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8章 鍛冶屋と共和国
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しおりを挟む騎士団長「裏ダンジョンを・・・体感・・・だと?」
金田「そりゃあ良い!実際に裏ダンジョンがどういう物なのか、
その危険性を知ってもらった方が理解出来るだろ?」
騎士団長「お前まで何同調している?それに体感と言っても一体どうするんだ?」
加治屋「そこにロープで囲われた扉があるだろ?その扉、どこに通じていると思う?」
騎士団長「・・・あまり考えない様にしていたが・・・、この様な辺境の地に、
裏ダンジョンの入り口があるとはな・・・。」
加治屋「そのロープの範囲内は裏ダンジョンの影響が及ぶ。つまり疑似的にだが、
裏ダンジョンの中に入った時の感覚が体感できる。」
騎士団長「そう言う事か。だが良いのか?お前自ら広大な土地を手放す事にもなるやもしれないんだぞ?」
加治屋「それは体感した後に言ってくれ。まぁ、言う気力がその時にあるかどうか・・・だけどな?」
騎士団長は挑発と知りながらも、己自身にあった裏ダンジョンへの好奇心、
その先の世界がどうなっているのか・・・。疑似的にであっても体感する価値はあると考えていた。
騎士団長「・・・中心にいれば良いのか?」
加治屋「あぁ、俺が合図を出す。その後すぐに影響が来るから構えていろ。あと、言っておくが・・・、
油断するんじゃねぇぞ。」
騎士団長「油断だと?この世界で幾千もの魔物や戦士と渡り合って行った俺が、
この様な体感で俺が怯むはずが無い!」
加治屋「・・・わかった。じゃあ後10秒後に始めてもらうが準備は良いか?」
騎士団長「問題ない。さっさと始めろ!」
その時、加治屋が予測していない事態が発生した。
騎士団長「・・・ぐ・・・ぐぐぐっ!!?な・・・何だ・・・これは!?まだ10秒経って無いだろ!?」
確かに主は加治屋に、10秒後に発動させると言っていた。だが、騎士団長の言葉のすぐ後にそれは来た。
加治屋「お・・・おい!まだ10秒経って無いぞ!?しかもあの重力シャレにならないぞ!?」
主「案ずるな。殺しはしない。だが、この若造にこの世界の裏をわからせてやらないと気が済まない。」
裏ダンジョンの主はもう存在を隠す事をせず、裏庭全体に聞こえるかの様に声を響き渡らせていた。
騎士団長「う・・・うぐぉおぉぉ・・・。こ・・・これが裏ダンジョンの魔物の圧力・・・だと・・・?」
騎士団長はどうにか倒れる事は防いでいたが、限界がすぐそこまで来ている事を加治屋は感じていた。
加治屋「いや・・・、流石にあれは強すぎやしないか?」
金田「それだけ鬱憤が溜まってたんじゃないのか?見ろよ全然容赦がねぇ!」
金田はどこか能天気に騎士団長が耐えている様子を観察していた。
金田「さぁ、お前が大した事無いと言っていた裏ダンジョンだぞ?しかも入り口にも入っていない。
それでお前がそんな様じゃ部下達は今頃ペシャンコだぞ?」
騎士団長「ふ・・・ふざけるな!!まだ・・・、まだこんな物では無い!
お・・・俺は・・・まだ・・・ぐあぁ!!」
最後の言葉を言いきらずに騎士団長は地面に身体を突っ伏してしまった。
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