ナニカがタリナイ

葉゚二🌙👤

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0の真実

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…………

「目が覚めたか」

「……リンドウ」

ベッドの上で眠っており、リンドウがそばに居た。
失敗だったみたいだ
0はゆっくり起き上がると

「0、無事でよかった」

リンドウは0を抱きしめた。

「0にき!」

5も入ってきては横から抱きしめた。
5はボロボロ涙を零す

「よかったっす!……0にき死んだらどうしようって思って!」

「5……」

0は5の頭を撫でた。
悪かったななんて思う。
5を泣かせてしまったのだから
しばらくすると、5は泣き止んだ
涙脆い大人だ。

「5、お願いがある。……リンドウと話させてくれ」

0はそう言うと5は頷いた

「分かったっす!」

そう言うと5は部屋を後にした。

「……リンドウ。」

0はリンドウの名前を言うと、リンドウは離れた

「……俺は梢みたいになりたくない」

手に触れるリンドウ。
0は下を見た。
そして、0はゆっくり話した。

「やっぱりお前には話しとかなきゃ、駄目みたいだ」

「お前はホントに梢並に心配し過ぎなんだよ」

すると、リンドウは珍しく帽子をとって、目をしっかり見て話した

「もしこれがお前じゃなかったらこんな話はしない。」

「……それはどんな……?」

「俺と梢の話。キョーミあるだろ?」

すると、リンドウは首を横に振った

「俺は別に。お前のことをもっと知りたい位で、梢はあの時知れたから良い。」

「そうか。けど俺の話には嫌でも梢は出てくる」

ヒーローだから当たり前だ。
けど、何故か助けてくれた目の前の男に感謝を言わなければならないのが普通。
が、俺が望んだ……いや、梢が望んだこと。
俺はそれに従う人形。

これが、俺だ。なんて言ったら怒るかな。
見捨てるかな
0として見てくれないのかな。




俺はそう思った。




『大丈夫だ。俺はいつでもお前の味方だよ。……影』




「……!」

0は下を向いたまま驚いた。
……兄のお陰
そうだ。

「0……?」

リンドウは0に話しかけると

「思い出した。俺の名前……」

リンドウはその言葉に驚いた。

「名前を!?……言うな0」

「……何故?」

「それが印なる時必要な物だ。」

印を付けるには名前を覚えている必要があった

「……印に……功績というのは……」

「そうだ。それが名前だ。」

それは、……きっと1も分かるからこそ
サルビアの印があったはず
無理矢理かと思えば、理由があった。
それは、名前だった。
リンドウは名前がわかった0に対して印つけるかと思うのだが、リンドウは違い、教えるだけ。

「そうか。」

そして、0は立ち上がった。
……
リンドウに俺は暴露をしようとした。
棚を開け、関係するものが出てくる

「これが俺の中にあった」

それは注射器と、写真。
その写真には、

「梢と0と……」

笑顔の梢、0の不機嫌な顔、そしてスグリが梢と0の肩を触っており、笑顔だった。
これが何故か嫌な気持ちになった。
0はもう嫌がっているようにしか見えない。

「せめて破るなら俺だけにしてくれ」

破りたそうにしているのか0はそう言う。
リンドウはそれは出来ない。
人のものだ。

「それはできない」

「そうか」

すると、リンドウは注射器を見た時、これが0の罪を表す。

「薬物……なのか?」

「はぁ、……」

0はため息を吐き、腕まで捲った。
すると青くなっており、リンドウは心を痛めた。

「痛くないのか?」

「あぁ……全然。」

間を置いてそう言った。
痛くは多分無いのだろう。……嘘をついているかもしれない。
治せるなら治したい。

「あのリンドウが飲ませたやつは薬物に近かった。」

「……色々種類があって、たまたま選んだやつだ」

「ふーん」

リンドウはたまたま選んだものが0に薬物だと思わせたらしい
0はリンドウの隣に座った。
過去のことを思うと

「はぁ、どうせ隠しても無駄だな」

いつか話さなければならない。
秘密にしていたのだが、はやく話せそうだ。
この苦しみを理解してくれるのだろうか。
梢のことをひとつも知らないこの男が
俺と梢のことどう思っているか、俺の今まで吐いた全ての嘘を
わかってくれるのだろうか。

「リンドウ」

話を聞いてくれるのだろうか。
俺はこの男に言えるのだろうか
……なんだろう。
不安しかないこの気持ちは。
信頼してくれないのを怖がっているのか?
あんな優しくしてくれた奴はいない
俺は俺の梢とリンドウをどうしても重ねている。
兄みたいで、なんでも許してくれるのではないかと思っている。
リンドウが好きなんだろうか。
いや、ドキドキなんかしない。
これは恋じゃない。
あくまでも
汚れた人間と綺麗な人間だ。
俺は彼を信頼しているからこそ……


話せるんじゃないかと思う。
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