかった場合は、独断で寄付を行っている。


門番「俺はここの世界から出られる訳じゃ無いからな。現世の金を使えないなら持ってても意味が無い。」


ただ、その事を門番自身他の者には喋っておらず、唯一うっかり口を滑らせてしまったのが後の勇者・金田だった。


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