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8章 鍛冶屋と共和国

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そんな事を言われている事など知る由もない共和国の兵士達は、鍛冶屋の内部で各々捜索を進めていた。


兵士1「しかし、こんな所で本当に生活していたのか?ほとんど何も無いではないか?」


兵士2「町の連中もよく知らない様だったし、あまり外出もしていなかったのだろうな。」


兵士1「なら尚更わからない。何故勇者はこの様な辺境の町、ましてやその外れにある鍛冶屋に、

貴重な武具を渡したのか。共和国に預けさえすればこの様な事には至らなかったものを。」


加治屋「そりゃあ、共和国に渡したら魔王が倒されちまうからな?勇者も倒された後の事を知っていたんだよ。」


主「独り言にしては声が大きいぞ?」


兵士1「・・・何も無いな。ではここの探索は終了だな。」


そう言って2人の兵士は寝室を後にした。


加治屋「荒らされてないだろうな?埃一つでも残していようものなら承知しねぇぞ・・・?」


・・・・・・・・・・・・


それから数時間が経過し・・・。


共和国兵士「・・・ここの人間は夜逃げでもしたのか?ここまで何も無いと余計に怪しくなってきたな。」


兵士1「残るのはここの裏庭ですね・・・。寧ろそこが一番怪しいとは思っていましたが・・・。」


共和国兵士「何故なんだろうな・・・?裏庭だけは探す気になれなくてな・・・。」


加治屋「・・・お前、何かあいつ等に幻術でもかけたのか?」


主「気休めだがな。探す気を衰退させる物だが、幻術だとバレない様に調整が面倒なんだコレは。」


そこで兵士達は何やら悩み始め、一時撤退と言う形を取り、鍛冶屋から出て行ってしまった。


加治屋「・・・今回はどうにか回避したが・・・。次はどうなるか・・・?」


主「・・・そろそろ”あいつも”異変に気付くのではないか?あいつが来れば状況は一変するんだが。」


加治屋「多分もう気付いてるよ。そうでないと俺が困る。何か月も籠城するつもりなんて全然ないんだぞ?」



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