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8章 鍛冶屋と共和国
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しおりを挟むその頃、鍛冶屋の前にて・・・。
共和国兵士「今回の調査はこの鍛冶屋の店主の捜索、及び勇者・金田の武具一式を奪還する事である。
尚、今回そのどちらも見つからなかった場合、証拠になりそうな物を全て押収せよとの命令だ。」
数名の兵士を前に、その中でもリーダー格と思われる兵士が先導し、命令を伝えていた。
共和国兵士「共和国軍に仇成す者に同情はいらない。抵抗する者は誰であろうと即刻拘束せよ!」
その号令に複数の兵士はハイと同意し、決断力の強さを示した。
共和国兵士「では、私が先導する。後に続け!」
そう言って兵士は玄関の扉を開き、店の中へと侵入していった。それに続いて複数の兵士も入って行った。
共和国兵士「・・・見事に何も無いな・・・。証拠隠滅の為に処分したか、それともどこかに隠したか・・・。」
兵士1「これでもし・・・、勇者の武具が処分されていたとしたら・・・、
我々は一体どうなってしまうのでしょうか?」
共和国兵士「愚問だな。いずれにしても共和国が魔王軍を倒す。それは変わる事は無い。
今でも実力は拮抗している。ならば我々がより団結を強めれば勝てない相手では無い。そうだろ?」
兵士2「・・・そうだ。魔王軍など我らの敵ではない!勇者の武具はタダの飾りでしかない!」
加治屋「・・・なら来るなよ・・・。人の店勝手に何度も入って来やがって。」
加治屋は洞窟の中から糸電話の様な物を耳に当て、店内の様子を伺っていた。
主「そんな物でよく聞こえるな?紙コップを糸を通した物で?」
加治屋「文明の利器だ。だがそんな物でも、今の人間は当たり前だと考え使っていた。
何も生みだしたことが無い物がな。」
主「その糸電話がか?」
加治屋「いやこれは違う。これが何百年もの時間を経て生まれた物の事だ。
それは遠くにいる人間とも会話が可能で、手紙のやり取りも簡単にできる代物だった。この世界には無いがな。」
主「・・・遠回しに言っているようだが、それって携帯電話の事だろ?もしくはスマホとも言っているのか?」
加治屋「・・・何で知ってんだよ?」
主「ここにいる人間の殆どはその世界の人間だ、そんな情報幾らでも入って来る。
なんせ修理品の検品以外やる事は無いからな?」
加治屋「・・・何なら俺より世間の事知ってんじゃ無いのか?」
主「さぁな、それより良いのか?兵士共がどんどん店の中を物色して行ってるみたいだが?」
加治屋「好きにさせてやるさ。どうせその店には何も無いんだからな?探すだけ時間の無駄って奴だ。」
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