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9章 鍛冶屋とバグ(チート)
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騎士団長「ぜぇ・・・ぜぇ・・・ぜぇ・・・。」
騎士団長は息を切らせながら草陰に身を隠していた。だが、それすらも意味を成しているのか、
本人ですら分かっていなかった。
騎士団長「・・・少しは、やれるかと思ったんだがな・・・。全く歯が立たないとは・・・。」
騎士団長はあの時力量を図る為、操られていたゴーレムと一線を交えていた。
だが力の差は歴然、ただ防御に徹するのがやっとで、そのまま転移魔術を使用し距離を置いていた。
騎士団長「あれとまともにやり合っても馬鹿を見るだけだな・・・。全兵に伝えろ!
国王含め周囲のゴーレムにも近付くな!ただし、民間人に被害が及ぶような事があればその限りではない!」
兵士長「と言う事は・・・あれを使用しても・・・?」
騎士団長「ぶっつけ本番にはなるが・・・いや、そもそも使用する場面なんて今までに無かったしな・・・。」
兵士長「でわ、総員準備に取り掛かります。」
そう短く宣言した兵士長は騎士団長の言葉を待たずにその場を離れて行った。
騎士団長「・・・あの国王・・・本当に本人なのか?言動が以前の物とはまるで違う・・・。
余裕すら感じられるあの言動・・・、以前の国王は余裕が常に無かった印象だったが・・・。
あのとてつもない力が余裕の証・・・と言う事なのかもな・・・?」
騎士団長はそう言いながら、余裕綽々で歩いている国王を遠目に見つめながら、その動向を注視していた。
騎士団長「まるで散歩にでも行っているような雰囲気だな・・・。
あれだと魔王軍に対しても素通りだけで壊滅していまいそうだ。」
その当の国王は・・・。
国王「・・・今までここまで外に出た事は無かったな。大体馬車での移動だったからか・・・。
なかなか良いものだな・・・何も考えずにただただ歩くと言うのも・・・。」
???「それでは困るのだがな?力を貸した我の身にもなれよ。」
その声は国王のすぐ近く、共に歩いていたゴーレムの内の一体が口を持たない顔で話しかけて来ていた。
国王「そう言ってくれるな。私もここの世界に来てあの城に籠りっきりだったんだ。
あの場所はこの世界に必要ではあるが、私にはどこか牢獄の様にも感じていたんだよ。
こんな事でも無ければ外に出る事さえも出来ない。」
???「・・・まぁいい、お前がやけを起こさなければ我は何も言うまいよ。
それに、なかなか楽しませてくれるではないかお前部下達は?」
国王「・・・歓迎はされていなかったがな・・・。理由は・・・大体察している。」
その国王の声はどこか寂しさを帯びていた。
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