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第十話
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それから2週間後、キースより許可を得てリリアは自分の事は自分でさせてもらえるようになった。
が、公爵家でそろえられたドレスは自分で着るのは大変なので、マリーの着ているような動きやすい平民の服をそろえてもらうように頼むのだった。
リリアのクローゼットに平民の動きやすい服が揃い、自分で自分の支度が出来るようになり、前からしたいと思っていたパン作りをマリーにしたいと願い出た。ビックリするマリーに
「元々平民で仕事でパン作りをしていたから大丈夫!!」
と自信満々で宣言した。リリアを拒否できないマリーは心配そうに台所にリリアを案内した。
台所はそんなに広い訳ではないが、使いやすく配置されており、熱源はまきのようで、かまどと石窯があるのだった。
リリアはパンを焼くための材料をマリーに確認する。
「強力粉、砂糖、塩、バター、牛乳……」
「リリア様、何か足りないものが?」
「パンを発酵させるのにイーストを……」
「いーすと??王都ではいーすとと言う物で膨らませるのですか?」
聞いたことのない言葉を聞いたマリーは不思議そうに尋ねる。
「(ここにはイースト無いのね……)天然酵母でもいいのよ」
「それはよかったです。酵母の発酵させた液はありますよ」
そう言ってマリーは酵母を発酵させた液の入った瓶を持ってくるのだった。
「で、天然酵母の元種は……」
「もとだね??」
マリーは言葉の意味が分からず、更に不思議そうに尋ねるのだった。
「ひょっとして、天然酵母の発酵した液をそのまま水と一緒に強力粉に加えてる?」
「そうです」
「そうかぁ……(だから、パンが固かったのかしら……)」
直ぐにパン作りを始められないと知ったリリアはガックリ。取り合えず、元種を作ろうと気持ちを切り替える。
「マリー、申し訳ないけれど、マリーの作り方と違う方法でパンを作りたいのよ」
「違う方法ですか?」
違う方法で作ると言うリリアにマリーは驚く。この国でパンを作るのはマリーと同じ方法で作られるからだった。
「そうなの。ちょっと時間が掛かるので、出来るのは三、四日後になるのよ」
「わかりました。面白そうなので、私も見せていただいていいですか?」
「ええ、もちろんよ」
そう言ってリリアは強力粉と天然酵母のエキスの液と深めの皿と深めの皿より一回り大きな平べったい皿とスプーンを用意した。
まず深い皿に強力粉と天然酵母のエキスの液を同量入れて混ぜる。しっかり混ざったら、平べったい皿で蓋をして、27度ぐらいになる様にかまどの傍に置いた。リリアは置いてからマリーの方に申し訳なさそうに振り返った。
「マリー、実はパンを発酵させるものを作るのだけれど言ったように三、四日もかかるの。申し訳ないけれど、気長に待って」
「わかりました。リリア様。何か作業をされる時は見せていただきたいのでお知らせください」
「ええ、わかったわ」
それから4時間後、リリアはマリーを呼び、エキスと強力粉の混ざった塊が二倍に膨らんだものを見せる。
「リリア様、なんだかパンの発酵しているものと似てますねぇ」
「そうなの。でも、まだパンを作る前段階なのよ。一度休ませた後、これを二回はするわよ」
「え?根気がいりますねぇ」
「でも、美味しいパンが出来るわよ。」
そう言って、休ませた後、リリアは二倍に膨らんだものに強力粉とエキスの液を混ぜる。
「これで発酵するようにまたしばらく暖かい所に置くのよ」
「どれぐらい置くんですか?」
「さっきと同じぐらいで四時間ぐらい。もう夜だから、一晩ぐらいかしら」
「大変ですねぇ」
「でも、その分美味しいと思うわよ」
嬉しそうににっこり笑うリリアにマリーは思わず微笑み返すのだった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
●酵母のエキスについて
自然界に生息している様々な酵母菌を使ってパンを膨らませることができます。
(ドライイーストからパンを作るほうが簡単なのですが……)
天然酵母(の発酵した液)は糖分のあるフルーツ+水+砂糖をから作ることが出来ます。
自家製の酵母液を作るのに1週間ぐらいかかります。
が、公爵家でそろえられたドレスは自分で着るのは大変なので、マリーの着ているような動きやすい平民の服をそろえてもらうように頼むのだった。
リリアのクローゼットに平民の動きやすい服が揃い、自分で自分の支度が出来るようになり、前からしたいと思っていたパン作りをマリーにしたいと願い出た。ビックリするマリーに
「元々平民で仕事でパン作りをしていたから大丈夫!!」
と自信満々で宣言した。リリアを拒否できないマリーは心配そうに台所にリリアを案内した。
台所はそんなに広い訳ではないが、使いやすく配置されており、熱源はまきのようで、かまどと石窯があるのだった。
リリアはパンを焼くための材料をマリーに確認する。
「強力粉、砂糖、塩、バター、牛乳……」
「リリア様、何か足りないものが?」
「パンを発酵させるのにイーストを……」
「いーすと??王都ではいーすとと言う物で膨らませるのですか?」
聞いたことのない言葉を聞いたマリーは不思議そうに尋ねる。
「(ここにはイースト無いのね……)天然酵母でもいいのよ」
「それはよかったです。酵母の発酵させた液はありますよ」
そう言ってマリーは酵母を発酵させた液の入った瓶を持ってくるのだった。
「で、天然酵母の元種は……」
「もとだね??」
マリーは言葉の意味が分からず、更に不思議そうに尋ねるのだった。
「ひょっとして、天然酵母の発酵した液をそのまま水と一緒に強力粉に加えてる?」
「そうです」
「そうかぁ……(だから、パンが固かったのかしら……)」
直ぐにパン作りを始められないと知ったリリアはガックリ。取り合えず、元種を作ろうと気持ちを切り替える。
「マリー、申し訳ないけれど、マリーの作り方と違う方法でパンを作りたいのよ」
「違う方法ですか?」
違う方法で作ると言うリリアにマリーは驚く。この国でパンを作るのはマリーと同じ方法で作られるからだった。
「そうなの。ちょっと時間が掛かるので、出来るのは三、四日後になるのよ」
「わかりました。面白そうなので、私も見せていただいていいですか?」
「ええ、もちろんよ」
そう言ってリリアは強力粉と天然酵母のエキスの液と深めの皿と深めの皿より一回り大きな平べったい皿とスプーンを用意した。
まず深い皿に強力粉と天然酵母のエキスの液を同量入れて混ぜる。しっかり混ざったら、平べったい皿で蓋をして、27度ぐらいになる様にかまどの傍に置いた。リリアは置いてからマリーの方に申し訳なさそうに振り返った。
「マリー、実はパンを発酵させるものを作るのだけれど言ったように三、四日もかかるの。申し訳ないけれど、気長に待って」
「わかりました。リリア様。何か作業をされる時は見せていただきたいのでお知らせください」
「ええ、わかったわ」
それから4時間後、リリアはマリーを呼び、エキスと強力粉の混ざった塊が二倍に膨らんだものを見せる。
「リリア様、なんだかパンの発酵しているものと似てますねぇ」
「そうなの。でも、まだパンを作る前段階なのよ。一度休ませた後、これを二回はするわよ」
「え?根気がいりますねぇ」
「でも、美味しいパンが出来るわよ。」
そう言って、休ませた後、リリアは二倍に膨らんだものに強力粉とエキスの液を混ぜる。
「これで発酵するようにまたしばらく暖かい所に置くのよ」
「どれぐらい置くんですか?」
「さっきと同じぐらいで四時間ぐらい。もう夜だから、一晩ぐらいかしら」
「大変ですねぇ」
「でも、その分美味しいと思うわよ」
嬉しそうににっこり笑うリリアにマリーは思わず微笑み返すのだった。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
●酵母のエキスについて
自然界に生息している様々な酵母菌を使ってパンを膨らませることができます。
(ドライイーストからパンを作るほうが簡単なのですが……)
天然酵母(の発酵した液)は糖分のあるフルーツ+水+砂糖をから作ることが出来ます。
自家製の酵母液を作るのに1週間ぐらいかかります。
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