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第十二話
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その日の昼ごはんの後、パンを作るための発酵させるために作っていた酵母の元種ができたのをリリア、マリー、ニール、そして、マイケルで確認するのだった。
「出来たわ!! ここからは普通のパンみたいに焼けばいいだけ」
嬉しさが隠しきれないリリアは出来上がった元種を三人に見せながら興奮気味に話すのだった。
「リリア様、私、楽しみです」
マリーは嬉しそう。マイケルは元種を指して、不思議そう。
「これでパンが出来るのか?いつも使う液体と違うなぁ?」
マイケルの疑問に嬉しそうにリリアは答えるのだった。
「マイケル、そうなの!!その液を育ててできた元種って言うんだけど、これで作るとパンがもちもちするのよ」
もちもちと言う言葉にマイケルはニマニマ。
「もちもちですかい。楽しみだなぁ」
本心から楽しみと言わんばかりのマイケルの顔にニールが思わず笑ってしまう。
「マイケルさん、相変わらず、食いしん坊ですね」
「おうよ、ニール。もちもちするパンなんて想像するだけでいつものパンが3個は食える」
マイケルの嬉しそうでいて真剣な表情に三人は思わず吹き出して笑う。
リリアが申し訳なさそうにする。
「急いで作るから、何とか晩御飯に間に合うと良いんだけれど」
「リリア様、よろしくお願いします」
いつもの砕けた喋りではなく、真剣にお願いしているマイケルに三人はまた笑う。
「マイケルってば、相も変わらず食いしん坊だねぇ」
マリーは呆れるように笑う。リリアは何かいい事を思いついた表情をしたのだった。そして、三人にお願いする。
「ねぇ、今日の夕食、一緒に食べてくれない?」
マリーは首を振る。
「公爵家の方と一緒に食事を取らせていただくなんて恐れ多いです」
断られてもリリアはあきらめない。
「でも、皆のパンの感想も聞きたいのよ。一応ライオネル様と結婚しているけれど、元平民なんだし、今日は四人だけだから、ね」
そう言って、リリアは手を合わせて願うのだった。マリーは困った表情を浮かべる。
「でも、使用人と食事を取るなんて、公爵家の名誉にかかわるのでは?キース様に確認しないと……」
リリアは自信満々にマリーに話す。
「大丈夫よ。あの人、たぶん私がライオネル様やデルヴィーニュ公爵家に迷惑かけないようにここで暮らしている分には何も言ってこないと思うわ」
「そうでしょうか?」
「そうよ。――何か言われたら、私のせいにしたらいいわよ。実際そうだし」
「でも……」
困った様子のマリーにたたみかけるようにリリアはお願いするのだった。
「ねぇ、お願い。いつも一人で食べるの寂しかったの。一緒に食べて」
マリーに縋り付いてお願いするリリアにマリーは観念したよう。
「しょうがないですねぇ。分かりました。一緒に食べましょう」
「ありがとう、マリー!!」
マリーに抱き着いて喜ぶリリアをマイケルとニール暖かく見守るのだった。
「出来たわ!! ここからは普通のパンみたいに焼けばいいだけ」
嬉しさが隠しきれないリリアは出来上がった元種を三人に見せながら興奮気味に話すのだった。
「リリア様、私、楽しみです」
マリーは嬉しそう。マイケルは元種を指して、不思議そう。
「これでパンが出来るのか?いつも使う液体と違うなぁ?」
マイケルの疑問に嬉しそうにリリアは答えるのだった。
「マイケル、そうなの!!その液を育ててできた元種って言うんだけど、これで作るとパンがもちもちするのよ」
もちもちと言う言葉にマイケルはニマニマ。
「もちもちですかい。楽しみだなぁ」
本心から楽しみと言わんばかりのマイケルの顔にニールが思わず笑ってしまう。
「マイケルさん、相変わらず、食いしん坊ですね」
「おうよ、ニール。もちもちするパンなんて想像するだけでいつものパンが3個は食える」
マイケルの嬉しそうでいて真剣な表情に三人は思わず吹き出して笑う。
リリアが申し訳なさそうにする。
「急いで作るから、何とか晩御飯に間に合うと良いんだけれど」
「リリア様、よろしくお願いします」
いつもの砕けた喋りではなく、真剣にお願いしているマイケルに三人はまた笑う。
「マイケルってば、相も変わらず食いしん坊だねぇ」
マリーは呆れるように笑う。リリアは何かいい事を思いついた表情をしたのだった。そして、三人にお願いする。
「ねぇ、今日の夕食、一緒に食べてくれない?」
マリーは首を振る。
「公爵家の方と一緒に食事を取らせていただくなんて恐れ多いです」
断られてもリリアはあきらめない。
「でも、皆のパンの感想も聞きたいのよ。一応ライオネル様と結婚しているけれど、元平民なんだし、今日は四人だけだから、ね」
そう言って、リリアは手を合わせて願うのだった。マリーは困った表情を浮かべる。
「でも、使用人と食事を取るなんて、公爵家の名誉にかかわるのでは?キース様に確認しないと……」
リリアは自信満々にマリーに話す。
「大丈夫よ。あの人、たぶん私がライオネル様やデルヴィーニュ公爵家に迷惑かけないようにここで暮らしている分には何も言ってこないと思うわ」
「そうでしょうか?」
「そうよ。――何か言われたら、私のせいにしたらいいわよ。実際そうだし」
「でも……」
困った様子のマリーにたたみかけるようにリリアはお願いするのだった。
「ねぇ、お願い。いつも一人で食べるの寂しかったの。一緒に食べて」
マリーに縋り付いてお願いするリリアにマリーは観念したよう。
「しょうがないですねぇ。分かりました。一緒に食べましょう」
「ありがとう、マリー!!」
マリーに抱き着いて喜ぶリリアをマイケルとニール暖かく見守るのだった。
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