世界最後のヒーローごっこ

第4話 2人目の仲間

　雫から事情を聞いた。
　親は2人とも海外に出張していて最近は一斗と2人で過ごしていたそうだ。
　あの犯人は雫を襲おうと入ってきたらしいが一斗がそれを止めてくれて、相討ちになってしまった。
　一斗の最後の言葉は…。
　​──雫、女の子らしく…幸せに…なってくれよな…。
「こんな世界で幸せになれるのかな…？」
「どうだろうな。でも幸せと思えば幸せになれるんじゃないかって俺は思う」
「だね、思い込むのも大事だよね」
　俺は再び一斗に感謝を告げるのであった。

　いつも通りの落ち着きを見せてきた所で雫は話題を変えた。
「ところで…玄関で静かにしている子はいったい誰なの？」
　美空の事をすっかり忘れていた。
　この言葉が聞こえたからか、美空はリビングへと入ってきた。
「お久しぶりです雫先輩。美空です」
「美空…良かった無事だったんだね」
　そう言って美空に抱きつきに行く。
「はい、白人先輩が助けてくれて…」
「良かった…良かったよ…。生きててくれてありがとう…」
　今にも泣き出しそうな声をしている。
　雫は美空に謎のライバル心を持っているが、美空のことが大好きなのだ。
　俺としても2人が仲良くしてくれるなら嬉しい限りだ。

　雫に何故俺と美空が一緒に行動しているのかを説明し、現在。
「…私もついて行く」
「お前もかよ…」
　美空の言ってた通り1人で居るのはそれはそれで危険なのだが…俺のやることを考えたら出来れば来て欲しくないという気持ちもある。
　でも…俺は雫が好きだから…一緒に行動できるのは嬉しいんだけどな。
　美空を連れて行くのに雫を連れて行かないなんて言ったら確実に拗ねるので美空と同じように動きやすい服装にしてもらい、最低限の荷物と自衛用のナイフを持たせる。
　美空と同じく怯えているがそんなことを言ってる場合では無い為無理やり持たせることになった。