もう一度あなたに会いたい

対抗戦編

第8話 実力主義の学校らしく

　あれから1週間が経った。
　相変わらず星李からイタズラされ、琉杏達と遊んだりしていた。
　今日は4月30日、1時間目は生希先生の授業だ。
　どうやら授業時間を使って話すことがあるみたいだ。
　というわけで話を聞こう。
「5月10日...つまり来週の土曜日だな。その日に対抗戦がある。」
　事前の資料にも書いてあったのでやることは知っていたが、いつやるかは書かれていなかったのでそんなにすぐ始まるのは少し驚いた。
「やることは名前の通りなんだが、2年と3年も含めて全てのクラスによる戦いだ。全クラスとやるわけでは無いが、5クラスくらいとやると思う」
　ただ...そのルールで行くと...。
「先生！それなら私達Ｃ組はめっちゃ不利じゃ無いですか？」
　琉杏が私の言いたいことをそのまま言ってくれた。
　1年生だけとかでもＣ組は勝ち目のない戦いなのに上級生も入ってくるともなれば余計に勝ち目が無くなる。
　実力主義の学校だから弱いやつが悪いと言われればそれまでだけど...。
「そうなんだよな。その辺は学校側に聞いてくれないと俺にはどうしようもないんだ。なんだ、まあ...頑張れよ」
　先生もＣ組が不利なのは理解してるみたいだが、ここで負ける的な事を言うと流石にまずいので軽く応援コメントを残していった。
　とりあえず金曜日にメンバーの5人を確定する予定らしい。
　明日は実技の日だからそこで実力の高い人を見極めよう。

　5月2日金曜日、とうとう今日メンバーを決める。
　5時間目が生希先生の授業の為そこで決めることになった。
　メンバーは昨日の段階で星李と色々話をしていたから既に決まっていた。
　メンバーは、内田 琉星うちだりゅうせい、芹田 花怜せりたかりん、星李、八杉 瑠香やすぎるか、そして私だ。
　正直に言って結果には期待できないが...とりあえずＣ組の中で実力の高い人を選んだ。
　私的には命ちゃんを選抜して実力を見てみたかったのだがいつも通りと言うべきか、戦えないと断られてしまった。
　無理に選抜するのも気が引けるので身を引いた。
　ちなみにだが...今年の1年A組は歴代最高クラスで実力が集まっていると聞いたことがある。
　約30年前の1年A組が今のところ最高戦力とされていて、当のA組には夜美のお父さんである天海 迅あまみじんが居た。
　他のメンバーも警察や自衛隊などで今でも最前線で活躍している人が大多数。
　今年のA組はそれと並ぶ、もしくは超えるとまで言われている。
　当然私は生まれていなかったので当時のことは知らないが、実際に迅さんから話を聞く限り最強クラスが代わりそうだと言っていた。
　それほどまでに実力者が揃ってる今年のA組...ここ数年と比べても圧倒的にＣ組が勝てる可能性が低い、なんなら3年A組が負けるかもなんて言われ始めている。

　その後は順番も決めた。
　ファーストは私、そこから琉星、瑠香、花怜、星李となっている。
　最初に私が1Rを取って後続の士気を上げる作戦なのだが、負けてしまっては意味が無い。
　私も頑張らないとね。