ナニカがタリナイ

葉゚二🌙👤

文字の大きさ
上 下
76 / 81
尋問

2の隠れた思い

しおりを挟む

落ち着いたのか2は話した

「……まずは、ゴメン。」

深々と頭を下げた。
4は首を横に振ってみせた。

「ストレス発散と思って見ていますので……」

「あ……ごめんね2ちゃん」

「良いけど。
………ねえ、良かったら僕の聞いて欲しい。
僕スッキリしたい」

「良いよ。
めっちゃ楽しみ!」

3の前向きの言葉に…
そんな言葉が響けば良いのだが……
2は下を向いて、2人はきっと興味のない自身の家庭事情を語り始めた。



◇◇◇_______________◇◇◇


父は、我慢していた。
悪い事何一つしていないのに、冷たく影で言われる感覚。
苦しかった。
父は一般人であるファンの人と結婚し、築城奏という男が生まれた。
両思いから出来たこの関係は、とても良好だった。
母も父もとても良い人なのは覚えている。
父は学生時代に1人で他界した。
自決した事故だった。
辛かった。
でも、俺たちを巻き込みたくないというそんな気持ちが充分伝わった。
伝わらないわけがない。



父は、俺に似ており、
そんな父と自分の違いは、人気者というところだ。
そんなかっこいい父は、結婚する何年も前に
人気女優が父に惚れ、婚約をしようとしたものの父は拒否。
そう、その女優はオフでは、ヤバい奴だったのだ。
金は使い、取っ替え引っ替えするような感じの女だったが、仮面被った人気女優なのは、確かだ。
父はそんな人が苦手で、人気者かつ優しい父であったが、そんな父が拒否をした後、
女による父への嘘情報で色んな人が信じてしまい、炎上した。
ストレスの溜まった父に寄り添ったのは、母だった。
一度出会い、仲良くなって
そんな母の良さに気付いた父は結婚。
女優は、それに嘘をさらに吹き込んだ。
女優に付き合ってほしいと言った上、母と結婚したという最低な男として広まった。
父は反論するも、さらに炎上。
信じてくれたのは数少ない。
きっと顔が広い女優の影響だろうとおもったらしい。
気付いたら、出番が消えた。











母は、
「こんなことしかできなくてごめんね。」

辛そうだった。
俺は産まれて“奏”と名前をつけられ、
父はそれで心を癒した。
俺が父を守っていた。
炎上が収まったのは、俺が産まれて喋れるようになって暫くしてからだ。

質問があり、こうだった

「パパの事どう思う?」

テレビはそれを取り上げた。
父の気持ちも知らず。

だが、子供は素直だ。

「パパは、とっても優しいよ!
パパ大好き!かっこいい!」

その言葉の後、

「ママもパパで良かったって言っていたよ!
ドキドキしたって!」
”パパは、ママ以外と女の子と出た事ないって!“
その言葉に女がキレてしまい、炎上しつつも、
暫くしてからやっと真実が拡散された。
女優の思い込み、ボイスレコーダー
証言

何故今になって出たのかというと、
怖かったとの事。

真実の後、父に謝罪が来たのだが、
家族以外受け付けれなくなり、引退。
その後、車で海へ突っ込んで死んだ。
許せない。

俺はある日、父と同じ世界に入った。
何十年も出てこないと思うと、幸せ一択だった。
母と俺だけになった広い家に父の写真があるのは仏間。
次は俺が……守る番だ。俺が守らなければ
ならない。そんな大事な使命だ。



今は母は、シングルマザーとして優しくしてくれた。
父が与えてくれた愛情も普通以上に与えてくれた。
“幸せ”という言葉では少ないくらいだ。

お金の大事さというものも全てだった。
“ありがとう”で済むのかはわからないが、簡単な言葉で済ましてはいけないくらい感謝しても仕切れない

そのくらいすごかった。


俺は、花束を飾る。
花の香りが漂う。良い香りだ。

俺にはもう母しかいない。
母のために父の分俺が頑張らなければいけない。
高校の後すぐアイドルになった。

事務所で、仲良しからの転落人生。



“ごめんなさい母さん。
こんな出来損ないの息子で。
父みたいに偉大な人間になれなくてごめんなさい。”

謝罪以外ででこなかった。
母はこんな俺に優しくしてくれて、精神も参っているはずなのに、
俺なんかの面倒を見て。



俺がやらなくちゃ
父に負けないくらいの力を持ってやる。
生活できないなんて辛い。


それが俺の詐欺生活の始まりだった。
夜遅くの夜勤と答え、心配させないよう自分なりに頑張ったが、結局ダメで施設送りだ。
本当にごめんなさい。
母は許してくれるのかわからないが、できる限りここで挽回してやろう。

そう思っていた。

奏はこんな子じゃ無い。もっとお父さんのようにかっこいい
面会の時に言われた言葉は、涙が出た。
あんたのためにどれだけ頑張ったと思っているんだと。
だから、クソみたいな詐欺をやめ、気楽にしようと考えた。
母さんきっとこんな俺に優しくしてくれる。
愛してくれる。
寂しい出来損ないな俺の役に立たなかった人生。
心配かけないよう頑張るから










もう何も見捨てないで。
俺頑張るから
ごめんなさい母さん。

















でももう遅い
普通でいるなんて、何年も詐欺をしてしまった
俺にはもう残された道はない。
ストレスでやられそうだ。

それを止めようとしたのはあのアホ変態警察の3という男だった。












本当に意味わかんない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。 下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。 ※全話オリジナル作品です。

処理中です...