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8章 鍛冶屋と共和国
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しおりを挟む兵士長「き・・・騎士団長!緊急事態です!!」
その声は、先程まで金田にやられた兵士長の物で、かなり焦った様子で裏庭に戻って来ていた。
金田「何だ?もう起きて来たのか?」
騎士団長「・・・どうした・・・?そんなに焦って・・・?」
重力から解放はされていたが、体が思う様に動かない騎士団長は、仰向けの状態で兵士長を見ていた。
兵士長「騎士団長・・・?一体どうされたのですか?あ・・・いや、それより!」
動揺を隠せない兵士長は騎士団長に近付きながら、囲われているロープを掴み。
兵士長「たった今報告がありまして・・・。共和国領に・・・各地から人民が押し寄せて来ています!」
騎士団長「人民が・・・共和国領へだと?何故その様な事になっている?」
兵士長「わかりません・・・。ただ、人民は口々に魔王軍討伐反対、裏ダンジョン開放反対・・・と・・・。」
騎士団長「・・・どういう事だ?人民には知り得ない情報のはずだ・・・。誰かが情報を漏らした・・・?
いや、我々が行動を開始した時期を考えるとそんな時間は無いはず・・・。」
金田「そんなの簡単だろ?裏ダンジョンの情報を持っていて、尚且つ多くの人員を動員できる組織。
共和国軍で無いのなら一つしかないだろ?」
騎士団長「・・・魔王軍か・・・。だが人民が簡単に魔王軍を信用するとは思えない・・・。」
加治屋「それは偏見ってもんだ。現に魔王軍の呼びかけに応じて集結している。
まぁ、かなりの時間を要しただろうが。」
金田「いや、実際の所魔王軍もそこまで積極的ではなかったらしい。要は魔王が倒されなければ良いだけの事。
なら、立ち向かってくる者達を倒して行けば未然に防ぐ事が出来る。そう考えていたらしい。」
騎士団長「では、何が魔王軍をそこまで動かした?」
金田「簡単な話だ。魔王軍のトップ、魔王より力がある者が魔王に指示したってだけだ。」
加治屋「魔王より力がある者?・・・おい、金田お前・・・魔王軍に誰を送った?」
金田「・・・奥さんだ。元魔王のな・・・。」
騎士団長「・・・奥さん・・・だと?俺は今一体何を聞かされた・・・?金田・・・お前・・・、
魔王と結婚したのか・・・?」
騎士団長は金田が平然と話しているのが信じられていなかった。
金田「いや・・・、事情があってな・・・。手加減はする様に言っておいたんだが、大丈夫だろうな?」
加治屋「お前の奥さん手加減を知らないからな?持ってくる農具ほとんど奥さんが壊してるだろ?」
金田「俺も困っているんだがな・・・未だに力加減がわからないとよ・・・。いやそれより、
騎士団長お前はどうする?このままだと国王の身に何が起きてもおかしくないぞ?」
騎士団長「・・・・・・やむを得ん・・・。共和国軍全兵に伝えろ!緊急事態により、
全兵は至急共和国へ帰還せよ!国王の安全の確保が最優先だ。」
加治屋「そんな状態でも国王が大切なんだな・・・?」
騎士団長「それもある・・・が、国王は今精神的に不安定なんだ、それにこのような事態が発生すれば・・・、
何をしでかすかわからない。下手すれば・・・。」
金田「・・・下手すれば・・・何だよ?」
騎士団長「・・・実はな・・・あるんだよ・・・。共和国軍の領地、国王が住んでいる城の最奥部に・・・、
裏ダンジョンが・・・。」
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