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第二話

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※「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく」の後日談「もうひとつの結婚」の中編1のあたりの時期です。
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 ライオネルが砦にやって来て早五ヶ月、ライオネルはすっかり砦での生活に馴染んでいた。

 そんなある日のことだった。同じ下っぱのジェフリーがライオネルの所へやって来たのだった。

「ライオネル、ちょっと訓練に付き合ってくれないか?」

 ジェフリーに訓練に誘われたライオネルは訓練場に連れ立ってきたのだった。
 
 ライオネルの指導の賜物かジェフリーの剣の腕が上がり、ライオネルと互角とはいかないまでも、ある程度打ち合えるようになってきていた。ライオネルは強くなってきたジェフリーの腕前に喜びを感じながら剣を振るう。

 しかし、慣れた頃だからなのか油断していたのかライオネルの剣を持つ右腕にジェフリーの剣が当たってしまい大怪我をしてしまう。

「ライオネル!! ゴメン。大丈夫か?」

 慌てて、ジェフリーがライオネルの下へ駆け寄ってくる。ライオネルはひきつった笑い顔を返す。

「大丈夫だ。すまない。君が強くなったのが嬉しくて剣筋を見すぎてしまった」

 大丈夫であると安心させるためか、ライオネルは剣を持って振る。しかし、痛みがひどく剣を落としてしまった。

「ライオネル、大丈夫じゃあないじゃないか。医務室へ行こう」

 ライオネルはジェフリーに引きずられるように医務室へと連れていかれるのだった。

 診察の結果、後遺症はでないであろうものの骨にひびが入り、剣が当たって切れた皮膚の傷口を縫ったため、治療後はしばらく安静にしておくように言い渡される。
 

 治療を受けて体を休めるために自室のベッドに横になるライオネル。そこへ北の砦の隊長エドモンド・ウィアーがやって来たのだった。

 身長二メートルはあろうかと言う隊長をライオネルは起き上がって見上げる。

 隊長はベッドの横にあった椅子に腰かけた。

「ライオネル、大丈夫か?」
「隊長、大丈夫です。ご迷惑おかけしました」
「慣れた頃とはいえ油断せぬようにな」
「ありがとうございます」

 隊長がライオネルの負傷した腕に目をやる。

「利き腕が使えないなら、飯も食えんな」
「大丈夫です。スプーンなら、反対でも食べれますから、ほら」

 ライオネルはベッドの横のテーブルに置いてあった具沢山スープの具をスプーンですくおうとするが、具がうまくすくえない。何度も必死になって挑戦するライオネルに隊長はプッと笑う。

「ほら、食えないな」

 と言うと共にライオネルのスプーンを取り、具をすくってライオネルなの口元に近づける。

「ほら、口開ける」

 空腹に勝てなかったのか、ライオネルはしぶしぶ口を開けて隊長の持つスプーンを口に含む。

「上手に食えたな」

 隊長はいつもの厳しい眼差しではなく、優しい眼差しで良くできたとばかりにライオネルの頭を撫でた。

 照れたライオネルの頬がほんのり赤く染まる。

「飯の時は手伝ってやるから、一緒に食おう。いいな、ライオネル」
「隊長、ありがとうございます」

 ベッドに座ったまま礼をするライオネル。ニッコリと笑ってスプーンに新たに具をのせる隊長は、再びライオネルの口元に運ぶ。隊長の優しさにライオネルは心が温かくなった。

 ライオネルの利き腕が不自由な間、けがをさせたジェフリーがライオネルの世話をすればいいのに、なぜか忙しいはずの隊長がありとあらゆる世話を請け負い、流石にトイレだけは自分で行くものの食事の世話から風呂のない砦での体の清浄までしてくれようとするのだった。

 ただ、ライオネルは召使いではない隊長に体を見せなくてはいけないのが恥ずかしくて嫌だった。初日、思わず拒んでしまう。

「た……隊長、体を見せるのは恥ずかしいです」
「気にするな。お前の体を拭く時は俺のことを召使いかなんかと思っとけ」
「む……無理です。自分で出来ますから……」

 隊長は拒むライオネルの声が聞こえないかのように、ライオネルの服を脱がす。下着だけにされたライオネルは恥ずかしくてもじもじしながら立っていた。そして、隊長は固く絞ったタオルでライオネルの髪の毛の中を拭くのだった。そして、まめにタオルを洗っては顔、腕、胸、腹、背中と拭き清めていった。下半身に差し掛かった時、ライオネルは焦った。

「隊長、そこは無理です!! 自分で拭きますから」

 ライオネルが慌てて、体を拭くタオルを隊長から取ろうとすると、隊長はライオネルに取られまいとタオルを持つ腕をライオネルの届かない所に反らした。タオルにたどり着けなかったライオネルはバランスを崩して隊長の胸に倒れこんだ。ライオネルは隊長の胸のたくましさを感じて顔を赤くする。隊長はそっとライオネルを起こしてやる。

「大丈夫か? お前は今、手が不自由なんだ。拭き残しがあってそこから病気になってはいけないから、しっかり拭いてやる。痛くないように気を付けるから、心配するな。召使いにされたと思っとけ。恥ずかしいなら目をつぶっといたらいいだろう」
「でも……」
「悪いがあまり時間が無いので、目をつぶっておいてくれ」

 ライオネルは隊長に言われるまま、目をつぶる。しゃがんだ隊長は立っているライオネルの下着を下ろし、拭き始める。前も後ろもやさしく丁寧に隅々まで拭いたのだった。そして、下着を戻したのだった。

「目を開けていいぞ。後、足だけだ」

 と言って事も無げに足の付け根を拭き始める隊長。ライオネルはと言うと、目をつぶっていたとは言え、ライオネルのライオネルを拭かれてあまりの恥ずかしさに顔だけでなく体までが真っ赤だった。

 そんなやり取りが毎日繰り返された。

 二十日ほど経つとまだ恥ずかしい気持ちはあるものの、慣れたのか嫌な気持ちは失せたのだった。

 その頃には、体の清浄の際は、ライオネルはベッドに服を脱いで横になり、隊長があちこち拭きやすいところに移動して拭くようになっていた。

「じゃあ、レオ、最後に大事なところ拭くぞ」

 そう言ったかと思うと隊長は横になっているライオネルに覆い被さるようにベッドに上がってくる。そして、ライオネルのライオネルをそっと握る。つかんでいないほうの手でタオルを持ち、根元から拭き始める。

「あっ、んっ」

 ライオネルは拭かれる時、隊長の手に気持ちを持っていかれないように必死で耐えるが、気持ち良くて思わず声を漏らしてしまう。恥ずかしいので、目をつぶって声を出さないように、ライオネルのライオネルを変化させないようにぐっとこらえる。ライオネルは目をつぶっているせいで、そのこらえる可愛い顔見たさに隊長がわざと勿体ぶって拭いていることに気付いていないのだった。

 いつの間にか隊長からレオと愛称で呼ばれるようになり、ライオネルも色々なことと共にそれを受け入れていったのだった。


 ライオネルが怪我をして一ヶ月程が経ち、隊長の世話のお陰か怪我が治ったのだった。その頃には、ライオネルは隊長へのほのかな気持ちをい抱き始めていた。隊長の甲斐甲斐しい世話をする姿とそれを受け入れているライオネルは周りから見るとBでLな関係に見えるほどだった。

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※これぐらいならR15でしょうか?R15とR18の境目がよくわからなくて難しいです。
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