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1章 鍛冶屋の加治屋
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しおりを挟む冒険者「どうしてそんな物が・・・鍛冶屋の裏なんかに・・・?」
加治屋「俺がここで鍛冶屋を開く前からあったらしい。多分この世界が出来た時から存在していたんだと思う。」
冒険者「・・・って言うか、あんたは何で平気なんだ?何故平然と立っていられる?」
加治屋「俺だって平気じゃねぇよ。これはまぁ・・・慣れだ。どんな事でも何回も繰り返して行けば大体慣れる。
まぁこれは仕事と同じ事が言えるな。お前にはまだわからんだろうが。」
冒険者「じ・・・じゃあさ、も・・・もし俺が・・・ここで修行を積めば、すごく強くなって、
魔王も目じゃないって事か!?」
冒険者は名案を思い付いた様に声が大きくなり、加治屋に問いかけたが・・・。
加治屋「やめておけ。そんな事をしても・・・無駄だ。」
冒険者「そんな事、勝手に決めつけんなよ!俺だってやってみねぇとわかんねぇだろ!?」
加治屋「始まって10秒も持たなかった奴が何言ってんだ?こんな事で修行だとか・・・アニメの見すぎだ。
そんな事をする位なら、自分のレベルにあったモンスターを倒していって、強くなった方がよっぽど効率が良い。」
冒険者「何だよ・・・この場所を独り占めするつもりなのか?何でダメなんだよ!?」
加治屋「独り占めか・・・そうじゃねぇよ。お前、この部分だけどうして不自然に囲っているかわかるか?」
冒険者「いいや。知らねぇよ。」
加治屋「この範囲・・・、ここまでが裏ダンジョンの影響を受ける範囲。だから俺がここに囲いを作った。
見え易くする為にな。」
冒険者「見えやすく?・・・どうしてそんな事する必要が?」
加治屋「近付かせないためだ。ここのダンジョンのモンスター達は、どうやら静かに過ごしたいみたいだからな。
つまりさっきの重力も威嚇の様な物だ。威圧感を感じたのもその影響だ。」
冒険者「じゃあ、あんたがさっき立っていられたのは、この囲いを作っていたからなのか?
その作業しながら・・・。」
加治屋「そう言うことだ。あと・・・ここでの修行を勧めないのは、本当にお前の為でもある。」
冒険者「・・・・・・・・・?」
加治屋「ここで死ぬとな・・・、お前は2度とこの世界に戻って来られない。」
冒険者「は・・・?そんなわけ無いだろ?だってこの世界は・・・。」
加治屋「あぁ・・・そうだ。元々死んだ俺達はこの世界では、死ねば近くの教会まで戻され金を払えば復活できる。
だがな、この裏ダンジョンではその常識が通用しないんだ。例えこの範囲の中で死んだとしても復活は出来ない。」
冒険者「復活が出来ない・・・、信じたくないけど・・・そう言うことか・・・。」
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