イレンシ～壱～

case1 公園の少年

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そこはとある墓所。そこで２人はある墓の前に立っていた。


竹田「鹿神さん・・・ここは？」


鹿神「翔太君の・・・墓だよ。」


竹田「これが・・・。」


そこには確かに少年の名字である、篠塚の名前が彫ってあった。


鹿神「これでやっと、お母さんやお婆ちゃんも安心して眠れるよ。」


竹田「母親って・・・もしかして。」


鹿神「翔太君が殺されて・・・１年後にね・・・。」


竹田「・・・・・・・・・。」


鹿神「お婆ちゃんの方は翔太君が殺された数日後、後を追うように亡くなったらしい。

そんな事があってお母さんは２人を守る事が出来ず、物凄く後悔してたんだろう。」


鹿神はそう言うと、ポケットからビスケットを取り出し墓に供えた。


鹿神「翔太君これが好きだったみたいだよ。」


竹田:「ところで・・・田山は自首したんでしょうか・・・。」


鹿神「多分もう警察に向かってると思うよ。」


竹田「そうだと良いんですけど。」


鹿神「・・・さぁ！部外者はこれ以上関わらない方がいい。拝んだら事務所に戻ろう！」


そうして２人は墓に手を合わせ。


竹田「・・・あっ、鹿神さん！そう言えばこれ借りたままだったんで・・・。」


竹田は鹿神から借りていたメガネを取り出し返そうとした。


鹿神「あぁ、それね・・・竹田君にあげるよ。」


竹田「え？でも・・・。」


鹿神「僕は付けなくても見えてるからね。それにまたいつかそれが役に立つ時が来るかもよ？」


竹田「・・・そうですか？じゃあ、ありがたく頂いておきます。」


そして鹿神と竹田は墓所を後にした。


後日、田山が警察に自首したとの報道があり、田山は盗みを計画した事、盗みを依頼した泥棒の殺害、

公園での子供殺害を認めた。開けることが出来なかったケースの中の金も全額あったという。


依頼者であった田山から振り込まれていた金額は盗んだ金と比べると微々たる物だったのだろうが、

竹田にとっては初めて見る大金であった。


こうして竹田はたった１日で摩訶不思議な事を幾つも体験した。

しかし、これから竹田に待ち受けているものは予測不能ばかりである事に、本人はまだ知る由もなかった。





case１公園の少年 終