イレンシ～壱～

case1 公園の少年

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田山「はい・・・そうです。」


鹿神「僕は確かに霊専門ですし、除霊もできます。

しかし、霊がその場所に残っているのは何かしら理由があります。」


田山「・・・理由？」


鹿神「竹田君、新聞の切り抜きを。」


竹田「２枚ともですか？」


鹿神「そうだね、この場合はどっちも必要だから。」


竹田は言われた通りに鹿神に切り抜きを渡した。


鹿神「ここに新聞の切り抜きがあります。

記事の内容は５歳の男子児童が殺害されたと言う事件の記事です。」


・・・・・・・・・・・・


事件は今から約１０年前、１人の男子児童が遺体となって発見された。

名前は篠塚翔太（しのずかしょうた）君５歳。

翔太君は母親との２人で暮らし、母親は毎日パートで働きに出ていた。

仕事中は翔太君を保育所に預けていて、どうしても仕事が抜け出せない時は

祖母に頼んで連れて帰ってもらっていた。


・・・しかしある日


その日も祖母が翔太君を保育所から連れて帰っていた。

その後翔太君は団地の近くにあった公園で母親の帰りを祖母と待っていたそうだ。

ところが祖母は偶然通りかかった知人と、公園から離れて話し込んでしまっていた。


そして数分後


祖母が翔太君の事を思い出し公園に戻ってみると、

翔太君は何故か砂山に顔をめり込ませ頭から血を流して倒れていた。

翔太君はすぐに病院に運ばれたが頭蓋骨陥没で死亡が確認された。

あの時間公園の近くに人の気は無く、目撃者もいない事から、

有力な情報も無く犯人は未だに逮捕されず未解決のままである。