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第3話 大切な人の死
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「白人先輩、助けていただいてありがとうございます!」
「気にすることねえよ」
俺は今雫の家に行こうとこの部屋から出ようとしたのだが…。
「白人先輩、かっこよかったですよ」
美空に引き止められてしまった。
「美空、悪いが俺行くとこがあるんだ。話はまた今度でいいか?」
「どこにいくんですか?」
「雫の家だ。あいつ、ビビりだからきっと家から出てないと思うんだよ」
「なるほど…」
ようやく話を聞いてくれたので家を出ようとする。
「白人先輩、私も連れて行ってくれませんか?」
「…え?」
今から俺は外に行く、つまり危険が多いところにいくのだ。
だと言うのに着いてくるのか…。
「分かってるのか?今外は危険なんだぞ、おとなしく家にいろよ…」
「嫌です。それに一人でいるとまた襲われるかもしれないじゃないですか」
それは確かにそうだ、こんな世界になったんだ。何があってもおかしくない。
「着いてくるのはいいけどいざとなったら自分の身を守れよ」
「はい!大丈夫ですよ」。
ということで美空にも外に出る準備をしてもらう。
動きやすい服装、少しの飲食物、着替え、そして…。
「一応これも持っとけ」
台所にある調理用の包丁を持たせる。
「こ、これは一体…?」
怯えている、だが無理もない。
もしかしたら自分が誰かをその包丁で傷付けないといけないと思うと怯えるのは仕方の無いことだ。
「…一応な。もし俺が守れない状態になったらこれで威嚇するのもよし、さっきの俺みたいに斬り掛かるのもよしだ」
「………」
少し考えた後に持っていくことに賛成してくれた。
そうして家を出る。
さあ、雫の家に向かおう。
雫の家までは5分ほどなのですぐに着いた。
家の扉をノックする。
反応がない。
だが良く耳を澄ませてみると、女の子の泣き声が聞こえた。
俺と美空は慎重に家に入る。
リビングで雫が泣いている。
原因は………、すぐ近くにあった。
「一斗……」
一斗、雫の兄で俺は良く一緒にゲームをしていた。
「だ、だれ!」
どうやら今の声が聞こえてたようだ。
俺は雫の前に姿を出す。
「雫、俺だよ」
「白人…?」
何か言おうとしたがそれより先に雫が俺に抱きついてきた。
「白人…白人!一斗兄が私を助けるために…死んじゃった…」
大粒の涙を零しながら一斗が死んだ事を教えてくれた。
リビングの横の部屋には、犯人とみられる人間の死体があった。
何となく察していた。
もしかしたら血だらけだけど生きてるのではないかという俺の淡い希望はその瞬間に崩れ去ってしまった。
「大丈夫だ、俺もいる。泣くならなけ、傍に居るからさ…」
そこからしばらく雫は泣き続けた。
俺も泣きたい気持ちはあるが今の雫に弱い所を見せる訳にはいかない。
一斗…雫の事は俺が絶対守りきる。天国で安心して見ててくれよな…。
その後泣き止んだ雫の提案で一斗の身体を玄関前の庭に埋めてあげることにした。
犯人は俺が少し離れたところに引きずって捨ててきた。
「気にすることねえよ」
俺は今雫の家に行こうとこの部屋から出ようとしたのだが…。
「白人先輩、かっこよかったですよ」
美空に引き止められてしまった。
「美空、悪いが俺行くとこがあるんだ。話はまた今度でいいか?」
「どこにいくんですか?」
「雫の家だ。あいつ、ビビりだからきっと家から出てないと思うんだよ」
「なるほど…」
ようやく話を聞いてくれたので家を出ようとする。
「白人先輩、私も連れて行ってくれませんか?」
「…え?」
今から俺は外に行く、つまり危険が多いところにいくのだ。
だと言うのに着いてくるのか…。
「分かってるのか?今外は危険なんだぞ、おとなしく家にいろよ…」
「嫌です。それに一人でいるとまた襲われるかもしれないじゃないですか」
それは確かにそうだ、こんな世界になったんだ。何があってもおかしくない。
「着いてくるのはいいけどいざとなったら自分の身を守れよ」
「はい!大丈夫ですよ」。
ということで美空にも外に出る準備をしてもらう。
動きやすい服装、少しの飲食物、着替え、そして…。
「一応これも持っとけ」
台所にある調理用の包丁を持たせる。
「こ、これは一体…?」
怯えている、だが無理もない。
もしかしたら自分が誰かをその包丁で傷付けないといけないと思うと怯えるのは仕方の無いことだ。
「…一応な。もし俺が守れない状態になったらこれで威嚇するのもよし、さっきの俺みたいに斬り掛かるのもよしだ」
「………」
少し考えた後に持っていくことに賛成してくれた。
そうして家を出る。
さあ、雫の家に向かおう。
雫の家までは5分ほどなのですぐに着いた。
家の扉をノックする。
反応がない。
だが良く耳を澄ませてみると、女の子の泣き声が聞こえた。
俺と美空は慎重に家に入る。
リビングで雫が泣いている。
原因は………、すぐ近くにあった。
「一斗……」
一斗、雫の兄で俺は良く一緒にゲームをしていた。
「だ、だれ!」
どうやら今の声が聞こえてたようだ。
俺は雫の前に姿を出す。
「雫、俺だよ」
「白人…?」
何か言おうとしたがそれより先に雫が俺に抱きついてきた。
「白人…白人!一斗兄が私を助けるために…死んじゃった…」
大粒の涙を零しながら一斗が死んだ事を教えてくれた。
リビングの横の部屋には、犯人とみられる人間の死体があった。
何となく察していた。
もしかしたら血だらけだけど生きてるのではないかという俺の淡い希望はその瞬間に崩れ去ってしまった。
「大丈夫だ、俺もいる。泣くならなけ、傍に居るからさ…」
そこからしばらく雫は泣き続けた。
俺も泣きたい気持ちはあるが今の雫に弱い所を見せる訳にはいかない。
一斗…雫の事は俺が絶対守りきる。天国で安心して見ててくれよな…。
その後泣き止んだ雫の提案で一斗の身体を玄関前の庭に埋めてあげることにした。
犯人は俺が少し離れたところに引きずって捨ててきた。
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